騎士団長に恋する僕は副団長に淫らな身体を弄ばれる【団長ルート 完結】【副団長ルート 完結】【団長&副団長ルート 完結】

紗綺

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団長&副団長 × アミル

今後の方針

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 宿へ戻り団長とカイルと部屋で今後の話を詰める。
 襲撃してきたのが身元を隠した騎士だったことは全員に緊迫感を与えていた。

「このタイミングで騎士団が出て来るとはな。
 奴らがこの件に関わっている可能性もあるということか」

「……魔獣飼育を見逃してるだろうなとは思っていたんですが、逃走の補助をするまでとは思いませんでした。
 ただ、深く関わってるにしては魔獣の襲撃を許したりと詰めが甘いと思いますが。
 に命じられて事に及んだとも考えられます」

 口封じにまで及ぼうとしたことからこの件に騎士団が深く関わっているのではないかと懸念を上げる団長に対して、支援者に頼まれて事に及んだ可能性もあると答えるカイル。
 いずれにせよ事態は当初考えていたよりも深刻だった。

「そうだ、アミルにもこれ渡しておくよ」

 カイルから上級ポーションを渡され躊躇いながらも頷いて懐に入れる。
 緊急時に治療ができる方法を持っておくというのは備えとしてありがたい。
 団長の体質を思えばカイルだけでなく他の者も手立てを持っておくのは大事なことだろう。

「団長がポーションを使えないなんて知りませんでした。
 どうして他の人にも周知しないんですか?」

 今日のアミルのように知らずポーションを使ってしまう危険性がある。
 皆にも周知しておけばそんな危険はないのに。

「団長がポーションを使えないのは以前騎士団に降ろされていた粗悪品のポーションが原因だからだよ」

「カイル!」

 咎める声を上げた団長へ別にいいじゃないですかと肩を竦めるカイル。
 二人の間で視線をさ迷わせるアミルへ仕方ないかとため息を吐いた団長が説明をしてくれた。
 粗悪品を納め差額を懐に入れるという不正が過去にあったそうだ。

「不純物の入ったポーションを多量に使用していたことから中毒のような状態になってしまってな。
 今でも支給品のポーションが使えないんだ、使うと悪化する」

「上級ポーションは基礎に使われている素材が違うからね。
 小さな傷でも治療をするためには上級ポーションを使うしかない」

 続けられたカイルの説明に納得する。
 それでカイルが普段から上級ポーションを持っていたのか。
 いつだったか上級ポーションで打ち身の手当てをされたことを思い出す。
 頷いているアミルへ団長が心配そうな顔を向ける。

「そういう理由だから俺がポーションを使えないことは他の者には伏せておいてくれ。
 当時の関係者たちは捕まったが、不祥事として事件そのものは内々に処理をされたことだ」

 わかりましたと神妙に頷く。
 そういう理由であればアミルに言えることはない。
 これまでも怪我をしたときにはカイルが密かに治療をしてきたというし、事情を知り治療ができる人間が増えただけでも団長には良いことだと頭を切り替えた。

「そういえば捕まえた人たちはどうするんですか」

「ここの騎士団が信用できないことははっきりしたし、中央騎士団に引き渡すように指示してあるよ」

 中央騎士団の名を聞き目を瞠る。中央騎士団はその名の通り国の中央に位置する騎士団だがその他にも役割がある。
 各地の騎士団を監視し不正を摘発するのも中央騎士団の任務の一つだ。
 今回のような事件であれば報告をして協力を仰ぐこともある。

「中央騎士団が来るまではこちらで保護を?」

「ん?」

 騎士たちが犯人の口封じに動いたことから、捕らえた者たちにも同じ危険が及ぶと思いこちらで保護するのかと考えていたアミルの勘違いをカイルが訂正する。

「近くに中央騎士団の人間が駐留している街があるからそこまで移送するんだよ。
 薬を使うよう言ってあるから逃走の心配もしなくて大丈夫」

「逃げた男の追跡や関係先の監視にも人手を割いている。
 こちらの人数をこれ以上減らすわけにはいかないからな。
 襲撃者現物を持っていけば駆け付けるのも早くなるしこちらで守る必要もない」

 二人の話に成程と頷く。
 戦闘能力のある騎士を移送するには危険が伴い、本来ならそれなりの人数で監視しなければならない。それを睡眠薬や痺れ薬を使うことで派遣する人数を最小限にする、緊急事態でしか取れない方法だ。
 中央騎士団がいると言っても大人数ではないらしく、少人数でもいいから第三者として即時の同行を求めに向かうのだという。
 本隊の派遣は後々になるとしても先に中央騎士団所属の騎士が現状を把握をしておくことでその後の処理が速やかに進む。

「早く来るといいんだが。
 犯人を取り逃がすことは予定通りだったが騎士団からの横やりで見失ったりはしてないか?」

「二人以上で追っていますし、逃走先として目星を付けていた場所にも複数の人間を張り付かせてあるので完全に見失うことはないでしょう」

 気づかれていたらまた面倒なことになりますがと付け加えるカイルに団長も重々しく頷く。

「できれば中央騎士団が着く前に犯人の確保だけでもしておきたいですね」

「そうだな、口封じをされたら目も当てられない。
 騎士団のことは中央騎士団の者が着いてからでいいだろう。
 奴が逃げ込んだ場所を掴み次第潜伏先の捜索に入りたい」

 まずは逃げた犯人を確保すると団長が方針を打ち出す。
 じゃあさっさと休まないとですねと言ったカイルの言葉をきっかけに、それぞれ席を立った。


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