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本編
20※
しおりを挟む「好きじゃないと、わざわざ馬に乗って執務放り出して、助けに行くわけないだろう?」
好き。
なんだか嬉しくなってくる。
「だったら、好きって言ってくれたなら、痛いのを我慢します!」
「仕方ないなぁ、好きだよ」
「愛がこもってません」
「じゃあ、これでどうだ? 俺は一輪の花しか欲しくない――お前だけが俺の後宮に咲く一輪の花――唯一の妃だ。愛している」
口説き文句に頬が火照ってくる。
「……ゆ、許します」
「どうも……。じゃあ、この前は気を失ったけど、今日は頑張ってくれよ――俺かシーツにしがみつく」
促されて、彼の逞しい背に手を回した。
痛いのは怖いけれど、私のことを好きだという陛下の想いに応えたい。
そうして、改めて彼の先端が蜜口を穿ってきた。
初めて感じる熱さと重量に圧倒されてしまう。
「あっ……くっ……」
「ほら、大丈夫だ。力を抜いてごらん――今まで散々ならしてきたんだから、俺のは大きいけど入るから――すぐ終わる」
「んんっ……」
彼の言った通り、痛みは一瞬だった。
下腹部に圧迫感はあるものの、彼で充たされているのだと満ち足りた気持ちになる。
一度ぎゅっと抱きしめ合った。
「ああ、長い間、待っただけある……中がすごく気持ちが良いなぁ――ああ、マリーは痛くないかな?」
「一瞬痛かったけど、痛くないです! さすが上手ですね!」
「どうも。初めてなのに上手とか分かるの? 反応が相変わらず面白いなぁ」
彼が何度も愛おしそうに頬に口づけてくる。
とても大事にされていることが分かる動作の数々に、どんどん幸福感が高まっていく。
ぐちゅんと繋がり合った場所から水音が立ち込めた。
「ウルフ陛下は、本当に私に絞って良いんですか? 確かにチャラチャラしていますけれど、もっと、よりどりみどりですよ」
すると、彼がふっと微笑んだ。
「良いんだよ、俺はお前が気に入ってるんだから。よし、待ちきれないから動くぞ」
「ひゃあっ……! せっかちです!」
彼が腰を揺らしはじめた。
大きな彼の樹木の根に揺さぶられると甘ったるい声が漏れ出る。
「あっ、ふあっ、あんっ、あっ、あっ……」
「ああ、感度良いなぁ……ぎゅうぎゅうに締め付けてくるね」
彼が揺れ動くと肉壁を擦られて、全身に快感が走っていく。
「あっ、あっ、気持ち良いですっ……」
「本当? それなら良かった」
蜜口からじゅぶじゅぶと蜜が溢れた。
彼の揺らぎが増してくる。
痛みなどどこかに消えてしまって、ただただ陛下からの愛に揺さぶられて、なんだか激しいのに心は揺り篭の中にいるみたいに幸せだった。
「ああ、すごく気持ちよさそうな顔しているね。俺もすごく気持ちが良い」
「良かったっ……んっ……」
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