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「…なぁおい」
「ん?」
「今日…いいか」
「…いくらくれんの?今日もう他に指名されちゃったから、そいつより多く出してくれんならヤるけど」
「っ…、3万」
「…ふーん。うん。いいよ。じゃあ今日の放課後、2階の化学準備室で待ってる」
「…ああ」
なんとも言えない複雑そうな表情を浮かべた先輩を残して、俺はその場を去った。
放課後。
チュ…クチュ…
「っは……んんっ…」
「……っ……廉」
俺は同性にモテる。
その証拠に、今接吻している相手も男だ。
キスをしながら俺のネクタイをほどき、少しもたつきながら俺のシャツのボタンを外していく先輩。
先輩はどこか必死で、なんだか可愛い。
思わずふふっと笑みがこぼれてしまった。
「…なんだよ」
「いーえ別に?」
先輩は苛ついたように眉根を寄せ、俺にまた深く口づけてきた。
名前は…たしか中山…だったか。
この学校ではなかなかの位置にいる不良で、けっこう多くの生徒に恐れられていた…と思う。
俺はあまりそういうことに興味がないし、金をもらえて、かつ気持ちいいなら別に相手が誰だろうと気にしない。
先輩がキスをしながら膝を俺の股間にグリグリ押し付けてきて、気持ちよさに俺の身体がビクリと跳ねた、まさにその時、ガラッと準備室の扉が開けられた。
「!?」
「えっ?」
「…」
先輩が驚きでビクッと震え、バッと扉の方をみる。
俺もつられてそちらを見る。
そこには、いかにも平凡といった風の1人の生徒が立っていた。
手に何冊ものノートを抱えて、目を丸くして、もつれ合う俺たちを見てた。
「…え…えと、あの…」
「…何見てんだよてめぇっ」
「ひっ!」
先輩は俺から離れるとその生徒に近寄り胸倉をつかんだ。
生徒は悲鳴を上げ、バサバサと手に持ったノートが落ち、床に広がった。
「誰だてめぇ…ここに何しにきたんだ?あ?」
「っ…ごめ、なさ」
先輩のドスのきいた声に震え上がる生徒。
短気な先輩はすでに腕を振り上げ、殴る一歩手前だ。
あーあ。めんどくさいけど、目の前で流血沙汰は困る。助けてやろう。
「せーんぱい」
「っ…」
乱れた服のまま先輩に近づき、振り上げた先輩の手に自分の手を絡ませる。
その時身体をすり寄せるのも忘れない。
「殴んなくってもいいでしょ。どうせ、もうここじゃヤレないし」
「はぁ?ふざけんなよ。金払っただろ。今更なしとか、」
「金もらった分はきちんとサービスするって…外でヤろうよって意味。ほら、前行ったホテル。あそこでいいじゃん。先に行っててよ」
「…絶対来いよ」
「うん。俺だってもう我慢出来ないし…そこで気持ちよくしてよ。…ね?」
「…っ」
耳元で囁くように言うと、先輩は少し顔を赤らめ、目の前の生徒から手を離した。
そして生徒を睨むと、落ちたノートを踏みつけ舌打ちをしながら準備室を出て行った。
その場には、乱れた服の俺と、平凡顔の生徒だけが残された。
俺はとりあえずシャツのボタンを止め、ネクタイを締め、服を整えた。
「…ごめんね?」
「ぇ…」
「先輩乱暴だからさぁ…よっと」
落ちたノートを拾い上げて、生徒に差し出す。
「はい」
「あ…あり、がとう」
「いーえ。それじゃあねー」
俺は生徒の横を通り過ぎ、準備室を出た。
廊下を歩きながらふと思った。
誰だったんだろ…あの子。ま、もう会わないだろーし、別にいっかぁ。
「ん?」
「今日…いいか」
「…いくらくれんの?今日もう他に指名されちゃったから、そいつより多く出してくれんならヤるけど」
「っ…、3万」
「…ふーん。うん。いいよ。じゃあ今日の放課後、2階の化学準備室で待ってる」
「…ああ」
なんとも言えない複雑そうな表情を浮かべた先輩を残して、俺はその場を去った。
放課後。
チュ…クチュ…
「っは……んんっ…」
「……っ……廉」
俺は同性にモテる。
その証拠に、今接吻している相手も男だ。
キスをしながら俺のネクタイをほどき、少しもたつきながら俺のシャツのボタンを外していく先輩。
先輩はどこか必死で、なんだか可愛い。
思わずふふっと笑みがこぼれてしまった。
「…なんだよ」
「いーえ別に?」
先輩は苛ついたように眉根を寄せ、俺にまた深く口づけてきた。
名前は…たしか中山…だったか。
この学校ではなかなかの位置にいる不良で、けっこう多くの生徒に恐れられていた…と思う。
俺はあまりそういうことに興味がないし、金をもらえて、かつ気持ちいいなら別に相手が誰だろうと気にしない。
先輩がキスをしながら膝を俺の股間にグリグリ押し付けてきて、気持ちよさに俺の身体がビクリと跳ねた、まさにその時、ガラッと準備室の扉が開けられた。
「!?」
「えっ?」
「…」
先輩が驚きでビクッと震え、バッと扉の方をみる。
俺もつられてそちらを見る。
そこには、いかにも平凡といった風の1人の生徒が立っていた。
手に何冊ものノートを抱えて、目を丸くして、もつれ合う俺たちを見てた。
「…え…えと、あの…」
「…何見てんだよてめぇっ」
「ひっ!」
先輩は俺から離れるとその生徒に近寄り胸倉をつかんだ。
生徒は悲鳴を上げ、バサバサと手に持ったノートが落ち、床に広がった。
「誰だてめぇ…ここに何しにきたんだ?あ?」
「っ…ごめ、なさ」
先輩のドスのきいた声に震え上がる生徒。
短気な先輩はすでに腕を振り上げ、殴る一歩手前だ。
あーあ。めんどくさいけど、目の前で流血沙汰は困る。助けてやろう。
「せーんぱい」
「っ…」
乱れた服のまま先輩に近づき、振り上げた先輩の手に自分の手を絡ませる。
その時身体をすり寄せるのも忘れない。
「殴んなくってもいいでしょ。どうせ、もうここじゃヤレないし」
「はぁ?ふざけんなよ。金払っただろ。今更なしとか、」
「金もらった分はきちんとサービスするって…外でヤろうよって意味。ほら、前行ったホテル。あそこでいいじゃん。先に行っててよ」
「…絶対来いよ」
「うん。俺だってもう我慢出来ないし…そこで気持ちよくしてよ。…ね?」
「…っ」
耳元で囁くように言うと、先輩は少し顔を赤らめ、目の前の生徒から手を離した。
そして生徒を睨むと、落ちたノートを踏みつけ舌打ちをしながら準備室を出て行った。
その場には、乱れた服の俺と、平凡顔の生徒だけが残された。
俺はとりあえずシャツのボタンを止め、ネクタイを締め、服を整えた。
「…ごめんね?」
「ぇ…」
「先輩乱暴だからさぁ…よっと」
落ちたノートを拾い上げて、生徒に差し出す。
「はい」
「あ…あり、がとう」
「いーえ。それじゃあねー」
俺は生徒の横を通り過ぎ、準備室を出た。
廊下を歩きながらふと思った。
誰だったんだろ…あの子。ま、もう会わないだろーし、別にいっかぁ。
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