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真っ白な高級スポーツカーをレンタルしに行く夢。

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 自転車に乗って新車と中古車を扱うレンタカー店に向かう。
 理由は『白いポルシェのような高級スポーツカーをレンタルする』ためである。
「道はここで合っているのか?」
 と思いながら進んでいく。
 すると大きなレンタカー店が見えてきた。そして到着。
 店内に入り、
「予約していた者ですが?」
 と声をかけると、痩せ気味の中年男性が対応した。
「いらっしゃいませ。お名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」
「東岡忠良です」
「東岡さんですね。ああ。この店舗で一番高い白いスポーツカーのレンタルですね」
「はい。それでお願い致します」
 と言ったが、
「お客様。この車は一泊二日でレンタル料が十万円でございます」
「はい。そうですね」
「ですが、私共の店ではレンタカーを中古車としても扱っておりましてね」
「はい」
「ここは思い切ってご購入されてはいかがでしょう」
「え? レンタルを止めて買うんですか?」
「そうでございます」
「いや。買うのはちょっと」
 店員は資料を持ってきて、
「一泊二日で十万円。十日借りたら百万円。百日借りたら一千万円なんです」
「はあ」
「今ならこの車を一千万円で、ご自分の物に出来ますけどどうですか?」
 と目を輝かせながら言う。
「いえ。使いたいのは今日だけなんです」
「お客様。長い目で見たらお得ですよ」
「いや。お得も何も、使いたいのは今日だけなんです」
 と返すと、中年店員は大きくため息をつき、
「分かりました。レンタル料は一泊二日で十万円です」
 と言われ、鞄から現金十万円を取り出して渡した。
 手続きはすぐに処理されて、準備された白いスポーツカーに乗り込もうと取っ手に手をかけると開かない。
「あれ? おかしいな?」
 と苦戦していると、
「お客様。こちらの車はガルウイングと言って」
 と店員はドアを上げた。ガチャッという気持ちの良い音がして、扉が上に開いた。
「あ。これ、ポルシェじゃなかったんだ」
「はい。ランボルギーニでございます」
 と言った。
車高の低い車に何とか乗り込むと、
「お客様。一応、保険には入っておりますが、くれぐれも事故にはお気をつけ下さい」
 と念を押され、店からランボルギーニを発進させた。
「こんな車、運転できるかな?」
 と思ったところで夢から冷めた。

終わり。

令和5年4月24日。
    
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