男相手にウリをしてる男子高校生の話

１７

「…廉はどうした？今日は一緒じゃねぇのか」
「……今日、あいつ、休み、ッス…」
「……」
「サボるって…LINE、来ました」
「そうか…」

タバコを吸い、紫煙を吐き出す清水先輩。
こえぇ…廉のこと聞くのが目的か？これから何かされんの？俺…


「あーあ残念。ここ来れば廉に会えると思って待ってたのに。最近全然会えないし、なーんか避けられてる気がするんだよなぁ。あのサラリーマン、そんなに廉のお気に入りだったのかな」
「ざまぁねぇな」
「先輩だって廉に会えてないクセに…ああ…避けられてるの先輩の方だったりして」
「あ？」
「この前廉にセックス断られた腹いせに中山先輩とやり合ったんでしょ？皆噂してますよ。半殺しにしたって」
「片腕へし折ってやっただけだ」
「それそれ。廉って意外と平和主義っていうか暴力的なこと嫌いだから、先輩が地雷踏んだのかもですね。俺としては先輩が嫌われるのは嬉しい限りですけど」
「……チッ」

清水先輩の眉間に濃いシワが寄る。ピリッとした不穏な空気が流れる。
それにあてられて、体がギクリと強張った。
チラリと俺を見た皆瀬が、吹き出すように笑った。

「ふっ、ビビりすぎでしょじゅんぺーくん。…そんな怖いの？俺らのこと」
「……」

怖いに決まってる。

俺のダチに異様な執着を見せる二人の男。
一人は精神的な面で他人を攻撃するやつ。
一人は圧倒的な力で他人を攻撃するやつ。

出来ることなら関わりたくない。今だって帰りたい。