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団長 × アミル

恋人の幸せ ★

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 アミルは団長と恋人同士になって幸せいっぱいの日々を過ごしていた。
 とはいえ悩み一つもなく円満ということではない。
 目下の悩みは僕が団長の視線に感じすぎてしまうということだ。
 あまりに感じ、すぐ達してしまうので団長が僕に触れるのに遠慮している気配を感じていた。
 このままでは何もしてもらえなくなってしまうのではないかと恐れている。
 僕は解決策をここのところずっと考えていた。







「……っくぅ」

 自分の指を深く埋め込んで内壁を広げる。
 香油が立てる淫らな音が興奮を煽っていく。

「アミル、やはり俺が……」

「団長、だめっ」

 声を発したことでびくっと腰が揺れる。
 跳ねるような動きに埋め込んでいた指が思わぬところを掠めて快感を生み出す。

「あ、すまない……」

 焦ったような謝罪の声に首を振って窘める。
 今度は声を出さずに堪えたようだ。
 それでも興奮に満ちた息が耳に届き身体が勝手に指を締め付ける。
 目を瞑っているのに視線を想像するだけで感じてしまった。

「ふぅ……っん」

 どうして自慰を見せつけるような行為をしているのかといえばアミルの感じやすすぎる身体の問題だった。
 団長に触れられるだけで熱の籠った視線を送られるだけで感じ容易く絶頂してしまうアミルは、初めて結ばれた夜団長が恐怖を感じるほどすぐ達し団長のモノを埋め込まれている間ずっと快楽に啼き続けていた。
 翌日は起き上がれないどころか指一本すら動かせなかった。比喩でなく。
 まさか貴重なポーションを事後の体力回復のために飲むとは思わなかった。

 あんまりに心配をした団長がもう身体を繋げるのを止めようと言い出したくらいだ。
 それが嫌だったアミルから言い出したのだった。

『受け入れる準備は自分でするのでまた抱いてください』

 絶句しながらもぎらついた目は隠せなかった団長に恥じらいという言葉は捨てた。

 埋め込んだ指を開き団長が入れるまで広げようと行為を続ける。

「拷問だろ、こんなのっ」

 苦しそうな団長の声が聞こえたと思ったら手を引かれ俯せに倒された。

「団長っ!?」

 振り返ろうとした肩を押さえられ素早く目隠しをされる。

「ひゃっ、ああっ!」

 大きな手が腰を押さえたと思ったら太い指がさっきまで自分で弄っていた場所に入って来た。
 自分の指よりずっと太くて熱い存在にあられもない声が上がる。

「だ、団長ぉっ、やめっ、ああっ」

 制止の言葉を止めるようにぐりぐりっと奥を押されて叫ぶ。
 気持ちいい。けれど団長の姿が見えないからかそれだけで達することはなかった。

「見えなければまだ大丈夫そうだな」

 そう言って太い指を僕の中に埋め込んでいく。
 慎重に、けれど性急な動きで指を増やされる。団長の限界も近いのかと思うと喜びが胸を満たす。

「あ、ああんっ」

 腰を高く上げた姿で団長に後穴を解されているのだと思うと前のモノが硬く張り詰めてくる。
 中を抉られる度に腰が揺れシーツに擦れる刺激で快感を得てしまう。

「一人で良くなる気か?」

 咎めるような声にびくりと背を震わせる。

「お前がそのつもりならもう我慢はしない」

 入れるぞと愛撫を止め指を抜く。
 見えない恐怖よりも期待の方が大きくて足を広げて待ち望んでいるような体勢を取る。

「……っ! このっ!」

 息を呑む音と共に腰を掴まれ、団長の太いモノが一気に奥まで入って来た。

「ああああっ!!」

 奥まで貫いたペニスがまた入口まで引かれる。
 気持ち良くって感じ入った声で啼きながら団長を受け入れる。
 もう一度奥までを貫かれて中がぎゅうっと団長のモノを締め付けた。

「団長ぉ、気持ちい……っ、ああっ!」

 熱いモノを締め付けて快楽に震える。
 達し続ける快楽じゃなくて快感を追いかける感覚がたまらなく気持ち良い。

「アミルっ!」

「あぅっ、あっ」

 締め付けている内壁から団長が出ていく度に感じる喪失感と一気に貫かれる快感が繰り返し襲ってくる。

「団長っ、僕、イっちゃいそうですっ!」

「いいぞ、ただしイくなら一緒にな」

 腰を掴む手に力が籠って抽挿が激しくなる。
 一際奥を貫かれアミルは達した。同時に中に熱いものが注がれる。

「あっ、ああっ」

 搾り取るように中が蠢いて団長のモノを締め付けた。

「くぅっ……!」

 僕の奥に塗り込めるように団長のペニスの先端が擦りつけられる。

「あっ……、だんちょ、やあっ」

 熱さに身を捩ると埋め込まれたままのペニスで内壁を擦ってしまう。
 快感に身悶えていると団長のペニスが硬さを取り戻していく。

「ああんっ!」

 一度抜かれたペニスが身体をひっくり返されて仰向けで再度挿入される。
 じわじわと進み入ってくる熱いペニスを悦ぶように締め付けていく身体に快感の声を上げる。

「ひゃあぁっ!」

 温かく湿った何かに乳首をくすぐられて悲鳴を上げる。
 団長の、舌……?
 つん、と乳首を突かれ転がされて甘い声で喘ぐ。

「団長っ、それ、あっ、ダメぇ……っ」

 気持ち良過ぎてどうにかなりそう。
 制止の声を上げるのに団長の舌は止まらない。

「ひゃあああんっ!」

 乳首を強く吸い上げられて身体を跳ねさせる。
 お腹に温かいものが広がって自分が達したことに気づく。
 達した身体は微かな刺激も拾い上げて高みから降りられなくなる。
 腰を掴む指の感触、乳首をねぶる舌の厚み、捻じ込まれる団長の熱。全てが気持ち良くておかしくなりそうだった。

「や、ダメ、ダメぇ、団長ぉ」

 あまりの気持ち良さに泣き言を零す。

「ダメか……?」

「だ、って、気持ち良過ぎて、おかしくなっちゃう」

 カイルに抱かれながら団長に見られたときも、初めて団長に抱かれた時も気持ち良過ぎて何回もイっちゃったけど、それともまた違う。
 視界を塞がれていても感じる団長の視線にずっと肌をぞくぞくさせているのに、団長の舌で乳首を苛められるのは刺激が強すぎて怖い。
 少しの沈黙があって団長が身を起こす。埋め込まれたままのペニスがずるっと抜けるのを嫌がるようにひくっと中が動いた。

「悪い、アミルの身体が心配だからこんなやり方をしてるのに気遣いが足りなかったな」

 目隠しをした目元を撫でられる。
 配慮もなく暴走して悪かったと謝られてしまう。
 たまらなくなって触れている手を掴む。

「団長……、僕は団長がもっと欲しいんです」

 それがアミルの本心だった。

「止めないで……」

 僕の懇願に団長の笑ったような吐息が聞こえた。

「止めるわけないだろう?」

 抜けかけたペニスがずくっと奥まで突き刺さる。

「あうっ!」

「こんな可愛い姿見せられて止まれるわけがない。
 それにアミルの中、俺を離したくないってずっと締め付けてる」

 トンっと奥を突かれてまた声を上げる。

「気持ち良い?」

「良いっ、いいですぅ……っ」

 話ができるくらいのゆっくりした動きはアミルを追い詰めすぎはしない。
 けれど確実に高みへ押し上げていく。

「俺もすごい良い」

「団長も?」

「ああ、だからまだ止めない」

 ずんっと奥を貫かれてああっと悲鳴を上げる。
 一定のリズムで抽挿を繰り返され段々と高みへ追い上げられる。

「アミルっ、いくぞっ」

 団長の掛け声と共に早くなる抽挿に激しく高ぶっていく。
 ここだというように強く奥を穿たれて団長の飛沫を浴びる。
 その熱さに僕も達したのだった。

 これ以降団長は僕に触れるのを躊躇わなくなった。


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