【R18】身代わり令嬢は、銀狼陛下に獣愛を注がれる

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　半月の夜、寝室からは夫婦が交じり合う嬌声と水音とが奏でられていた。
　私を組み敷くのは、さらさらの銀の髪に蒼玉の瞳をした美青年だが、一つだけ常人とは違う特徴があった。
　そう――夫である彼の頭には獣の耳が生えているのだ。

「あっ、あっ……は……あっ……」

　彼の名前はファング・ベスティエ――獣人国の若き皇帝だ。
　相手が一心不乱に腰を揺らしてくるものだから、その動きに着いていくのが必死だ。
　ぐちゅぐちゅと水音が激しさを増す中、柔らかなコントラバスの声が私の耳を震わせてくる。

「……エマ姫……我が妃よ……そろそろ……良いだろうか？」

「は……い」

　人間離れした相手の麗しい姿が涙で歪む中、均整のとれたしなやか筋肉に覆われた背へと私はゆっくりと両腕を添わせた。
　彼が一声呻いたかと思うと、下腹部に熱の奔流が渦巻き、私も一気に高みに昇っていく。

「ああっ……――！」

　相手の動きが一瞬止まったかのように感じると同時に吐精される。
　そうして、余韻を楽しみたかったけれど――すぐに分身は引き抜かれてしまい、ベッドがギシリと音を立てる。

「あ……陛下……」

　立ち上がった夫が脱ぎ捨てた衣服を手慣れた様子で羽織ると、こちらを淡々とした表情で見てくる。

「我が妃よ、すまない。もう行かなければならない。あとはまた月が満ちはじめるからしばらくは会いにこれない。それでは、俺はこれで――」

　義務的に行為をすませると、彼は部屋を後にしていった。