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第2章 2年前、幸せな2人
10-1 初めて結ばれる(後編)※
しおりを挟む暗闇の中、桃花は総悟の手によって全身を愛撫されていた。
彼の大きな掌が、触れるか触れないかぐらいの手つきで、彼女の肌を擦った。
硬い指の腹で触れられた後、柔らかな唇で口づけられる。
「あっ、総悟……さん……んっ……」
「桃花ちゃんの全部が可愛くて堪らない」
総悟が口づけと共に身体を動すと、桃花が腰を捩じると同時にシーツをぎゅっと手で掴むと、室内に衣擦れの音が響いた。
何度も何度も愛撫され口づけられている内に、彼女の肌はどんどん上気していく。
まだ触れられているだけなのに、快楽が強くて何度か意識がどこかに飛んでしまいそうだった。
「……君の全てに価値があるんだって、教えてあげたい」
総悟の掌が桃花の少しだけ膨らんだ乳房を包みこむと、ゆっくりと捏ね始めた。彼の指が柔肉に沈みこんでは弾む度に、女性の芯が疼いた。
「ひゃんっ、あっ、あっ……」
「ああ、感度がすごく良いのか、ここも硬くしてすごく可愛いね」
「え? あっ……総悟さん……ああンっ……」
彼の指がすっかり硬くなってしまった突起を摘まむと弄りはじめる。
「あっ、ひゃあっ、んんっ……」
「反応が可愛いくて堪らないな」
彼の顔が近づいてきたかと思うと、突起をパクリと食んだ。
分厚い舌先がチロチロと先端を弄りはじめると、桃花は快楽に耐えきれなくなって、逃れようと腰を捩じろうとする。だが、彼女の両脚の間には彼の逞しい胸板が挟まっており、どこかに快楽を逃がすなんてことはできなかった。
彼の顔がちょうど見えてしまって、官能的な舌先が嘗め回しているのを目の当たりにして、彼女は卒倒しそうだった。
「あっ……いやっ、総悟さんっ、そんな……しないで……」
すると、ちゅぱっと音が立って、総悟の唇が離れた。
そうして、彼が少年のようにイタズラっぽく笑んでくる。
「だって桃花ちゃんが気持ち良さそうだからさ……まあ、そんなに言うなら別の場所にするから……」
総悟はそう言うと、今度は彼女の腹部に口づけた。
そのまま唇は下腹へと向かい……
夢見心地だった桃花はそこでハッとした。
「待ってください、副社長、そこは……! ひゃあっ……!」
「総悟さんって呼んでくれないから、言うこと聞かない」
彼の指が花弁を開くと潤った蜜口が露わになる。
お風呂の時にしか触れないような場所を、総悟に覗かれているだけでも恥ずかしいというのに……
彼の舌が狭穴へとねじ込まれた。
「総悟さ……ああっ……んんっ……」
彼の舌先が紅く肥大した粘膜の上を這いずると、全身が縮こまって爪先にぎゅっと力がこもる。
与えられる快楽によって、あられもない量の蜜が溢れてシーツへと零れていく。桃花はそのまま全身が蕩けてしまいそうな錯覚に陥った。
「ひゃあんっ……はっ、あ……」
蜜を舐り啜り上げる卑猥な水音が室内で奏でられる。
どれぐらいの時間が経っただろうか?
総悟によって全身の隅々まで愛撫され、桃花はすっかり息が上がってのぼせ上ってしまっていた。
すると、彼が感極まった調子で呟く。
「誰かを悦ばせるのがこんなにも幸せなことだったなんて……」
総悟が本当に幸福を噛みしめるように告げるものだから、桃花の胸にも幸せが広がっていく。
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