196 / 220
第7章 2年後、3人は家族になった
最終話ー5 総悟side 過去
しおりを挟む
『だったら、俺が両親の代わりにいつか君にプレゼントしてあげるよ。君の大好きな獅童くんをさ』
『え? 獅童くんを?』
『うん、俺って金持ちだからさ。君が欲しいものを買ってあげちゃうよ。約束する』
『お母さんが言ってました。親の金のプレゼントはかっこ悪いって』
『ええ、手厳しいな。じゃあ、俺が会社の副社長ぐらいになったらにしようか?』
ふと、総悟は桃花の好きな特撮に出てくる司令官のことを思い出した。
ちょっと軽口を叩くキャラで、大事な時に新しい武器なんかを授けてくれる。
総悟はその司令官の口調を真似して話し掛けてみる。
『俺が君に獅童を授けてあげよう……ってね』
総悟が軽口を叩くと、桃花から笑顔が溢れた。
『ふふ、お兄ちゃん、面白い人なんだね。獅童くんの司令官の喋り方に似てた』
『そうかな? 誰かに喜んでもらえるんなら、こういうキャラでいくのも悪くないのかもね』
少しだけ二人で喋った後――
桃花はうとうとしはじめて、総悟の肩に何度か頭をぶつけてきた。
『おじいちゃんとおばあちゃんが来るまで眠りなよ』
『うん、ありがとう』
そうして、とろんとしたまま桃花が告げる。
『お兄ちゃん。ちゃんと偉くなって、桃花に獅童くんをプレゼントしてちょうだいね』
『約束するよ――ちゃんと君に獅童くんをプレゼントしてあげるからさ』
桃花は小さな体を総悟に預けて眠りに就いた。
彼女の温もりは――辛くて心細かった総悟に一筋の希望を与えてくれた。
『約束しちゃったから、この子にちゃんとプレゼントを渡すまでは……頑張ってみようかな』
総悟は頰を伝う熱い涙を拭う。
この時の総悟はまだ知らなかった。
二人が互いの言葉を支えにして生きていき、将来的にその道が再び交わった時に、奇跡が起こって――
本来の約束とは違う形だったけれど――総悟が桃花に獅童をプレゼントする約束を果たすことを。
(Fin)
『え? 獅童くんを?』
『うん、俺って金持ちだからさ。君が欲しいものを買ってあげちゃうよ。約束する』
『お母さんが言ってました。親の金のプレゼントはかっこ悪いって』
『ええ、手厳しいな。じゃあ、俺が会社の副社長ぐらいになったらにしようか?』
ふと、総悟は桃花の好きな特撮に出てくる司令官のことを思い出した。
ちょっと軽口を叩くキャラで、大事な時に新しい武器なんかを授けてくれる。
総悟はその司令官の口調を真似して話し掛けてみる。
『俺が君に獅童を授けてあげよう……ってね』
総悟が軽口を叩くと、桃花から笑顔が溢れた。
『ふふ、お兄ちゃん、面白い人なんだね。獅童くんの司令官の喋り方に似てた』
『そうかな? 誰かに喜んでもらえるんなら、こういうキャラでいくのも悪くないのかもね』
少しだけ二人で喋った後――
桃花はうとうとしはじめて、総悟の肩に何度か頭をぶつけてきた。
『おじいちゃんとおばあちゃんが来るまで眠りなよ』
『うん、ありがとう』
そうして、とろんとしたまま桃花が告げる。
『お兄ちゃん。ちゃんと偉くなって、桃花に獅童くんをプレゼントしてちょうだいね』
『約束するよ――ちゃんと君に獅童くんをプレゼントしてあげるからさ』
桃花は小さな体を総悟に預けて眠りに就いた。
彼女の温もりは――辛くて心細かった総悟に一筋の希望を与えてくれた。
『約束しちゃったから、この子にちゃんとプレゼントを渡すまでは……頑張ってみようかな』
総悟は頰を伝う熱い涙を拭う。
この時の総悟はまだ知らなかった。
二人が互いの言葉を支えにして生きていき、将来的にその道が再び交わった時に、奇跡が起こって――
本来の約束とは違う形だったけれど――総悟が桃花に獅童をプレゼントする約束を果たすことを。
(Fin)
298
お気に入りに追加
1,448
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
イケメンエリート軍団の籠の中
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり
女子社員募集要項がネットを賑わした
1名の採用に300人以上が殺到する
松村舞衣(24歳)
友達につき合って応募しただけなのに
何故かその超難関を突破する
凪さん、映司さん、謙人さん、
トオルさん、ジャスティン
イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々
でも、なんか、なんだか、息苦しい~~
イケメンエリート軍団の鳥かごの中に
私、飼われてしまったみたい…
「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる
他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった
山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』
色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
イケメン上司と秘密の子作り契約始めます〜あなたの子供を産んでいいですか?〜
sae
恋愛
「俺の子供産まない?」
結婚願望は全くないが子供が欲しい天野あかり(30)は自分の年齢に焦りだしていた。その悩みを上司の不破樹(35)に相談したら思いがけない提案を投げかけられる。不破の言葉にあかりは戸惑いつつも己の欲求と不破の条件のもとその誘いに乗ってしまう。子供が欲しい、その気持ちだけで始まった不破との身体だけの関係。恋愛をすっ飛ばして始まった上司との秘密の関係は徐々にあかりの気持ちを乱し始めて……。
恋愛難民アラサー女子×ハイスぺ上司の秘密のオフィスラブ
▷R-18あります、表示なし、苦手な方はご注意下さい。
▷別サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる