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しおりを挟むそれからメロディアーナの王妃教育が始まった。
メロディアーナが王宮に登城して、王妃である母や家庭教師から学び終えると二人でお茶を飲むのが日課になった。
そこでは穏やかな時間を過ごし、お互いのことについてゆっくり話していった。
メロディアーナのことを知るたびにどんどん愛しい気持ちが溢れてきた。
たまに二人で城下に出向き、密かにデートをしてはいろいろな思い出を作った。
ある日ふと目についた露店でアクセサリーが売っていた。
「メロディ、何か気に入ったものはある?」
「そうですね…ぁっ」
「どれ??」
「あの、えっと…このネックレスが…」
そう言って、頬を赤らめながらメロディアーナが手に取ったのは、私の瞳と同じ色の宝石が入ったネックレスだった。
思わず聞いてしまう。
「それは…私の色だから?」
「…はい。」
恥ずかしそうに頷くメロディアーナ。
かわいすぎる。
「…プレゼントするよ」
「っありがとうございます!大切にします。」
最近はメロディアーナも少しずつ私のことを意識してくれていると思う。
私の顔を見ると途端に笑顔になってくれたり、顔を近づけると赤くなったり、時折見せる情熱的な目は、多分そうだと思いたい。
もっともっと好きになって。
私はそれ以上の愛を君に贈るよ。
そう考えているとネックレスをつけたメロディアーナがこちらをみる。
「マルク様?」
「あぁ、ごめんね。とても似合っていてつい見惚れてしまった。」
「まぁ、相変わらずご冗談がお上手ですわ。」
どこを見てそう思うのだろう?
こんなにも愛しているのに。
「メロディ、愛してるよ。」
「っ、ありがとうございます」
メロディアーナは私がどんなに愛を告げてもお礼を言うだけで自分の気持ちは言ってくれない。
だがメロディアーナに強要したい訳ではないので聞くこともできない。
態度を見ると嫌われてはいないと思うんだが…
まあ、婚約はしているんだからこれからゆっくり好きになってもらえば良いと思っている。
「メロディ、次はあっちを見に行こう?」
「はい!」
早く好きと言って。
そしたらもっと君を愛するから。
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