【R18】野獣なヤクザはストーカー

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　幼い頃、交通事故で両親が亡くなって以来、祖父に育てられることになった。
　おじいちゃんは、清龍組せいりゅうぐみ組長。
　孫の私は「美弥子みやこ様」とか「お嬢」と呼ばれ、ずっとおじいちゃんと仲間の組員達に蝶よ花よと育てられてきた。
　ちょっと怖い顔の人やスキンヘッドの人、ガラの悪そうな人たちが多いけれど、皆情に厚くて優しい。
　そんな組員の中でも一目置かれているのが、貴彬たかあきさん。
　私よりも十歳年上だ。
　日本人離れした高い鼻、凛々しい眉に、すっと通った瞳、薄い唇。
　最近は若い者に舐められまいと、少しだけ顎髭なんか生やしている。
　黒髪をかき上げる仕草は本当にモデルのようだ。
　他の組員たちからは「あいつは眠れる狂犬だ」「喧嘩が強くてヤバイ」「痺れるぐらいカッコいい」「LINEの使い方がマジでエモい」とか言われているけれど――。
　私にとっては、ずっと昔から優しくて、だけどちょっぴり意地悪な十歳年上のお兄さんだ。

「ほらほら、お嬢、大人を舐めなさんなよ。舐めるなら飴にしとけよ、ほら」

「もう、子ども扱いしないで……！」

　毎日送り迎えや買い物でもボディガード代わりに一緒にいてくれる彼。
　だけど、いつも子ども扱いしかされなくて、彼のことがずっと好きな私としては、ほんのちょっと不満だった。

(いつか振り向かせて見せる)

　そんなある時、ちょっとした事件が起こった。