βは蚊帳の外で咽び泣く

深淵歩く猫

文字の大きさ
上 下
94 / 128

見てて…

しおりを挟む
バスルームに着くと命はあっという間に自分の服を脱ぎ棄て
あわあわと、未だにシャツのボタンすら外しきれていない洋一に焦れ
命がさっさと洋一のシャツのボタンまでを外し終え
ズボンのベルトや留め具にまで手を伸ばし始めたのには洋一も流石に焦り
慌ててソレを止めに入る

「じっ…自分で脱ぎますから…っ!」
「ッ、…早く…」

洋一がズボンを脱ぐ為に下に視線を向ければ
直ぐ目の前に立つ命の見事にそそり勃った一物が視界に入り…

「~~~ッ、」

―――もう…そんな…っ、

洋一はもう、顔に熱が集まりすぎて
気を抜いたらこのままぶっ倒れてしまうのではないかと思うくらいの恥ずかしさのなか

震える指先を懸命に動かしながらズボンの留め具を外していき
洋一が覚悟を決め、一思いにズボンと下着を一気にズリ下ろして
いよいよ一糸纏わぬ姿に…

互いに全裸になり
洋一は目の前に立つ命の…
相変わらず無駄のない、しなやかで均等の取れた綺麗な身体に目を奪われ…
それと引き換えに自分の貧相な身体が急に恥ずかしくなって
洋一は俯きながら自分の身体を両手で隠そうとする…

しかし命はそんな自分の身体を隠そうとする洋一の両手を掴み
洋一の耳元に顔を寄せると

「…綺麗だ…」

…と、熱のこもった吐息と共にそう囁き
洋一の首筋に舌を這わせ始める…

それに焦った洋一が

「ま…っ、んぁ…待って下さい…っ、だらから先ずはシャワーを…っ!」

命に両手首を掴まれ、碌に抵抗の出来ない洋一は
自分の首筋を舐める命から顔を逸らし、僅かに身を捩って嫌がる

「…ッ、我慢…出来ない…」

呼吸を荒げ始めた命が、軽く洋一の首筋に歯を立てる…

「っ!でも俺…っ、準備しないと…挿入んない…、ッ、あ、きらさん…の…
 裂け…ちゃう…ッ、」

急に洋一の脳裏に…この間狼に襲われた時の事が過り
狼が無理矢理自分のナカに押し挿ろうとした時の事を思いだして
洋一の身体が小さく震え出す…

急に怯えだした洋一の様子に命はハッとなり…

「ッ、すまない…」
「……ぅ、」

俯いたまま、顔を上げようとしない洋一を
命はそっと抱きしめる

「悪かった…お前を怯えさせてしまって…」
「………」
「先ずは…一緒にシャワー浴びよう…な…?」
「…ッ……はぃ…」

洋一は俯いたまま命に手を引かれ…バスルームへと足を踏み入れる…
そして二人してそのままシャワーのある場所まで行き
命がシャワーのコックをキュッキュッとひねると
二人の頭上から丁度いい湯加減のお湯が降り注ぎ――

「…洋一…」

命の手が、未だ俯いたままの洋一の顎に添えられ
その顔をゆっくりと持ち上げていき
瞳を閉じた洋一の顔にシャワーの水滴が弾け
洋一が瞳をゆっくりと開いていき…不安で揺れる瞳が命の事を見つめる…

「…命…さん…、ん、ぅ…」

洋一が命の名を言い終わると同時に命の唇が洋一の唇を塞ぎ…

「ん…」

洋一は一瞬顎を引いて逃げようとしたが
直ぐに自分の口内に侵入してきた命の舌を受け入れ
ツンツンと自分の舌先に触れてきた命の舌先に
自分もおずおずと舌先を絡め始め、それに答える…

「ん…ん…」
「ッ、ふっ…ん…」

シャワーのお湯が二人の重なる唇の隙間から入って来るのも気にせず
いつしか二人は互いの舌を絡めあいながら
どちらともつかない口内を貪り合い始め…

「んっ…はっ…ン…」
「…っ、」

二人の唇の隙間から、時折艶めかしくも激しく縺(もつ)れ合う舌が覗き
互いに夢中になって舌を絡ませ合う…

そこに今まで洋一の腰を抱いていた命の手が徐々に…
しっとりと濡れる洋一の肌の感触を確かめるようにしながら下へと伸びていき――

「ッ!ふぁ…、ぁ…っ、」

命の濡れる指先が、洋一の尻臀の間にスルリと滑り込み…
尻臀の奥に隠されていた蕾にそっと触れる…

「――ッ、あきら、さん…っ、」
「…腫れは…治まったようだな…良かった…」
「ッ、ぅ…」

命の指の腹が…未だ口を固く噤(つぐ)んでいる洋一の蕾を愛おしむ様に撫で…
命が洋一の耳元で「…我慢した甲斐があった…」と、小さく呟くと
洋一の顔を覗き込み

優し気な…しかし何処となく悪戯っぽい笑みを浮かべながら
命が洋一に尋ねる

「…どうやって…その準備とやらをするつもりだったんだ?洋一…
 俺に…見せてくれ。」
「ッ、」

命のその言葉に、洋一は一瞬その身を硬くするが――

「……」

洋一は覚悟を決め、無言でサァサァと降り注ぐシャワーに打たれながら
ゆっくりと命に背を向け
躊躇いがちに壁にその手を着くと

「ッ、見てて…、ッ、命さん…、」

泣きそうな笑顔を命に向けながらそう呟くと
洋一が自分の手で、命に見せつける様に
ゆっくりと尻臀の肉を割り開き始めた…
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

過保護な不良に狙われた俺

ぽぽ
BL
強面不良×平凡 異能力者が集まる学園に通う平凡な俺が何故か校内一悪評高い獄堂啓吾に呼び出され「付き合え」と壁ドンされた。 頼む、俺に拒否権を下さい!! ━━━━━━━━━━━━━━━ 王道学園に近い世界観です。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

手の届かない元恋人

深夜
BL
昔、付き合っていた大好きな彼氏に振られた。 元彼は人気若手俳優になっていた。 諦めきれないこの恋がやっと終わると思ってた和弥だったが、仕事上の理由で元彼と会わないといけなくなり....

鬼ごっこ

ハタセ
BL
年下からのイジメにより精神が摩耗していく年上平凡受けと そんな平凡を歪んだ愛情で追いかける年下攻めのお話です。

処理中です...