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本編
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しおりを挟む「きゃあっ……」
あまりにも勢いが良くて、採取することが出来なかった――!
しかも――
頬や髪にべっとりと着いた白濁液がぽたぽたと流れ落ちていく。
「うう……ご、ごめんなさい……兄さま……顔で受け止めてしまいました……」
「リーリア、すまない!」
慌てて近くにあった白布で顔を拭かれた。
「こちらこそ悪かった……それで、取れたのか?」
「ええっと……その……ごめんなさい……大事な成分が飛んでいってしまいました……」
シュンと俯いていると、優しい手つきで頭を撫でられた。
「リーリア、気にするな……それよりも、お前の可愛い顔を汚してしまったな、こちらの方こそ悪かった……」
「いいえ、大丈夫です、私の方こそ、ごめんなさい……」
「大丈夫だ、あと何回かは同じことができるから」
「そうなんですね! すごい!」
すると、アーサー兄さまが極上の笑みを浮かべてくる。
「リーリア……俺はお前がそばにいさえすれば、どれだけだってできる」
「アーサー兄さま……きっと兄さまなら何だってできると信じています……!」
二人の間に和やかな雰囲気が流れはじめる。
「以前見た時は一度だけでしたから!」
「……なに……!?」
アーサー兄さまが衝撃を受けて固まってしまっている。
(魔獣は一度精液を吐き出すと動かなくなることが多かったのだけど、おかしなことを言ってしまった……?)
「いいや、もう一度だ、リーリア」
「はい」
そうして、二度目の採取に挑んだのだった。
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