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 そうして、彼も浴衣を脱ぎ捨てはじめる。
 喧嘩で負け知らずと言われた彼の肉体美に驚かされる。
 まるで彫像のように整った体躯、均整の取れた筋肉は張りがある。
 無駄のない体つきだ。

(一見すると細見なのに筋肉質なのね……)

 そうして、背に移るのは――竜と虎の刺青。
 青と赤のコントラストが美しい、
 部屋のランプに照らされ、彼の背に映る獣たちがやけに妖艶だ。
 思わず、彼の背にしがみついてしまう。
 そうして、ちゅっと口づけた。

「お嬢、ありがとうな……」

 そうして、彼に手首を掴まれたかと思ったら、布団の上にふわりと組み敷かれる。

「あ……」

 体の上に跨る彼の瞳は、いつも以上にぎらついていた。

 彼の顔が近づいてきたかと思うと、唇を唇で塞がれる。
 柔らかなそれが重なってしばらくすると、ざらりとした舌が、唇を割って中に入ってきた。
 舌に歯列をなぞられると、ぞくぞくした感覚が走っていく。
 そのまま私の舌に、彼の舌が絡んでくる。
 
「……んんっ……ああっ……はふ……」

 舌同士がくちゅくちゅと激しく絡み合う。
 互いの唾液が交じり合い、口の端から流れていく。

「ふあ、あ……何、これ?」

「ああ、感じてる顔は女だな……」

 相手のうっとりとした声音に、それだけでも全身に震えが走ってくる。
 そのまま彼の口が、私の乳首に移動してきた。
 先端がべとべとになるまで、何度もちろちろと犯され続ける。

「ふあっ、胸っ……やあっ……ああっ……」
 
「ここも感じやすいみたいで、何よりだな……」

 彼の大きすぎる手が、もう片方の乳房を包みこんできた。
 普段の粗野さはどこへやら、やたらと柔らかな愛撫が続く。

「ふあっ、ああっ、あっ、はあっ……」

 両方の刺激で、どんどん息が上がっていく。
 脚の間からじわりと何かが溢れてきて、恥ずかしくて仕方がない。
 両脚をもじもじさせている間に、貴彬さんの顔が這いずっていく。
 
 そうして――。

「きゃっ……!」

 閉じていた両脚をガバリと左右に開かれてしまう。

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