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本編
本当の真実
しおりを挟む「キ、キスト…??」
急に掴まれた手が震えていた。
私ではなくキストの手が震えていたのだ。
「キスト、だいじょう、きゃあ!」
手が震えていたのを大丈夫か確認しようとしたら、そのまま抱きしめられた。
「っ」
「キスト…?はなし、」
「……しない。」
「え?」
「婚約破棄なんかしない。」
「え?どうして…」
「僕はリーデを愛しているから。リーデ以外はいらない。リーデじゃないとだめなんだ。」
「そんなの嘘よ!アレルのことが好きなのに今更そんなこと言わなくても慰謝料なんか請求しないわ。」
「嘘じゃない!アレル嬢が出てくるのは噂を真に受けたから?僕はアレル嬢のことを愛していないよ。初めて会ったときから愛しているのは君だけだ、リーデ。」
アレルを愛していない?
なのに婚約しようとしてるのはどうして?
「私聞いてしまったもの。アレルとあなたが婚約するって話していたのを。」
「もしかして中庭で話していたこと?それは最後までちゃんと聞いていた?」
「と、途中からは聞こえなかったわ。でも話していることはわかったもの。アレルとキストの婚約がもうすぐ決まるって。堂々とできるって」
「全然わかっていないよ。もう誤解されたくない。僕の話を聞いてくれる?」
「…わかったわ。」
この後のキストの話を聞き私は驚きを隠せなかった。
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