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道路で沖縄に行ける道が出来て、そこでやっている「映画 ウルトラマン」の撮影を見に行く。
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また、変な夢を見た。
小さな白い軽自動車で、ひたすら直進の土道を走る。その道は沖縄に続いているらしく、新しく出来た道だった。
すると段々と道幅が狭くなり、雑草の生えた土道で登りが多くなってきた。
前を走る車も最初は快適そうに走っていたが、過酷な土の登り坂のせいで、ついに止まってしまった。
前が動かなくなってしまうと、もう車では進めなくなった。
仕方なく、歩いて進むことにした。
道中には店舗などは一件もなかったのだが、沖縄に近づいたのか、ポツポツと店舗や会社や倉庫が見えてきた。
そう言えば、何も食べていない。
ふと見ると、カタカナの赤字で『中華料理 カーウ・シェン(六文字だという事は覚えている。)』に入った。扉は古い喫茶店のような、開けるとカウベルが鳴る木の作りのものだった。
中に入ると、綺麗な外観とは大きく違い、長い机だけで椅子がない。そのテーブルの上には、鍋に八宝菜や揚げ物が無造作に置かれている。
若い夫婦だが、二人は中国人のようで、「いらっしゃいませ」以外は、何を言っているか全く分からない。
痩せた一人の中年女が、店の若い女性から白いビニール袋を受け取ると、中国語を喋りながら店を出て行った。
こっちは腹が減っているが、言葉が分からず中国人の若い夫婦は、僕に全く気づいていない風に作業をしている。声すらかけてくれない。
仕方ないので、こちらから声をかけるが、何かを言っているが何を言っているのか全く分からない。
身振り手振りで説明するが、意志が全く通じない。結構、長い間居たし、もうこんな店からは出た方がよいと思い、千円くらいを支払ってから、店を出ようと財布を見ると、一万円三枚しかなかった。
仕方なく出入り口の木の扉の前に行くと、若い中国人の男の方が通せんぼしてきた。言葉が通じないなりに、
「千円だけ払いたいが、今は一万円しか手持ちがない」
と言うと、
一言も発せず、手を開いて『五』として、五千円札を見せた。こちらは千円だと言っているのに、そのジェスチャーを何度も繰り返す。
仕方ないので、一万円札を渡すと、それを受け取ると、素早くレジに入れて、
「ありがとうございました~」
と言い残し、店の奥に引っ込んでしまった。
「騙された!」と悔しい気持ちを持ったまま、店を出て『中華料理 カーウ・シェン』の看板を恨めしく思い眺めてから、店を後にした。
しばらく歩くと、体育館のような場所が見えてきた。
開放されている出入り口には、人が頻繁に出入りしている。
中に入ろうとしても、特に止める人はいないので、そのまま進んで行った。
中は照明がほとんどなく真っ暗で、人を載せて走れる模型の蒸気機関車の残骸が、大量に積まれていたり、古い工作機械が大量に置かれていて、その機械をヘルメットを被ったオレンジの科学特捜隊の制服の人達が、何か作業していた。
「ああ。ここが『映画 ウルトラマン』の撮影現場なんだ」
と眺めていると、前方奥にある出入り口から、大声で何かを話しながらやってくる人影が見えた。その人の後ろにはカメラを担いだ大きな撮影機材を持った人達が、歩幅を合わしながら前を歩く人を撮っている。
──あ! 撮影だ!
と思い、暗い工場のようなセットから、大急ぎで入ってきた出入り口から出ると、光が眩しいと思ったところで、目が覚めた。
終わり。
令和5年4月19日(水)
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
小さな白い軽自動車で、ひたすら直進の土道を走る。その道は沖縄に続いているらしく、新しく出来た道だった。
すると段々と道幅が狭くなり、雑草の生えた土道で登りが多くなってきた。
前を走る車も最初は快適そうに走っていたが、過酷な土の登り坂のせいで、ついに止まってしまった。
前が動かなくなってしまうと、もう車では進めなくなった。
仕方なく、歩いて進むことにした。
道中には店舗などは一件もなかったのだが、沖縄に近づいたのか、ポツポツと店舗や会社や倉庫が見えてきた。
そう言えば、何も食べていない。
ふと見ると、カタカナの赤字で『中華料理 カーウ・シェン(六文字だという事は覚えている。)』に入った。扉は古い喫茶店のような、開けるとカウベルが鳴る木の作りのものだった。
中に入ると、綺麗な外観とは大きく違い、長い机だけで椅子がない。そのテーブルの上には、鍋に八宝菜や揚げ物が無造作に置かれている。
若い夫婦だが、二人は中国人のようで、「いらっしゃいませ」以外は、何を言っているか全く分からない。
痩せた一人の中年女が、店の若い女性から白いビニール袋を受け取ると、中国語を喋りながら店を出て行った。
こっちは腹が減っているが、言葉が分からず中国人の若い夫婦は、僕に全く気づいていない風に作業をしている。声すらかけてくれない。
仕方ないので、こちらから声をかけるが、何かを言っているが何を言っているのか全く分からない。
身振り手振りで説明するが、意志が全く通じない。結構、長い間居たし、もうこんな店からは出た方がよいと思い、千円くらいを支払ってから、店を出ようと財布を見ると、一万円三枚しかなかった。
仕方なく出入り口の木の扉の前に行くと、若い中国人の男の方が通せんぼしてきた。言葉が通じないなりに、
「千円だけ払いたいが、今は一万円しか手持ちがない」
と言うと、
一言も発せず、手を開いて『五』として、五千円札を見せた。こちらは千円だと言っているのに、そのジェスチャーを何度も繰り返す。
仕方ないので、一万円札を渡すと、それを受け取ると、素早くレジに入れて、
「ありがとうございました~」
と言い残し、店の奥に引っ込んでしまった。
「騙された!」と悔しい気持ちを持ったまま、店を出て『中華料理 カーウ・シェン』の看板を恨めしく思い眺めてから、店を後にした。
しばらく歩くと、体育館のような場所が見えてきた。
開放されている出入り口には、人が頻繁に出入りしている。
中に入ろうとしても、特に止める人はいないので、そのまま進んで行った。
中は照明がほとんどなく真っ暗で、人を載せて走れる模型の蒸気機関車の残骸が、大量に積まれていたり、古い工作機械が大量に置かれていて、その機械をヘルメットを被ったオレンジの科学特捜隊の制服の人達が、何か作業していた。
「ああ。ここが『映画 ウルトラマン』の撮影現場なんだ」
と眺めていると、前方奥にある出入り口から、大声で何かを話しながらやってくる人影が見えた。その人の後ろにはカメラを担いだ大きな撮影機材を持った人達が、歩幅を合わしながら前を歩く人を撮っている。
──あ! 撮影だ!
と思い、暗い工場のようなセットから、大急ぎで入ってきた出入り口から出ると、光が眩しいと思ったところで、目が覚めた。
終わり。
令和5年4月19日(水)
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