双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話

東岡忠良

文字の大きさ
上 下
3 / 45

【3】相生優子。思い出の走馬灯を見る。

しおりを挟む
双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話

                東岡忠良

※この小説へのご意見・ご感想・誤字脱字・等がありましたら、お気軽にコメントして下さい。
 お待ちしています。

──1──

 我が三組は可愛かったり、綺麗な女子が多い。身内贔屓(びいき)に取られるかもしれないが、見た目だけなら妹の和葉が全体の平均を上げていると言ってもいい。
 その和葉でも容姿だけなら拮抗いや身内であることを忘れたとしたら、相生優子さんはかなりの美少女だろう。
 大人っぽい色気がありながら絵に描いたような『生真面目さ』が彼女の良いところでもあり、悪いところでもあるのかもしれない。
 容姿だけ見たら、男を手玉に取りそうに見えるのだが、さっきの自己紹介を聞くと、中身は本当に真面目ですべてにおいて一生懸命なんだろうなと思う。
 その相生さんが休み時間に真っ直ぐこちらへ歩いてくるのだ。
 僕は、
「相生さんがこっちに来るぞ」
 と和葉の耳元で囁(ささや)く。
「知ってる。見たら分かるよ」
「きっと、テストで和葉に負けてよっぽど悔しいんだと思う。だから何か言われるんじゃないかな?」
 と真剣に言ったら、
「は? 何、言ってんの?」
 と眉を細めて少し軽蔑を込めた表情になる。
「だってそうだろう。自己紹介であんなにテストの点数にこだわっていたんだから」
「だからお兄ちゃんは何言ってんの?」
「分からないかなあ」
「相生さんがこっちに来るのは、お兄ちゃんに用事があるからよ」
 僕は「え?」と止まってしまった。
「ほら。来るわよ」
 と同時に「ちょっといいかしら?」と相生優子は声をかけた。視線は完全に和葉を見ている。
「新屋敷和葉さん。あなたってどの辺りから通ってるの?」
 ほら見ろ。相生さんは和葉に用があるんだ。
「私は東道町(ひがしみちまち)よ」
「東道町。ならここから歩いて通ってるの?」
「そうよ。どうしても近い高校に行きたかったから、如月学園高校は最高の立地だったの」
 ふ~ん、と感心した様子で、
「道理でお互いに顔を知らない訳だわ。私は私立中学から受験したのよ」
 そこでまた和葉が余計な指摘をする。
「私立中学なら地域が同じでも顔を合わせる事って、滅多にないんじゃないかしら?」
 明白(あからさま)に不愉快な表情になる。
「そうね。確かにそうだわ」
 あれ? 意外と素直だ。
「ところで……」
「何? 何でも答えてあげるわよ」
 和葉のその言葉に福引で外れたような表情になった。
「つまり、あれね。ここにいる新屋敷竜馬さんと一緒にこれから通学するって事でいいのね?」
 そこで和葉は「う~ん」と唸(うな)り、大きな胸の下で腕を組んだ。
「違うの?」
「違うと言うか、まだ分からないけど二人じゃないかもしれなくて」
相生さんは不思議そうに、
「それはどういうこと? 二人は別々で行くの?」
 頭を振り、
「三人になるかも」
 と答えてすぐさま、
「私達兄妹の幼なじみの子がいるんだけど、家が近所だから多分その子と一緒に行くことになるかなあ」
「子って、女の子よね」
「そうだよ。凄く可愛くて美人さんなんだよ」
 それを聞いた相生さんは、
「可愛くて美人……」
 と呟くと、しばらく上を向いたまま動かなくなった。
そして、
「ねえ、お兄ちゃん」
 とこっちに振ってきた。おいおい、このタイミングで振るなよな!
「ちょっと!」
 と相生さんは僕の机を叩くようにして両手を置き、
「新屋敷竜馬君は、そ!その子! 名前は何て言うの!」
「三上小夏ちゃん。お兄ちゃん好みの美人さん」
 と「お兄ちゃん好み」というウソの情報を付け加えた。
「おい、和葉」
 と注意しようとすると、
「新屋敷竜馬君は、その三上小夏という子のことを、どう思っているの?」
 と強い口調で言ってきた。
「え!」
「ちゃんと答えて!」
「えっと、それは?」
 となったところで本鈴(ほんれい)がなった。
「仕方がないわね。帰りにゆっくり聞かせてもらうわ」
 と相生さんは席に戻って行った。
「お兄ちゃん、ラッキーボーイ」
「どこがラッキーなんだよ」
 今日は入学式とホームルームだけの午前中で終わりである。
「学校が終わるのが怖くなってきた」
「どう答えるか、私も楽しみ」
 といたずらっぽく和葉は笑った。

──2──

 そしてホームルームが終わり、
「じゃあ、早速で悪いんだけど、明日から通常授業ですからね。間違えないように」
 起立と礼を済ませると、一部の生徒は担任の前田先生のところへ集まったりしている。
 相生さんを見ると、丁寧に帰り支度をしていた。僕も帰宅準備をしようと鞄を机の上に置くと、
「お兄ちゃん、小夏ちゃんの事をどう説明するの?」
 と聞いてきた。僕は、
「その場にいない人のことを、とやかく言うつもりはないから、出来るだけ褒めようと思ってる」
 と答えた。
「ふ~ん、そうなんだ」
 と言いながらも、
「用意出来た。後は相生さん待ちね」
 と笑みを浮かべる。相生さんを見ると、まだ準備中だ。
「相生さん、なかなか帰り支度できないみたいだね。どうしたのかな?」
「準備はとっくにできてるんだと思う。心の準備がまだなんだろうね」
「え? 心の準備?」
 どういう意味か和葉に聞こうと思っていると、相生さんがやってきた。
「単刀直入に聞くわ」
「お。おう」
「川上小夏という女の子のことを、どう思っているの?」
 相生さんは少し呼吸が乱れていた。和葉もこちらを向いている。いや、この教室にいる女子全員が聞き耳を立てているようだ。
 そんな状態である。小さな頃から知っているだけに「可愛くて美人だけど、がさつで色気がない」とか「足が長く綺麗なので短いスカートを履くと後ろ姿はドキッとなる。でも女っぽさが足りない」などを言うと、後で悪い方を吹聴されてはかなわない。
 取り敢えず、褒めることにした。
「川上小夏ちゃんは」
「うんうん」
「可愛くて美人だ」
「かっ! 可愛くて美人!」
 相生さんの顔色がよくない。
「相生さん、大丈夫?」
「大丈夫よ。……続けて」
「それで陸上をやっているから」
「いるから?」
「短いスカート姿がとても綺麗で」
「綺麗で……」
「ドキッとなるかな」
 相生さんは目眩(めまい)でも起こしたように、鞄を床に落として体制を崩した。僕は咄嗟に、
「大丈夫! 相生さん!」
 と立ち上がって、相生さんの身体を支えた。
 すると後ろから声がした。
「竜ちゃん! 私の事、そんな風に思ってたの!」
 それは教室の後ろ出入り口の廊下から聞こえた。立っていたのは、小夏だった。
「竜ちゃん、私……」
「え! 小夏、どうして!」
「八組が早く終わったから……。来てみたの……」
 と恥しそうに言った。だが、 
「でも、その抱いている子は誰?」
 と万人が聞いても厳しい口調に変わっている。
「抱いてって? あ! これは!」
「竜ちゃんは私にあんな事を言いながら、その子とイチャイチャしていたの!」
 小夏は気が強い。八組なのにドカドカと三組の教室に入ってきた。
「お兄ちゃん、修羅場」
 和葉は楽しそうだ。人の気も知らないで!
 それにしても、どうすればいいんだ!

──3──

 相生さんの家ってお金持ちなのね!
 凄~い! 私も遊びに行きた~い!
 私も! ねえ、いいでしょう!
「ええ。いいわよ。みんな、遊びに来て。なかなか手に入らないアイオイグループの高級ホテルのケーキを取り寄せるわ」
 私は有名私立中学校に執事の爺やが運転するリムジンで毎日通っていた。高額な学費のせいで、その中学に通っているのは、半数ほどが金持ちである。
 そしてその中でも私は一番の富豪だった。
 皆が私を立ててくれた。みんなは私に、
「相生さん」
 と話しかけてくれるし、それが嬉しくて少し知り合っただけでも家に呼んだりしていた。
 本当に毎日が楽しかった。
 そんな中学3年の夏休み前だった。私は急な腹痛で欠席するつもりだった。でもあんなに楽しい学校に一日も休みたくないと思い、一時間目が始まってから遅れて行った。
 ところが腹痛はまだ続いていてトイレに入った。すると一時間目が終わったチャイムが鳴り、生徒達がトイレに入ってきた。自分のクラスから近いこともあり、同じクラスの女子達だった。
 私は恥ずかしくて出来るだけ音を立てないようにしていた。
 すると、
「今日、相生、休みだね」
「あの成金、鬱陶しいから清々するわ」
「ちょっと金持ちで見た目があれだからってさあ」
「テストも頑張っちゃって、キモガリ勉」
「でも本当に金持ちだよね」
「小遣いなかったら、あいつん家に行けばいいんだからね。まあ、私達のATMみたいなものじゃん」
「聞かれたら大変よね~」
「大丈夫。今日、休みだから」
 彼女らの意地悪そうな笑いが聞こえた。
 この後、私は授業が始まってから、誰にも見つからないように学校を出た。車なら数十分のところを、二時間と少しをかけて歩いて帰っていた。
 私はそれから自室に引きこもった。
 数日、体調が優れないと仮病を使い、学校を休んだ。相生財閥の重鎮でもある父と母が、心配して私と話をしようとしたが、
「自分は実は学校ではみんなに嫌われていた」
 などと言えるはずもなかった。
「体調が悪いの……」
 父と母は何も言わず、何も聞かずに部屋を出て行った。友達だと思っていた生徒達は、みんな自分の事を利用しようとしていただけだった。そんな人達を『良い友人に囲まれている』などと言って、笑顔で両親に話していた。自分くらいバカはこの世にいない。もう、私にはお金以外に存在価値がない。
「もう。死んだ方がいいかな……」
 そう思うようになった。
 でもそんな自分を赤ん坊の頃から甲斐甲斐しく世話を焼いてくれていたのは、執事のリーダーでもある爺やだった。
 爺やもまた、何も言わず、何も聞かなかった。
 ただ、
「今日はいつもよりは多く召し上がられましたな」
とか、
「とても良い天気ですぞ。ティータイムはお庭で召し上がってはいかがですかな?」
 と言ってくれた。
 私が学校へ行かなくなり、ついに夏休みに入った。私もさすがにこのままではいけないと思い始めた。そしてある日、
「爺や、聞いてほしいの……」
 とすべてを話した。聞き終わると、しばらく沈黙していたが、
「こういう言い方は、お嬢様に怒られるかもしれませんが」
 と前置きして、
「それはとても運が良うございましたな」
 と笑顔で言った。
「そ! それはどういう意味よ! 爺や!」
 私は久しぶりに声を張り上げた。
「それくらいお元気なら大丈夫ですな」
「爺や! それはどういうことなのですか! 場合に寄っては!」
 と禁断の言葉を出しそうになった。爺やは笑って、
「わたくしがクビになって、お嬢様がお元気になられるのなら、こんな嬉しい事はございません」
 私は深呼吸をして落ち着きを取り戻し、
「ごめんなさい、爺や。どういう事か教えて下さいます?」
 と言った。
「簡単な事でございます」
「? 簡単? どういうこと?」
 爺やは微笑みながら、
「それはお嬢様と学友の方々では余りに違うからでございます」
「……違う」
「そうですな。もう少し分かりやすく言うと」
相生優子は黙って言葉を待っていた。
「お嬢様の魂は清流のように美しいのですが」
「清流……」
「学友の皆さんは残念ながら、そうですな。さながらドブ川とでも申しましょうか」
「クラスのみんながドブ川……」
「もちろん、中にはお嬢様と同じ清流だった方もおられるでしょう。ですが、心が弱ければ清流もすぐにドブ川に染まってしまうものです」
 と微笑んだ。少しの沈黙の後、
「爺や。私はどうしたら良いと思いますか?」
 と訊いた。
「それは簡単な事でございます」
「簡単なの?」
「はい」
「どうすればいいの?」
「どうしても体調が悪いと言って、出来るだけ学校には行かないようにするのです。もちろん、出席日数が足らなくなるでしょうから、そのクラス以外そうですな、保健室で授業を受けられるとよろしいかと思います」
「それってなんの解決にもならないじゃない!」
「話は最後までお聞き下さい」
「ごめんなさい……」
「お嬢様が通っている学校のほとんどの生徒は、そのままエスカレーター式に同系列の女子高へ進学致します」
「ええ。そのための付属中学だもの」
「なので、お嬢様は敢えて他の高校を受験するのです」
「他の高校を!」
「そうです。現在の中学校のレベルよりも上で、この御宅からも歩いて行ける距離の名門校などいかがですかな?」
優子の目が一気に輝いた。
「そこはどこなの!」
「歩いて十五分ほどのところにある如月学園女子高等学校などいかがかと」
「如月……」
「そこは今の中学校のレベルではなかなか厳しく、まずあの中学校から受験したなどという話は、ほとんど聞いた事がございません」
 相生優子はしばらく考えていたが、
「私、如月を受けるわ! いえ、必ず合格して見せる!」
「その意気でございますぞ、お嬢様」
「という事は例の仮病の件は?」
「わたくしにお任せ下さい。学校には上手くやっておきますし、もう二度と学友の方々には会わないように手配致します」
 それから私は必死に勉強した。爺やに言われた中学校は出席日数を出来るだけ減らしてくれ、足らない日数は保健室で過ごさせてくれた。そして常にテストでは高得点を出し、病欠でも内申書にはほとんど影響はないようにしてくれた。
 そして試験が近づくと、爺やにこうアドバイスもされた。
「お嬢様の持ち物や身に付けておられる物は、ほとんどが高級品ばかりでございます」
「確かにそうね」
「ですから、今から一般庶民の持ち物に変えましょう。つまり」
「一般人を装って試験を受けて、入学してからも一般人で居れば! 本当の親友に会えるかもしれない!」
「そこは違いますな。会えるかもしれない、ではなく会えます」
「爺や!」
「はい」
「ありがとう!」
「では早速、買いに行きましょうか。これを持って」
 と一万円札を取り出した。
「えっ、たったそれだけで買えるの? それじゃ、筆入れすら買えないじゃないの?」
「大丈夫でございます。世の中には百円ショップなるものがあるのでございます」
 と、いたずらっぽく笑う。
「行きたいわ。百円ショップ。そこで買うわ」
 人に買ってきてもらう高級品よりも、一万円を握り締めて自分で選んだ安物の品々の方が愛着が湧いた。生まれて初めてレジを通る。お釣りのお札と多くの小銭に困っていると、
「これは私からのささやかなプレゼントでございます」
 とブランド名の入っていない、オシャレで丈夫そうな革の財布を爺やがくれた。
 今でもそしてこれからも、その財布は私の宝物……。

「……おいさん! 相生さん! 相生さん!」
 私は気がついた。過去の夢を見ていたようだった。
 少しの立ち眩(くら)みだった。
 目を開けると、新屋敷竜馬君と和葉さん、そして知らない女の子が心配そうに私を見ている。そしてクラスのみんなと前田先生も居た。
 そうか。私はいつの間にか一瞬だけ気を失ってしまっていたんだ、と気づいた。

登場人物。

新屋敷竜馬。

妹の和葉のボディガードを頼まれて、同じ私立如月(きさらぎ)学園へ入学した野球少年。公立中学でギリギリレギュラーの実力。勉強は普通。運動も普通。妹からは慕われている。

新屋敷和葉。

新屋敷竜馬の双子の妹。二卵性双生児なので顔はあまり似ていない。勉強と運動共に優秀な美少女。身長は竜馬よりも二十センチ低い一六〇センチ。兄のことは大好きでどうしても兄と同じ高校に通いたいという目標を実現した。

三上小夏。

新屋敷兄妹の家の近所に住む幼稚園からの幼なじみ。短距離走で県大会二位の実力で如月高校のスポーツ推薦で入学を果たす。身長一七〇センチで男っぽい雰囲気なので、竜馬は気を許しているが、小夏は竜馬に好意を抱いている。新屋敷兄妹を「竜ちゃん」「和ちゃん」と呼ぶ。

前田千恵。
竜馬と和葉のいる一年三組の担任。二十五歳で可憐に見えるが、幼稚園から大学まで女子校だったこともあり、男性が苦手。竜馬に対して上手くやろうとし過ぎて、慌てる事が多い。

相生優子。
出席番号一番。入学試験第二位で入学した秀才。ちなみに一位は和葉。一六五センチと女子としては長身で、やたらと竜馬に絡んでくる。口癖が「いやらしいわ」で、それに気づいた和葉は兄を出汁にして楽しんでいる。実は優子は竜馬に一目惚れしているのだが、素直になれないでいる。実は財閥の娘だがそれを隠している。

2022年6月27日

※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
 また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?

久野真一
青春
 2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。  同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。  社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、  実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。  それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。  「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。  僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。  亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。  あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。  そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。  そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。  夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。  とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。  これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。  そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...