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後日談 俺様CEOと社内で××したのは極秘です

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「はあ……一番は君に分かってもらわないといけない。ねえ、もう俺以外の男に笑いかけないでよ、桃花ちゃん」

「あっ、そんなことはっ……総悟さんっ……」

「ああ、跡、たくさん残したから、これで数日は大丈夫かな」

 ひとしきりキスマークを付け終わって満足したのか、総悟の顔が愉悦に歪んだ。
 桃花の背筋にゾクゾクした感覚が駆ける。

(総悟さん……ちょっと怖いぐらいに……)

 独占欲が強い気が――桃花はしていた。

(どうしよう、スカーフを巻いたりして誤魔化すしかないわよね?)

 鏡を見ずとも分かる。きっと首中にキスマークが残っているに違いないのだ。

「さあ、桃花ちゃん、今日こそは……」

 そうして、総悟の長い指が桃花の肩紐にかかった瞬間。


『まま~! ええ~ん!』


 寝室に設置したモニターから、愛息・獅童の鳴き声が響き渡る。
 桃花はハッとして身体を強張らせる。
 総悟の表情が一気に歪んだ。

「今日もこのタイミングで目を覚ますとかさ……桃花ちゃん、どうせまた寝るよ。さあ、続きを――」

 続きを催促した総悟だったが――

「獅童のところに行かなきゃ……!」

 桃花は総悟の身体の下から猫のようにすり抜けると、ベッドから飛び降りる。

「待って、桃花ちゃん! もう数日この調子で!」

 だがしかし、彼女は彼に背を向けたままスリッパを履く。

「ごめんなさい、総悟さん、獅童のところに向かいます! 今日も隣で寝ますから!」

 かくして、桃花は母としての務めに戻るべく、ルームウェアを綺麗に正すと、隣の部屋へと駆け足で向かったのだった。


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