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番外編
異変
しおりを挟むあれから少したった頃。
ルークはまた王宮に缶詰になりながら政務を行っている。
でも時々私が会いに行くと、少しだけ休憩を取るようになった。
それだけでも仕事の効率があがるんだと言ってくれて、私もルークが無理してないのならと、時間を見つけては会いに行くことにしている。
今日も会いに行こうとしていたが、少しだけ具合が悪く、風邪だとうつすといけないので、家にいることにした。
このところ最近少し身体がだるく感じる。
結婚のための予定を組んだり、招待状を出したり、ルークに会いに行ったりと少し無理がたたったのかもしれない。
今日は図書室へいきゆっくり本でも読もうと、立ち上がり部屋を出る。
少し歩くと急に目眩がして、倒れそうになったところで私の記憶は途切れてしまった。
「…あれ…私、ここは…?」
「チュリ!!あぁ、良かった目を覚まして…」
そこにはいるはずのないルークの姿が。
「ルーク?どうしてここに…」
「君が倒れたって聞いて王宮になんかいられないよ。すぐ会いに来た。」
「そうだったんですね、ありがとうございます。最近少し身体が重くて…少し寝たら良くなりました。」
心配をかけたのは申し訳なかったけど、ルークが来てくれたことを嬉しく感じた。
すると、ルークは優しく微笑んでくれる。
「そうだね。しばらくは安静にしていたほうがいい。…チュリ一人の身体ではないのだから。」
「はい。…え?」
私一人の身体ではない?
「チュリ、君は今妊娠しているそうだ。身体が重いのも、立ちくらみで倒れたのもそのせいだ。」
「え?」
「チュリ、ありがとう。私との子だ、もちろん産んでくれるね?」
ルークが優しく私の手を握る。
思ってもいないことに、頭が追いつかない。
私のお腹に、ルークとの子供が…??
そうわかった瞬間涙がぽろぽろと溢れた。
嬉しくて仕方なかった。
「はいっ、はい…。」
「チュリ、泣かないで。私だって堪えているのに移ってしまう。」
「だって、ルークとの、嬉しくて…」
顔をあげるとルークも少し目尻が赤かった。
そして私を抱きしめてくれる。
「私も頑張らなくてはね。これからはチュリの他にも守るべき宝ができてしまったのだから。ありがとう、愛してるよチュリ。」
「わ、私も愛しています…」
笑い合いながら触れるだけのキスをした。
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