魅了魔法持ちの私〜忌まわしい力を持つ私があなたに想いを告げるなんて許されない、そうわかっています〜【神官ルート完結】【魔法騎士ルート更新中】

紗綺

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変わってるけど良いお客 ★

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 ドレスから零れた胸を後ろから揉まれ、腰を押し付けられる。
 大きな手が柔らかさを確かめるように指を喰い込ませては離れた。

「……っ」

 やわやわと揉む動きは柔らかいのに、鷲掴みにされていることが強引な行為のように錯覚させられた。
 息が微かに上がり、目敏く変化に気づいたかれが嘲りの言葉を口にする。

「こういうのも好きなんだ。
 乱暴にされると興奮する口?」

「違っ、……!」

 たくし上げられたスカート部分から手を入れられ、蜜を零し始めた場所を指先で撫でられる。

「……っ」

「違うの? こんなにしておいて」

 どれだけ濡らしているのかと教えるように蜜を塗り広げていく。
 その行為に秘所から更に蜜を溢れさせてしまう。

「ああ、また溢れてきた」

 その言葉と共に秘所に指を沈めていく。

「わかる? 俺の指を簡単に飲み込んでいってること。
 身体の方はもう準備万端みたいだね」

 そう言いながら昂りを脚に押し付ける。
 脚へ擦りつけた欲望が秘所の入口へ当てられ、零した蜜と先走りで滑っていく。
 ヌルついた欲望が花芯を撫で、強引に快感を引き出していった。
 何度も欲望に花芯を嬲られ脚が震える。

「やぁんっ、それ、しないでぇっ……!」

 熱が離れお願いを聞いてくれたのかと思った瞬間、かれの指が秘所へと入り込んだ。
 最初から2本の指を飲み込みすぐに3本目の指の侵入を許してしまう。
 もう十分みたいだねと笑ったかれが熱い欲望を押し付けた。

「いやあぁっ!」

 後ろからかれに貫かれ悲鳴を上げる。

「はっ、嘘つきだね。
 こんなに濡らして男の欲望を待ち望んでいたくせにさ」

 蜜を溢れさせて待っていたことを思い知らせるように男が音を立てて抜き差しをする。

「いやあっ! 違う! こんなの……っ」

「違わないよ、はしたなく男の欲望を飲み込んで乱れてる。
 そんな甘い声でいやなんて言っても説得力ないよ」

 ほら、とかれの欲望が無慈悲に奥を貫く。

「ああああっ!」

 仰け反った視界に赤い髪が見える。
 欲望に歪んだ顔を見せるのを嫌がるようにかれは私の背を抱きしめ、奥に精を放った。



 ◆◆◆



「ミアちゃんの魅了魔法って、不思議だよね」

 事後のベッドの中でかれが興味深そうな声でそんなことを言い出した。
 汗で張り付いた赤い髪をかき上げる仕草は多分に色気を含んでいる。
 娼婦など必要なさそうな人に見えるのに、魅了の力を求めて足繁く通う。人は見た目ではわからない。
 今日は時間があるのか乱れた髪を直すと疲れて動けない私の横でベッドに片肘を付き赤紫の瞳で覗き込んだ。

「何がですか」

 何に対して言っているのかがよくわからなくて聞き返す。

「いや? 俺の想い人ってそんなに胸は大きくないんだよね。
 で、ミアちゃんは俺の手でも零れそうなくらいおっきいじゃない?
 だけど魅了が掛かってミアちゃんが想い人に見えている間は触った胸も本人と同じくらいの大きさに感じられてさ。
 通常の幻影魔法とかなら触ったらそのものの大きさとか感触とかわかるもんなんだよね。
 だから不思議だなって」

「……そうですか」

 下世話な話題に聞こえたがかれは仕組みについて真剣に考えているらしい。
 普段から思うことだけれどかれは恐らく魔法について詳しい。一般人なら知らないだろうことをさらりと口にし、ミリアレナが魅了を掛けるときにもすんなりと掛かっている。
 通常貴族であれば多かれ少なかれ魔力障壁で身を守ることを覚え、それを自然と展開している。
 それを越えて魅了魔法をかけるのだが警戒が高かったりすると掛かりづらいことがある。それは日常的に魔法を使わない者にとっては普通のことだ。
 けれどかれはミリアレナが魅了を掛けやすいように魔力障壁を調整している。
 そんな一般人はそうそういない。
 身体もかなり鍛えられているし、騎士か何かなのだろう。
 聞けば答えてくれそうだけど詮索するのは気が進まない。

「無い物をあると見せかけるのは幻影魔法でも可能だろうけれど、ある物を無いと感じさせるのは難しい。
 やっぱり幻影なんかとは全く違う系統なんだろうね」

 魅了魔法って別格なんだねと結ぶかれになんと言っていいかわからず口を噤む。
 ただの好奇心だとしても私が話せることは何もない。
 かれはそれもわかっているようでただの雑談だったように話題を変える。
 ヘンな人。
 それがこの客への一番大きな印象だ。
 そして金払いが良く、恥ずかしいプレイは好きだが乱暴なことや痛いことはしない。良い客だった。


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