上 下
1 / 69
共通ルート

プロローグ ★

しおりを挟む
 

 ――とぷり。

 蜜を零した先端を指の腹でなぞられて小さく悲鳴を上げる。

「ホント強情だよね」

 咎める言葉でありながらその声はとても楽しそうだ。
 事実、楽しんでいる。
 僕が快楽に陥落して自ら求めるのを待っている。

「副団長、もう……、止めてくださっ……!」

「カイル、だよ?」

 忘れちゃったのなら思い出すまで教えてあげるけど?と口元を吊り上げるカイルに震えが走る。
 恐怖と、言い知れない未知の感覚に。

「カイルっ、止めて……っ!」

 拒否の声を上げると中で動いていた指がイイところを刺激する。
 たまらず悲鳴を上げて腰を引くけれど、カイルの膝の上で足を開かされている体勢で逃げることは叶わない。
 少しだけの抵抗はすぐに阻まれてしまう。
 浅いところを撫でられ背を逸らして快楽に震える。

「そろそろ言ってくれるかな?
 俺も気持ちよくなりたくなってきちゃった」

 腰に押し当てられた熱に、快楽を知った身体が期待に震える。

「それともこのまま指だけでイかせてほしい?」

 どっちでもいいよ?と囁くカイルに我慢していた一言が零れた。

「……れて」

「ん?」

 問い返す音に楽しさが増す。

「入れて……」

「入れて、……それから?」

 僕を追い詰めるように言葉を繰り返しその先を言わせようと言葉を重ねる。
 くちゅ、と音を立て引き抜かれる指の感触に抵抗の意思は奪われた。

「……イかせて」

 一つ零れたら後はなし崩しだ。

「入れてっ! カイルので僕の中を突いて!
 お願いだからっ、……イかせてぇっ!」

 後ろにいるカイルの顔は見えない。
 けれど笑っているのがわかる。

「いいよ? 俺のペニスでいっぱい突いてアミルのことイかせてあげる」

 だって声が酷く満足そうに笑っている。

「だからいっぱいイってね」

 くくっと笑った音と共に剛直が一気に中に入ってきた。

「ああああっ!」

 熱くて硬いペニスに貫かれてそれだけで達した。
 僕の弱いところを知り尽くしたカイルの手にかかっては成すがままになるしかない。
 カイルの作り出す快楽に屈した僕は泣き叫びながら何度も絶頂を迎えた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

落ちこぼれβの恋の諦め方

めろめろす
BL
 αやΩへの劣等感により、幼少時からひたすら努力してきたβの男、山口尚幸。  努力の甲斐あって、一流商社に就職し、営業成績トップを走り続けていた。しかし、新入社員であり極上のαである瀬尾時宗に一目惚れしてしまう。  世話役に立候補し、彼をサポートしていたが、徐々に体調の悪さを感じる山口。成績も落ち、瀬尾からは「もうあの人から何も学ぶことはない」と言われる始末。  失恋から仕事も辞めてしまおうとするが引き止められたい結果、新設のデータベース部に異動することに。そこには美しいΩ三目海里がいた。彼は山口を嫌っているようで中々上手くいかなかったが、ある事件をきっかけに随分と懐いてきて…。  しかも、瀬尾も黙っていなくなった山口を探しているようで。見つけられた山口は瀬尾に捕まってしまい。  あれ?俺、βなはずなにのどうしてフェロモン感じるんだ…?  コンプレックスの固まりの男が、αとΩにデロデロに甘やかされて幸せになるお話です。  小説家になろうにも掲載。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...