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15 ケンダルside

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 オデッセイが、遂に完成した「逆惚れ薬」を嗅いでしまった。

「熱い……」

 ベッドの上、ブルブルと震えるオデッサの身体を抱きしめながら。ケンダルが深い溜息を吐く。

「カッコつけた早々、こんな展開とは……ツイてるんだかツイてないんだか……」

 だがしかし、予言通り、好感度がマイナスになってから、挽回を図るしかないのだ。
 そうして、彼女の金の巻き髪に彼が顔を埋めようとした時……

 オデッセイの細く繊細な指先が、彼の衣服をぎゅっと掴んだ。

「ケン……ダル……?」

 見上げてきたオデッセイの瞳と出会う。
 豪奢な巻き髪は乱れて、陶器のように白い肌に張り付いている。
 髪色と同じ金の睫毛に縁どられたエメラルドの潤んだ瞳、上気した頬に半開きの桜色の唇。
 豊満な乳房に、くびれた腰、華奢な肢体。

 ……ドクン。

 ドクンドクンドクンドクン。

 ケンダルの鼓動が早鐘を打ちはじめた。

 ……もうすでに五回は吐精したはずなのに……

 オデッセイの媚態を前に、ケンダルは一気に瀬戸際まで追い詰められる。

(待て待て、俺が頼んでた薬が出来たわけじゃない……薬が効いてるのは、オデッセイだけで……)

 そこで、ケンダルは、ハタと気づいた。

「……逆惚れ薬って……おいおい、まさか、そういうことかよ……アーサーとリーリアちゃんも悪いやつらだな……日頃の行いが良いからか、俺にとってかなり都合の良い展開になったがな……」

 そうして、彼はニヤリと口の端を吊り上げたのだった。



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