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【34-2】優子「助かったのか、助からなかったのかは分からないけど、誤解を解かないといけなくなったわ」
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【34-2】双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話
略して『ふたいも』です。
東岡忠良(あずまおか・ただよし)
【34-2】優子「助かったのか、助からなかったのかは分からないけど、誤解を解かないといけなくなったわ」
※この小説へのご意見・ご感想・誤字脱字・等がありましたら、お気軽にコメントして下さい。
お待ちしています。
──【34-2】──
由紀は持ってきた宿題を小脇に抱えて二階に上がり、竜馬の右隣りに再び座って、教科書を開いた。
「へえ~。算数の教科書なのね」
と優子は由紀のことが段々と可愛くなってきていた。
見た目は中学三年か高校一年に見えるのに、『数学』ではなく『算数』の教科書なのが、もう愛らしくてたまらない。
「あのう。由紀ちゃん」
と思わず優子は話しかけた。
「はい。何ですか? 綺麗なお姉さん?」
と微笑みながらのこの返事は、完全に優子のハートを虜(とりこ)にした。
「まあ。綺麗なお姉さんだなんて! ねえ、由紀ちゃん。もし、分からないところがあったら言ってね。いつでも教えてあげるから」
と声を弾ませる。
「はい。では早速、教えて欲しいんですけど?」
「ん? なになに? 何でも聞いて」
と優子は前のめりになって、ローテーブルに身体を預けた。優子の大きなHカップの胸が、テーブルの机上(きじょう)に載っている。
「じゃあ。お姉さんはお名前を何て言うんですか?」
と少し緊張しながら由紀は聞いた。
「私は相生優子って言うの。よろしくね」
と微笑みながら返事をすると、
「優子さんって言うんですね。こちらこそ、よろしくです。では早速、質問ですけど優子さんって身体は細いのに、おっぱいが大きいんですね。何か特別なこととかしているんですか?」
とド直球に言ってきた。
「質問って勉強のことじゃないのね……」
と言いながら、目線を右斜め前にいる竜馬に向けた。少し頬が赤くなり目線を優子から逸らしている。
──竜馬って、私のこと、どう思っているんだろう?
と自分から視線を外す竜馬の仕草に、相手の気持ちが分からなくなっていた。
そんな時、
「優子。ここからでも分かるわよ。あなた、身体は細いのに何でそんなに胸が大きいの?」
と大きな声で追い打ちをかけたのは和葉である。
「えっ! そんなこと私に聞かれても分からないわよ」
と答える。
「やっぱり、毎日自分でマッサージしているの?」
と踏み込んできた。
「ええっ! やってないわよ。やる訳ないでしょう」
と優子が言うと、
「え? マッサージをしていないの?」
と言ったのは、一子だった。
「橘さんはやってるの?」
と和葉。
「やっ、やってるわよ。悪い?」
と和葉へ強い口調で反応した。
すると、
「実は私も優子と出会ってから入浴中にマッサージしているのよ」
と聞かれもしていないのにそう言い、和葉は自分の胸を揉んで見せた。
「和葉さんもやっているの? どうして? そんなに大きいのに?」
と一子は不思議そうに言うと、
「優子がHカップだと聞いてね。Gカップの私なんてモビルスーツに例えたら、リックドム程度。ゲルググの優子に勝つにはもっと大きくしないといけないと努力を始めたわ」
と自分の胸を揉みながら和葉は言ったが、女性陣と赤面している春樹はキョトンとなった。理解しているのは竜馬くらいのようだ。
「あのう、和葉。そのリックドムとかゲルググとかって、何を言っているのか私には分からないんだけど?」
と優子。
「もう、優子ったら。もっとしっかりと勉強して欲しいわ。モビルスーツの性能の差は高校生に取って必須の知識よ」
と和葉はさっきまで胸を揉んでいた両腕を広げて「全く、この人達は困ったものね」とでも言いたげな仕草をした。
「和葉さん。今の女子高生でファーストガンダムの知識のある人なんて滅多にいないと思いますよ」
と瀬川薫が言うと、
「薫ちゃんはジオングだから、そんな知識も必要としないし、今のままでいいんじゃない」
と和葉。
「えっ!私、ジオングですか?」
と薫が驚くと、
「そりゃそうよ。だって薫はIカップでしょう。ロリ巨乳なんてレア中のレア。生産台数の少ないジオングに存在的にも破壊力もピッタリよ」
と和葉が言うと、
「えっ! あのカワイイ先輩ってIカップなんですか! 凄~い!」
と感心する小五の由紀。
「じゃあ、和葉お姉ちゃん」
「何? 由紀ちゃん」
「私は今、Cカップなんだけどモビルスーツに例えたら何かな?」
と問うと、
「そうね。小五でCカップなのね。……そっか。小五の頃の私と同じくらいなんだ」
と和葉が言うと、
「え! そうなの? じゃあ、私って高校生になったら和葉お姉ちゃんと同じGカップになるのかなあ~」
と嬉しそうである。
「さっきの話だけど、由紀ちゃんはまだ、開発途中だから。そうね。ザクIIのプロトタイプって感じかしら」
と言った。
「和葉。その話題はもうそのくらいで」
と危険な空気を読み取った竜馬が、この話題を止めようしたら、
「ところでそこの小柄なお姉さんは、何カップですか? 胸をマッサージしているって言ってたから、結構大きいのかな?」
と橘一子にそう言った。
一気に部屋の空気が変わった。冷え切った、と言うべきだろう。
「ちょ! 由紀ちゃん……」
と竜馬は止めようとしたが、間に合わなかった。
少しの沈黙の後、
「……由紀ちゃん……。私はね。Aカップなの……」
と俯きながら、呪いの言葉を発したかのように、暗く重く語った。
それでも由紀は気づかず、
「え! 一子さんでしたっけ。一子さんって高校生なのにAカップなんですか? どうしてですか? 運動とか嫌いですか? もしかして食べ物に好き嫌いがあるの?」
と小学五年生らしく、空気を読まずはっきりと言いにくいことを言った。
無邪気に疑問を持ったために、微笑みながら由紀は質問をしているのだが、明らかに空気がピンと張り詰めた。
「……私はね。これでも運動は得意なほうよ。中学時代にはかなり足は速い方だったし」
由紀は畳み掛ける。
「じゃあ。食べ物ですか? 好き嫌いが激しいとかですか? あっ。そうそう。おっぱいを大きくしたければ、牛乳を飲むといいらしいですよ。私、毎朝飲んでますし、給食でも二本飲む時もありますよ」
と楽しそうに話した。
「給食ってカワイイ~」
と小夏が反応する。
一子は、
「私……。牛乳は欠かさず毎日飲んでいるわよ……。それに特に好き嫌いはないし……」
と言うと、
「え~。そうなんですか。じゃあ、どうしてだろう? 高校生の一子さんがAカップなのに、小五の私がCカップの理由は? う~ん」
と考え始めた。
数秒の沈黙が訪れた。
何とかこのピリピリとした空気を変えたかったのだろう。和葉が発言した。
「きっとあれよ。一子さんはまだ、恋を知らないからよ。好きな男性が現れたら女性ホルモンがたくさん分泌されて、きっと胸も大きくなるわ」
と最もらしいようで、何の根拠もないことを言った。
だが、
「そっか。一子さんはまだ、好きな男の人がいないんだね。だからAカップなんだ。私は小五だけど」
と竜馬の方を見て微笑むと、
「竜馬お兄ちゃんのことが大好きだから、Cカップあるんだね。納得したよ」
と言いながら、竜馬に抱きついた。
「由紀ちゃん。これで納得したでしょう。だからもうこの話題を終わらせて、勉強しましょうね」
と優子が言ったが、
「ん~。それだと胸の大きなお姉さん達は、好きな人がいるってことになるよね」
と由紀は言い、
「和葉お姉ちゃんは、何だか分からないけど竜馬お兄ちゃんのことが好きだから、おっぱいが大きいんだよね?」
と純真無垢な視線を和葉に向けた。
和葉は、
「もちろん、そうよ!」
と明るく返す。
「あっ! 和葉! 無責任よ!」
と焦る優子。
「じゃあ、優子お姉さんは好きな男の人っているんですか?」
とまたド直球の質問をした。
「え? ……え~! それは……。その……」
と顔を赤らめて俯いてしまった。
「あ~。優子お姉さんって好きな人がいるんですね~。誰ですかあ~」
と由紀は机に身体を乗り出して訊いてくる。
「その……。私は……」
と小声になると、
「優子は私のことが好きなのよ」
とさらりと和葉が言った。
すると、
「ハァ~!」
とさっきまでの小声が嘘(うそ)のように大きな声を、優子は出した。
「以前、優子が家に遊びにきた時に、私の部屋で優子とイチャついていたところを、お兄ちゃんに見事に見られちゃったのよね。ねえ、お兄ちゃん?」
と和葉。
「まあ、確かに見たけど、あれは……」
「ええ! そうなの? 女同士で!」
と一子と由紀はショックを受けている。
「そう。だから、私と優子は今から一緒にトイレに行くわ。さあ、行くわよ、優子」
と和葉は立ち上がり、優子の側へ行き腕を引っ張った。
「分かったわよ。ちょうど行きたかったし」
と優子は和葉に付いていく。
「あ。私も行きます」
と薫。
「私も、私も」
と小夏。
「……私も行こう」
と一子。
ぞろぞろと五人が階段を降りていった。
階段途中で、
「優子。上手く助けてあげたでしょ」
と和葉が優子の耳元で呟(つぶや)く。
すると、
「助かったのか、助からなかったのかは分からないけど、誤解を解かないといけなくなったわ」
と優子はため息をつきながら言った。
2024年3月17日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
略して『ふたいも』です。
東岡忠良(あずまおか・ただよし)
【34-2】優子「助かったのか、助からなかったのかは分からないけど、誤解を解かないといけなくなったわ」
※この小説へのご意見・ご感想・誤字脱字・等がありましたら、お気軽にコメントして下さい。
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──【34-2】──
由紀は持ってきた宿題を小脇に抱えて二階に上がり、竜馬の右隣りに再び座って、教科書を開いた。
「へえ~。算数の教科書なのね」
と優子は由紀のことが段々と可愛くなってきていた。
見た目は中学三年か高校一年に見えるのに、『数学』ではなく『算数』の教科書なのが、もう愛らしくてたまらない。
「あのう。由紀ちゃん」
と思わず優子は話しかけた。
「はい。何ですか? 綺麗なお姉さん?」
と微笑みながらのこの返事は、完全に優子のハートを虜(とりこ)にした。
「まあ。綺麗なお姉さんだなんて! ねえ、由紀ちゃん。もし、分からないところがあったら言ってね。いつでも教えてあげるから」
と声を弾ませる。
「はい。では早速、教えて欲しいんですけど?」
「ん? なになに? 何でも聞いて」
と優子は前のめりになって、ローテーブルに身体を預けた。優子の大きなHカップの胸が、テーブルの机上(きじょう)に載っている。
「じゃあ。お姉さんはお名前を何て言うんですか?」
と少し緊張しながら由紀は聞いた。
「私は相生優子って言うの。よろしくね」
と微笑みながら返事をすると、
「優子さんって言うんですね。こちらこそ、よろしくです。では早速、質問ですけど優子さんって身体は細いのに、おっぱいが大きいんですね。何か特別なこととかしているんですか?」
とド直球に言ってきた。
「質問って勉強のことじゃないのね……」
と言いながら、目線を右斜め前にいる竜馬に向けた。少し頬が赤くなり目線を優子から逸らしている。
──竜馬って、私のこと、どう思っているんだろう?
と自分から視線を外す竜馬の仕草に、相手の気持ちが分からなくなっていた。
そんな時、
「優子。ここからでも分かるわよ。あなた、身体は細いのに何でそんなに胸が大きいの?」
と大きな声で追い打ちをかけたのは和葉である。
「えっ! そんなこと私に聞かれても分からないわよ」
と答える。
「やっぱり、毎日自分でマッサージしているの?」
と踏み込んできた。
「ええっ! やってないわよ。やる訳ないでしょう」
と優子が言うと、
「え? マッサージをしていないの?」
と言ったのは、一子だった。
「橘さんはやってるの?」
と和葉。
「やっ、やってるわよ。悪い?」
と和葉へ強い口調で反応した。
すると、
「実は私も優子と出会ってから入浴中にマッサージしているのよ」
と聞かれもしていないのにそう言い、和葉は自分の胸を揉んで見せた。
「和葉さんもやっているの? どうして? そんなに大きいのに?」
と一子は不思議そうに言うと、
「優子がHカップだと聞いてね。Gカップの私なんてモビルスーツに例えたら、リックドム程度。ゲルググの優子に勝つにはもっと大きくしないといけないと努力を始めたわ」
と自分の胸を揉みながら和葉は言ったが、女性陣と赤面している春樹はキョトンとなった。理解しているのは竜馬くらいのようだ。
「あのう、和葉。そのリックドムとかゲルググとかって、何を言っているのか私には分からないんだけど?」
と優子。
「もう、優子ったら。もっとしっかりと勉強して欲しいわ。モビルスーツの性能の差は高校生に取って必須の知識よ」
と和葉はさっきまで胸を揉んでいた両腕を広げて「全く、この人達は困ったものね」とでも言いたげな仕草をした。
「和葉さん。今の女子高生でファーストガンダムの知識のある人なんて滅多にいないと思いますよ」
と瀬川薫が言うと、
「薫ちゃんはジオングだから、そんな知識も必要としないし、今のままでいいんじゃない」
と和葉。
「えっ!私、ジオングですか?」
と薫が驚くと、
「そりゃそうよ。だって薫はIカップでしょう。ロリ巨乳なんてレア中のレア。生産台数の少ないジオングに存在的にも破壊力もピッタリよ」
と和葉が言うと、
「えっ! あのカワイイ先輩ってIカップなんですか! 凄~い!」
と感心する小五の由紀。
「じゃあ、和葉お姉ちゃん」
「何? 由紀ちゃん」
「私は今、Cカップなんだけどモビルスーツに例えたら何かな?」
と問うと、
「そうね。小五でCカップなのね。……そっか。小五の頃の私と同じくらいなんだ」
と和葉が言うと、
「え! そうなの? じゃあ、私って高校生になったら和葉お姉ちゃんと同じGカップになるのかなあ~」
と嬉しそうである。
「さっきの話だけど、由紀ちゃんはまだ、開発途中だから。そうね。ザクIIのプロトタイプって感じかしら」
と言った。
「和葉。その話題はもうそのくらいで」
と危険な空気を読み取った竜馬が、この話題を止めようしたら、
「ところでそこの小柄なお姉さんは、何カップですか? 胸をマッサージしているって言ってたから、結構大きいのかな?」
と橘一子にそう言った。
一気に部屋の空気が変わった。冷え切った、と言うべきだろう。
「ちょ! 由紀ちゃん……」
と竜馬は止めようとしたが、間に合わなかった。
少しの沈黙の後、
「……由紀ちゃん……。私はね。Aカップなの……」
と俯きながら、呪いの言葉を発したかのように、暗く重く語った。
それでも由紀は気づかず、
「え! 一子さんでしたっけ。一子さんって高校生なのにAカップなんですか? どうしてですか? 運動とか嫌いですか? もしかして食べ物に好き嫌いがあるの?」
と小学五年生らしく、空気を読まずはっきりと言いにくいことを言った。
無邪気に疑問を持ったために、微笑みながら由紀は質問をしているのだが、明らかに空気がピンと張り詰めた。
「……私はね。これでも運動は得意なほうよ。中学時代にはかなり足は速い方だったし」
由紀は畳み掛ける。
「じゃあ。食べ物ですか? 好き嫌いが激しいとかですか? あっ。そうそう。おっぱいを大きくしたければ、牛乳を飲むといいらしいですよ。私、毎朝飲んでますし、給食でも二本飲む時もありますよ」
と楽しそうに話した。
「給食ってカワイイ~」
と小夏が反応する。
一子は、
「私……。牛乳は欠かさず毎日飲んでいるわよ……。それに特に好き嫌いはないし……」
と言うと、
「え~。そうなんですか。じゃあ、どうしてだろう? 高校生の一子さんがAカップなのに、小五の私がCカップの理由は? う~ん」
と考え始めた。
数秒の沈黙が訪れた。
何とかこのピリピリとした空気を変えたかったのだろう。和葉が発言した。
「きっとあれよ。一子さんはまだ、恋を知らないからよ。好きな男性が現れたら女性ホルモンがたくさん分泌されて、きっと胸も大きくなるわ」
と最もらしいようで、何の根拠もないことを言った。
だが、
「そっか。一子さんはまだ、好きな男の人がいないんだね。だからAカップなんだ。私は小五だけど」
と竜馬の方を見て微笑むと、
「竜馬お兄ちゃんのことが大好きだから、Cカップあるんだね。納得したよ」
と言いながら、竜馬に抱きついた。
「由紀ちゃん。これで納得したでしょう。だからもうこの話題を終わらせて、勉強しましょうね」
と優子が言ったが、
「ん~。それだと胸の大きなお姉さん達は、好きな人がいるってことになるよね」
と由紀は言い、
「和葉お姉ちゃんは、何だか分からないけど竜馬お兄ちゃんのことが好きだから、おっぱいが大きいんだよね?」
と純真無垢な視線を和葉に向けた。
和葉は、
「もちろん、そうよ!」
と明るく返す。
「あっ! 和葉! 無責任よ!」
と焦る優子。
「じゃあ、優子お姉さんは好きな男の人っているんですか?」
とまたド直球の質問をした。
「え? ……え~! それは……。その……」
と顔を赤らめて俯いてしまった。
「あ~。優子お姉さんって好きな人がいるんですね~。誰ですかあ~」
と由紀は机に身体を乗り出して訊いてくる。
「その……。私は……」
と小声になると、
「優子は私のことが好きなのよ」
とさらりと和葉が言った。
すると、
「ハァ~!」
とさっきまでの小声が嘘(うそ)のように大きな声を、優子は出した。
「以前、優子が家に遊びにきた時に、私の部屋で優子とイチャついていたところを、お兄ちゃんに見事に見られちゃったのよね。ねえ、お兄ちゃん?」
と和葉。
「まあ、確かに見たけど、あれは……」
「ええ! そうなの? 女同士で!」
と一子と由紀はショックを受けている。
「そう。だから、私と優子は今から一緒にトイレに行くわ。さあ、行くわよ、優子」
と和葉は立ち上がり、優子の側へ行き腕を引っ張った。
「分かったわよ。ちょうど行きたかったし」
と優子は和葉に付いていく。
「あ。私も行きます」
と薫。
「私も、私も」
と小夏。
「……私も行こう」
と一子。
ぞろぞろと五人が階段を降りていった。
階段途中で、
「優子。上手く助けてあげたでしょ」
と和葉が優子の耳元で呟(つぶや)く。
すると、
「助かったのか、助からなかったのかは分からないけど、誤解を解かないといけなくなったわ」
と優子はため息をつきながら言った。
2024年3月17日
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