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自覚。
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「――キスした…だと…?」
松本オリエンタル工業での一件から二日が経ち――
洋一と浩介は久しぶりに何時ものBARで2人で会おうという事となり
2人は暫くの間BARで酒を飲みかわしながら楽しく談笑をしていたが――
ふと、浩介から最近変わりはないかと聞かれ
洋一が「そういえば…」と、松本オリエンタルで命からキスされた事を
のほほんと微笑みながら浩介に話してみたところ
ソレを聞いた浩介の表情が一辺して強張り
洋一が不思議そうに首を傾げながら、浩介に尋ねる
「…?どうかした?」
「――どーかしたってお前…」
「いやぁ~…
いきなり命さんからベロチューされた時は流石にビックリしたけど――
項噛まれたりしなくてホント、良かったよぉ~w」
あははwと屈託なく、照れくさそうに頭を掻きながら話す洋一に
浩介の表情がますます強張る
「いや、お前…項噛まれたほうが明らかにマシだったろっ?!」
「――え…?何で??」
「何でって…」
「項噛まれる方が嫌だよ…痛いし…
俺がこのBARで命さんに初めて項噛まれた時、泣き叫んだの覚えてるでしょ?
アレに比べたらベロチューの方が全然マシだって…ホント…」
痛くないし…と呟きながら洋一がジン・トニックをグイッと煽る
―――いやいやいやっ!同性とのベロチューの方がよっぽどキツイだろっ!!
どーなってんだよコイツの価値観っ!!!
と、浩介が心の中で盛大なツッコミを入れる
するとそこに洋一のスマホに着信が入り――
「あ、命さんからだ。はいもしもし――」
命からの電話に、浩介は途端に不機嫌になり
酒をチビチビと煽りながら命と話をしている洋一の方を見つめる
「――はい…はい…あの、でも――
まだ飲み始めて30分も経ってませんよ…?はい…はい…
――分かりました…出来るだけ――早く帰ります…それじゃあ――」
ピッと、洋一がちょっと浮かない顔をして通話を切る
「――命様は何て…?」
「…早く帰ってこいって…」
洋一が酒を一口飲むと、何とも言えない空気が2人の間に流れる…
「…松本オリエンタル工業での一件以降――
様子がおかしいっていうか――
何か妙に寂しがり屋さんになった気がするなぁ…命さん…」
「お前…仮にも上司に対して寂しがり屋さんて…」
「だって…今日お前と2人で飲むのだって
一緒に着いて来たがって…説得するの凄く大変だったんだから…」
「そう…なのか…?」
「昨日だって…ちょっと一人で買い物行こうと玄関向かったら
リビングで書類仕事していたハズの命さんが
慌てて俺の所まで駆け寄ってきて、一緒に着いてくって言って聞かなくて…
結局俺と命さん、それと
臨時で雇われた黒スーツ着たボディーガードさん達と一緒に
わざわざ車で近くのコンビニに乗りつけるっていう…」
「うわぁ~…」
「…いくら寂しいからって――
さっきの電話といい…ホント、どーしちゃったんだろう…命さん…」
洋一が残ったジン・トニックを飲み干すと
ハァ~…と深い溜息を吐きだした…
洋一との電話の後――
―――皆瀬のヤツ…俺の気も知らないで…
切ったスマホの画面を憎々しく見つめながら
命が溜息を漏らす…
―――早く帰ってこい皆瀬…
松本オリエンタルで洋一にキスして以降
命の中に、ある一つの欲望が生まれ
それが少しずつ膨らんでいくのを感じ、命が眉を微かに顰める
―――触れたい…
それよりも強く
―――抱きしめたい…
それよりももっと浅ましい
―――お前を――俺のモノにしたい…
松本オリエンタル工業での一件から二日が経ち――
洋一と浩介は久しぶりに何時ものBARで2人で会おうという事となり
2人は暫くの間BARで酒を飲みかわしながら楽しく談笑をしていたが――
ふと、浩介から最近変わりはないかと聞かれ
洋一が「そういえば…」と、松本オリエンタルで命からキスされた事を
のほほんと微笑みながら浩介に話してみたところ
ソレを聞いた浩介の表情が一辺して強張り
洋一が不思議そうに首を傾げながら、浩介に尋ねる
「…?どうかした?」
「――どーかしたってお前…」
「いやぁ~…
いきなり命さんからベロチューされた時は流石にビックリしたけど――
項噛まれたりしなくてホント、良かったよぉ~w」
あははwと屈託なく、照れくさそうに頭を掻きながら話す洋一に
浩介の表情がますます強張る
「いや、お前…項噛まれたほうが明らかにマシだったろっ?!」
「――え…?何で??」
「何でって…」
「項噛まれる方が嫌だよ…痛いし…
俺がこのBARで命さんに初めて項噛まれた時、泣き叫んだの覚えてるでしょ?
アレに比べたらベロチューの方が全然マシだって…ホント…」
痛くないし…と呟きながら洋一がジン・トニックをグイッと煽る
―――いやいやいやっ!同性とのベロチューの方がよっぽどキツイだろっ!!
どーなってんだよコイツの価値観っ!!!
と、浩介が心の中で盛大なツッコミを入れる
するとそこに洋一のスマホに着信が入り――
「あ、命さんからだ。はいもしもし――」
命からの電話に、浩介は途端に不機嫌になり
酒をチビチビと煽りながら命と話をしている洋一の方を見つめる
「――はい…はい…あの、でも――
まだ飲み始めて30分も経ってませんよ…?はい…はい…
――分かりました…出来るだけ――早く帰ります…それじゃあ――」
ピッと、洋一がちょっと浮かない顔をして通話を切る
「――命様は何て…?」
「…早く帰ってこいって…」
洋一が酒を一口飲むと、何とも言えない空気が2人の間に流れる…
「…松本オリエンタル工業での一件以降――
様子がおかしいっていうか――
何か妙に寂しがり屋さんになった気がするなぁ…命さん…」
「お前…仮にも上司に対して寂しがり屋さんて…」
「だって…今日お前と2人で飲むのだって
一緒に着いて来たがって…説得するの凄く大変だったんだから…」
「そう…なのか…?」
「昨日だって…ちょっと一人で買い物行こうと玄関向かったら
リビングで書類仕事していたハズの命さんが
慌てて俺の所まで駆け寄ってきて、一緒に着いてくって言って聞かなくて…
結局俺と命さん、それと
臨時で雇われた黒スーツ着たボディーガードさん達と一緒に
わざわざ車で近くのコンビニに乗りつけるっていう…」
「うわぁ~…」
「…いくら寂しいからって――
さっきの電話といい…ホント、どーしちゃったんだろう…命さん…」
洋一が残ったジン・トニックを飲み干すと
ハァ~…と深い溜息を吐きだした…
洋一との電話の後――
―――皆瀬のヤツ…俺の気も知らないで…
切ったスマホの画面を憎々しく見つめながら
命が溜息を漏らす…
―――早く帰ってこい皆瀬…
松本オリエンタルで洋一にキスして以降
命の中に、ある一つの欲望が生まれ
それが少しずつ膨らんでいくのを感じ、命が眉を微かに顰める
―――触れたい…
それよりも強く
―――抱きしめたい…
それよりももっと浅ましい
―――お前を――俺のモノにしたい…
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