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本編
7 【完】
しおりを挟むそれからは殿下の態度がすっかり変わった。
まずは会ったときのスキンシップが増えた。
そして毎日手紙やメッセージカードを贈ってくれた。
そして会ったときはお互いの話をいっぱいするようになった。
一度無理してないかと聞くと、
「本当の俺はこんな感じなんだ。嫌か?」
なんて言っていて、嫌なわけじゃないし、今までよりも心地良い時間になることがとても嬉しかった。
ちなみに、手紙に添えていたリナリアの花言葉は
『この恋に気づいて』
殿下の好意にもっと早く気づけばよかったと思う。
ちなみにこないだのフィース男爵令嬢は、本当に勝手に部屋に入り込んで殿下に抱きついていたそうだ。
然るべき処分を受け、今後会うことはないだろう。
「俺の好みはミュランであってあのようなものではない。勘違いしないでくれ。」
そう殿下に言われたときは恥ずかしくなったが、嬉しかった。
確かに、殿下は練習のときに私の好みを全部聞いていた。
思えばすべてが繋がっていたのだ。
すぐ気づければもっと早くに違った未来があったかもしれない。
でも、あの練習がなければ自分の気持ちにも気づけなかったし、良かったのだとも思う。
「ミュラン。今日はこの茶葉とケーキを食べよう。」
「はい、ハスライト様。」
今日も仲良くお茶会をはじめる。
私は政略結婚するはずだった殿下との恋を始めた。
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