東岡忠良の奇想天外な夢日記

東岡忠良

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高校で文化祭の準備が始まった。昼休みを終えて教室に戻ってみると?

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 こんな夢を見た。

 高校の文化祭が近づき、昼休みが終わると文化祭の準備をすることになった。
 僕は自分の教室『2年3組』に戻ってみると、机と椅子が片側に寄せられていた。
 そして見渡すと、知らない生徒ばかりである。それでも自分の学生鞄(かばん)が置いてある机に座ると、そこに座るはずの生徒だろう。
「君も教室を移動したら」
 と言われる。そんな話は初めて聞いたので、仕方なく鞄や荷物を持って教室を出た。
 ただ教室を出ても、どこに行けばよいか分からない。
「仕方がない。帰ろうかな」
 と二階の階段に差し掛かった時である。
「そうだ。先生に聞こう」
 と職員室に入った。
 職員室には数人の教師しかおらず、たまたま近くにいた教師に聞くと、
「えっ? 何でどこに移動するのか知らないんだ!」
 と怒られた。
「すいません……」
 と謝ると、その教師は調べてくれた。
「『一年二組』の教室に行きなさい」
 と言われた。
 礼を言って『一年二組』の教室に近づいて行くと、
「東岡のヤツいないな?」
「ああ。アイツだけに移動教室のことは言わなかったからな」
「うわ~。ひでえ~」
「今頃、全部の教室を覗いているんじゃないか」
 と言う話し声と笑い声が聞こえてきた。
 僕はしばらく廊下に立っていたが、
「よし! こんな学校、辞めよう!」
 と誰も居ない廊下を進み、階段を下りて下駄箱に行き、脱いだ上履きを靴に入れ、スニーカーに履き替えると、誰もいない校庭を抜けて、校門を出て行った。

 ちなみに現実の自分は、高校を卒業していますし、早退もしたことがありません。

 校門を出て帰ろうと歩いていると後ろから、
 おーい! おーい! 東岡!
 と男女の混じった声が聞こえた。
 振り返ると、自分のクラスであろう五人の生徒が走って追いかけてきていた。
 見てみると、全員背が高くモデルのように良い容姿の者ばかりが、自分の名前を呼んでいた。
 彼らは僕に追いついて、
「何、帰ってんだよ」
「早く文化祭の準備をしましょうよ」
 と口々に話す。
 僕は、
「いや。用事があるからさ」
 とウソをついた。もうあんな学校は辞めるつもりで出てきたのだが、こんなにも一生懸命に追いかけてきてくれた五人に、
「実はもう高校は辞めるんだよ」
 とは言いにくかったのである。
「分かったよ。なら気をつけて帰れよ」
 と言われて、
「じゃあ」と手を上げて歩いて行く。
 追いかけてきた生徒らは、反対方向の学校側に歩いてい行く。
 そこまではよかった。
 すると女生徒二人の会話が聞こえた。
「早退するなら、早めにするって言って欲しいよね」
「何、言ってんの。そんなの自分だけ集合する教室を教えてもらっていないから拗てんのよ」
「あ。そうか」
 とクスクス笑っている。
 なるほど。こいつらはこうやって追いかけてきたのは、『僕にだけ集合教室を教えなかったことを、教師に言い訳するためだけに、こうして追いかけてきただけなんだ』ということが分かった。
「おい! おまえら! 声が大きいぞ」
「えっ? 聞こえたかな?」
「そりゃ、聞こえただろう」
 という男子生徒と女子生徒のやり取りが聞こえたが、僕は早足でその場を去った。
 もう二度とあんな連中と話すどころか、顔を合わすこともないだろう。
 それよりも通学に使っている地下鉄の駅へ急ごうと思った。
 しばらく歩くと、大きな公園が出てきて、奥にはドーム球場のような建物が見えた。その周辺にはポツポツと満開の桜が咲いていた。
 その公園の真上には大きな入道雲があった。
 公園の向かいには地下鉄の駅があった。
 早く駅から地下鉄に乗ろう。二度とこんなところには来ないだろうし!
 と思ったところで目が冷めた。

終わり。

令和5年5月23日
    
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