上 下
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山上にあった崖道(がけみち)に存在する片側商店街。

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 こんな夢を見た。
 ある山の中腹に白くて綺麗な家があった。
 そこを「買わないか?」と言われたので、とりあえず見に行ってみると、確かに綺麗な二階のある一戸建てだった。
 もう少し上から見てみようと、その家の前にある一本道を登っていくと、そこから勧められた一戸建ての家がよく見えた。
 確かにここは静かで空気もよくて、住みやすいかもしれないと思って帰ろうとすると、
『○○書店』という看板を見つけた。
「え! こんな山の上に本屋があるの?」
 と、とても不思議に思い、思い切ってもっと上へ登ってみることにした。
 すると、崖道(がけみち)が出てきて、正直驚いてしまった。
 そこの崖道には数件の家と店舗が片側商店街のように並んでいた。
 店と家屋が右側に長屋のように連なっている。店と家屋の長屋の前は蛇行した道が続いている。そして道の左側は断崖絶壁であった。
 建物はどれも昭和レトロ風な透明ガラスの引き戸である。一部、二階のある民家もあったが、ほとんどは平屋だった。
 目的地の本屋はすぐに見つかった。
 本屋というよりも古本屋である。
 店内には今ではほとんど見かけなくなった、バーコードのついていない本が沢山並べられているのだが、店外にも本が積み上げられていて、中には道に放置されている表紙のない文庫本もあった。
 僕は思わず、
「本が道に散乱していますよ」
 と言いながら店内に入った。
 そこには一人の老人がいた。
「欲しいなら、タダでやるから持って帰ればいい」
 とだけ言い残して、店の奥に引っ込んでしまった。
 いくらなんでも勝手に持って行く訳にもいかず、仕方がないのでより道の先へ、崖道を歩いて行った。
 すると田舎に時々見かける雑貨店らしき店があった。
 喉が乾いたので、ジュースを買おうとしたのだが、そこで売られていたジュースは瓶(びん)であった。
「今時、瓶だけって!」
 と驚いた時に、目が覚めた。

終わり。

令和5年5月12日。
    
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