嫌われていると思っていた婚約者は、私のことを溺愛していた

ゆいまる

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本編

婚約者から嫌われている

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私、リーデは婚約者であるキストから嫌われている。

手紙を出しても返ってこないし、会いに行ってもまともに会話すらしてくれない。
出会った頃はそんなことなかったのに…。

私たちの親同士は仲がよく、幼い頃からキストと遊ぶことが多かった。
幼い頃のキストは優しく、お転婆だった私の事を可愛いと言ってくれ、結婚したいと言ってくれたのだ。

私もキストの事が好きだったからすぐに両親も婚約を取り決めた。

いつからこうなってしまったんだろう…

学園に通うようになってからキストは変わってしまった。

キストは勉強もできるし、運動も得意で、特に剣が強い。それに背が高く、美しい顔をしていた。
さらに爵位も高いことで王子の側近候補として仲良くしていたこともあり、女子生徒からとても人気があった。

私達の婚約は公にされていないこともあり、周りから見るとただの幼馴染である私がキストの近くにいることをよく思わない人もいた。
本を破かれたり、悪口を言われたりすることも少なくなかった。
それでも、キストが私を庇ってくれていたから辛くなかった。

でもある日を境にキストから私に話してくれることも、会いに来てくれることもなくなってしまった。
その辺りから、キストの婚約者の噂が流れるようになった。

キストはアレルと恋仲で、婚約も時間の問題と。

アレルとは学園に入ったときはじめに私に話しかけてくれた子だ。
見目麗しく、性格の明るさから誰とでもすぐ仲良くなれ、誰からも好かれる存在だった。
もちろん私も好きだったし、一番の仲良しだと思っていた。
そんな彼女にはキストと婚約していることは話せなかったが、想いを寄せていることは伝えていた。
彼女も応援してくれると言っていたのだ。

その後私を介してキストとアレルもよく話すようになった。
思えばその辺りからキストと少しずつ距離を取られていたのかもしれない。
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