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特別編1-2 あれ……!? おにいちゃんの ようすが……!※
しおりを挟む結婚式も終わった、とある夜のこと。
――晴れて、本当の夫婦になった、シルヴァお兄ちゃんと私だけれど――。
「リモーネ……」
「んっ……シルヴァお兄ちゃんっ、だめっ、そこは……止めてっ……ひゃあっ……!」
ベッドに横たえられた私の、大きく開かれた両脚の間に、銀色の短い髪が見える。
くちゅり、じゅぷりと、舌が狭穴を這いずる音が、室内では、ずっと聴こえていた。舌が襞を舐め、ひくひくと動く蜜口に移動すると、言いようのない疼きが全身を走っていく。快感に耐えるために、脚の間にある頭に、私は両手を伸ばした。
舌が離れたかと思うと、彼の長い指が、尖った芽を弄りはじめる。
「リモーネが気持ちが良さそうだから、止められそうにないな……」
「シルヴァっ……それ以上しちゃっ……」
突起の周囲をなぞったり、押したり、擦り上げたりと不規則な動きをしてくるものだから、どんどん頭が白んでくる。そうして、再開された舌遣いにより、いよいよ全身に震えが走った。
眼前が、ちかちかしてきたかと思うと――。
「あっ……ああっ……ああっ――――!」
短い悲鳴が何度か漏れ出た。痙攣が全身を襲い昇り詰めた後、全身の力が一気に抜けていく。
溢れる蜜を、じゅるじゅるとイヤらしい音を立てながら、シルヴァが吸い上げた。
愛蜜がはしたなく、ひくひく蠢く口から溢れ続ける。
(何度されても恥ずかしい……!)
脱力した身体を、夫であり幼馴染でもあるシルヴァが、そっと抱きしめてきた。
均整のとれた逞しい身体が肌に触れてきて、どきんと胸が高鳴る。
耳元で、彼の優しくて低い声が聴こえてきた。
「何度抱いても飽き足りない、リモーネ」
熱っぽい口調でそんなことを言われてしまい、心臓がドキドキして落ち着かなくなった。
「シルヴァお兄ちゃん……」
彼の翡翠のように綺麗な碧の瞳と視線が合う。
「リモーネ、なかなか俺は、『お兄ちゃん』から卒業できそうにないな」
困ったように彼が笑う。
(あ……)
結婚式をとりおこなった教会で、彼から名前を呼び捨てにしてほしいと言われたけれど――。
「ごめんなさい……お兄ちゃんと言わずに、まだシルヴァって呼ぶのに慣れてなくて……」
「いいや、お前が慣れるまで待つよ。俺は、今こうして夫として、お前に触れることが出来ている。それだけで幸せなんだ」
そう言って、彼がわたしの金の髪を優しく撫でてきた。
そうして、私の左指の薬指に光る翡翠の指輪にちゅっと口づけてくる。
「お前の紫水晶のような瞳が、俺を映してくれているのだって……俺にとっては奇跡に近い……」
日常生活では、端的にしかものを言わなくて、不愛想で寡黙なシルヴァお兄ちゃんは、ベッドの上では饒舌になって――しかも――。
(元々優しいけど、すごく優しい……)
そんな彼に、今の気持ちを伝えたくて、少し視線を逸らしながら告げた。
「私も……いつも気持ち良くしてもらって……その、本当に良かっ……きゃあっ……!」
「お前を幸せにするのが俺の役目だ、リモーネ、愛してる……」
「ひゃあっ、お兄ちゃっ、あっ、」
そうしてまた押し倒されて、胸を弄られはじめる。
――本当の新婚生活がはじまった私たちは、最近毎日こんな調子だ。
(大好きな幼馴染で、いつも私を大切に守ってくれていたシルヴァお兄ちゃんが、本当の旦那様になってくれて、すごく幸せ……)
騎士としても出世株だと言われているシルヴァ。
精力的なシルヴァとの夜の営みで、心も身体も充足していた私だったのだけれど――。
最近すこしばかり、夫に対して気がかりなことが出てきたのだ。
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