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本編
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しおりを挟む「チュリ?」
自覚してしまってからはもう今までと同じような態度ではいられない。
ルークは私のことをきっとなんとも思っていないのだから…。
都合のいいように考えてはいけない。
「ご、ごめんなさい。もう大丈夫…。」
ルークを見ると叶わない恋に涙が出そうになる。
早くこの部屋から出ないと、
「大丈夫じゃないだろう?怒らないから、ちゃんと話してくれる?」
言っても嫌われないのだろうか…。
「わ、たしが言っても、嫌いになりませんか?」
「もちろん。きみに何を言われても嫌いになることなんて絶対にないよ。」
「…っ。わたしは!シュリー様から話を聞いたときに嫉妬してしまいました。ルークは婚約者のフリをしているだけなのに、私は、自分のものかのような気持ちで…ごめんなさい…」
そう謝るとルークが抱きしめてくれた。
「それは、私のことが好きだからって思ってもいいの?」
「…はい。好きです。ルークが好きなんです。だからもう、婚約のフリはできませーーー」
別れを告げようとしたとき、ルークに口を塞がれた。
「婚約は続けるよ。絶対に解消しない。」
「っ、なぜですか!私はあなたが好きなんです。でも、婚約することはできないんです。あなたの本当の婚約者を見てしまったらもう生きていけない…。」
なぜ、解放してくれないんだろうか。
私が困るのを見て楽しんでいるのかな。
「私も、チュリが好きだよ。愛している。」
「っえ?」
「ずっと言ってたじゃないか。忘れたの?なのに婚約をやめるだなんて、絶対に許さないよ。」
え…。
手紙とかで愛しいとか書いてくれたのは、本心だからってこと?
ルークも私のことを好いてくれてる?
「ほんと…?」
「嘘なわけあるか、むしろ君を騙してでも無理やり婚約させた私のほうが捨てられそうで怖いよ。」
「騙す??」
「婚約者のふりを頼んだのは、嘘だったんだ。本当ははじめからずっとチュリと婚約したかった。謝るのは私の方だ。ずっと騙していてすまない。」
色んなことが急にありすぎて、頭に入ってこない。
「私のことを好きといったのも嘘だったんですか?」
「それは嘘じゃない!私は、ずっと君だけを見ていたんだ。私達が知り合うずっと前から…」
ルークと会ったのは舞踏会が初めてだと思っていた。
けどそれが間違っている??
「私達は以前一度だけ会っている。最も私は変装していたからチュリが気づくことはなかったと思うよ。」
「変装…どこで…」
「下町で。君が買い食いしているときに私も下町にいてね。ちょっと怪我をしていたら君が手当してくれて、買った菓子をくれたんだ。」
そういえば少し前、そんなことがあったかもしれない。
その時の相手の顔など全然覚えていなかったが、その時
「君のおかげで助かったよ。また会おう。」
と言ってくれたのだけ覚えている。
「それは私だ。」
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