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「サンディ」
名も知らぬ美青年が耳元で囁いてくる。
「ほら、僕が君の初恋の王子様じゃないかな?」
心臓がトクンと跳ねる。
本当にそうなら良かったのに――。
優しい嘘をついてくる相手に対して、今まで辛い想いをしてきた心が浄化されるようだ。
「なんて優しい、まるで本当に初恋の王子様のようで……」
すごく幸せな気持ちになってきて、彼に身を委ねたい気持ちになった。
けれど違う人だ。
その時――。
「皆いなくなったけど、絶対に生き延びよう」
「え……?」
「何があっても迎えに行くから、頑張って生きていて」
彼の言葉に身体が歓喜で震える。
「まさか……本当に貴方が、私の初恋の王子様……?」
彼がそっと羽根のついた仮面を外した。
相手の顔立ちはすごく綺麗で――昔の優しい面立ちを残した、とっても綺麗な美青年だった。
「そうだよ、サンディ。君の本心を聞くのが怖くて……すまなかった」
しばらく涙を流す私を彼がぎゅっと抱きしめてくる。
「ずっと君との約束を果たしたかった。迎えに来るのが遅くなってすまない」
胸がじんわりと温かくなっていく。
「私の方こそ、ずっと会いたかったです……!」
名も知らぬ美青年が耳元で囁いてくる。
「ほら、僕が君の初恋の王子様じゃないかな?」
心臓がトクンと跳ねる。
本当にそうなら良かったのに――。
優しい嘘をついてくる相手に対して、今まで辛い想いをしてきた心が浄化されるようだ。
「なんて優しい、まるで本当に初恋の王子様のようで……」
すごく幸せな気持ちになってきて、彼に身を委ねたい気持ちになった。
けれど違う人だ。
その時――。
「皆いなくなったけど、絶対に生き延びよう」
「え……?」
「何があっても迎えに行くから、頑張って生きていて」
彼の言葉に身体が歓喜で震える。
「まさか……本当に貴方が、私の初恋の王子様……?」
彼がそっと羽根のついた仮面を外した。
相手の顔立ちはすごく綺麗で――昔の優しい面立ちを残した、とっても綺麗な美青年だった。
「そうだよ、サンディ。君の本心を聞くのが怖くて……すまなかった」
しばらく涙を流す私を彼がぎゅっと抱きしめてくる。
「ずっと君との約束を果たしたかった。迎えに来るのが遅くなってすまない」
胸がじんわりと温かくなっていく。
「私の方こそ、ずっと会いたかったです……!」
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