【R18】野獣なヤクザはストーカー

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　そうして、私は女子大生になった。
　組の黒くて長い車じゃ目立つ。
　正直、ヤクザだなんてばれたら同級生の間では浮いてしまう。
　平穏な学生ライフを楽しみたかった私は、いつものリムジンでの迎えを拒んだ。
　だけど、それは失敗だった。
　ちょうど組同士は抗争真っただ中だったのだ。
　組の立場まで頭がまわってなかった私は、周りに迷惑をかけてしまうことになる。
　
　なんと……。
　
　敵対していた虎狼組ころうぐみの幹部陣に、私は拉致誘拐されてしまったのだ。
　迂闊なことをしたと後悔していたら……。

「お嬢！　無事か！？」

「貴彬さん！」

　やけに来るのが早いと敵は嘆いていた。
　銃撃戦がはじまる中、敵の幹部を瞬く間にのしながら、颯爽と助けに来てくれた彼。

(まるで王子様……)

　そうして、私のことをぎゅっと抱きしめてくれた。

「心配かけさせんなよ……」

「ごめんなさい……怪我はしていない？」

「お嬢が無事なら、なんてこたぁねえよ……」

　だけど、流れ弾に当たっていたのか、貴彬さんの額から血が流れ始める。

「……止血しなきゃ……！」

　一応、大学では医学を学んでいる身だ。
　お気に入りのワンピースの裾を手で裂いて、完全に清潔かは分からなかったが、布で直接止血した。

「死なないで、貴彬さん！」

「こんぐらいじゃあ、死なねぇよ、お嬢……」

　そうは言いつつも意識が朦朧とする彼の姿。

「死なないで……好きなの……好きなんだから！」

　そう、この時、私は彼に対して恋している自分を自覚したのだった。