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新しい私は唯我独尊

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誰が味方で、誰が敵かハッキリわからないけど
これはお祖父様以外は敵だと考えた方がいいわね。

お祖父様だけを信用して
10歳までになるべく知識と力を手に入れよと心に誓う。

決意を固めてるとノックの後に乳母のイクサの声がした。
入室を許可し、イクサを見ると数冊の本を抱えてやって来た。

「お嬢様。ロンドリオ様からですよー!
難しそうな本が沢山ありますが大丈夫ですか?」

ロンドリオとはお祖父様の名前だ。
現エスペラント伯爵家当主であり、宮廷魔術師長として、伯爵領の管理と魔術師団の管理をされている。

最近は徐々にお父様に領内の仕事を割り振る様になってはいたが
婚期の早い貴族ゆえに祖父とは言えど年齢も40歳過ぎたあたりであるので
まだまだ現役バリバリである。
柔和な見た目とは裏腹に敵と見做すと容赦無く排除する。
基本的には冷淡で、実力主義ゆえに実の子にも厳しい。
彼を知っている者達は何故ここまでマリーにのみ甘く溺愛するのかを不思議に思っていた。

イクサはマリー付きの乳母ゆえに
よくロンドリオ様と会話するが、未だにマリーの前と普段との差に戸惑う事が多い。
3歳の孫が薬に興味を持ったからといって
本格的な専門書を与えるのも理解できないが
それを指摘するのも憚られるので
一応運んだにすぎない。
どうせパラパラっと見て理解出来ずに投げ出すだろうと考えていた。

「ありがとうイクサ。ベットサイドテーブルに積んでおいてちょうだい。」

高熱で寝込んでいたお嬢様は目が覚めてからどこか大人っぽくなられた。
ロンドリオ様と話してる時は泣いてしがみついたり甘えたり
年相応に感じたものだが、ふとした瞬間に全てを見透かし達観するかの様な眼差しを向ける。
話し言葉もどこか距離を感じ、大人びて聞こえる時がある。
不思議に思いながらも病み上がり故だと納得させ、指示通りベットサイドテーブルへ数冊の専門書を積み上げた。

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