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ハネムーン後の物語「隠し子騒動?」
12※
しおりを挟むそれだけ言ったかと思うと、彼が抽送運動をはじめた。
「あっ、あ……ギルっ……あっ……」
「ルイーズ……お前の中はいつも気持ちが良いな……」
「あっ、あん……あっ、あ……いつも以上に奥に当たってる……」
臀部に彼の下腹がぶつかっては跳ね返り、ぱちゅんぱちゅんと淫らな音が鳴った。
ギシギシとベッドが軋む。
ランプの明かりでできた自分たちの影が、まさしく獣のように折り重なって前後に揺らめく。
抜き差しを繰り返され、肉壁に肉棒が擦れると否応なしに全身に快感が駆け抜けていく。
「あっ、ギルっ、あ、あ……気持ち良いの……」
「ルイーズ……っ……」
いついかなる時もスマートなギルフォードだが……
(普段はあんなに余裕そうなのに、こんなに余裕がないギルは初めてかも……)
なぜだか妙に嬉しくてたまらない。
だが、次第にそんなことさえ考えられなくなっていく。
腰を掴まれたまま何度も恥骨がぶつかってきて、どんどん快楽に身を委ねるだけになっていく。
自白剤のせいだろう。
大胆な発言が増えていく。
「すごい、奥まで当たって気持ち良い……ギルっ、好き、もっと……私の中に入ってきて……」
「ルイーズ、俺もだ、もっとお前の中に深く潜りたい……」
「ギルっ……貴方が足りないの……もっと、もっと深くに来て……」
そうして、頭の中が快楽に支配されてしまった頃、相手の熱棒が律動をはじめる。
「ルイーズ……出すぞ……」
「来て、ギル……」
ひときわ強く、彼の下腹と私の臀部がぶつかった。
ものすごい熱をもった白濁液が、下腹の中で奔流する。
「ああっ……――!」
絶頂を迎えた私の身体をギルフォードが逞しい腕で抱き寄せてきた。
二人して寝っ転がる。
呼吸を整え、何も喋れないぐらいぐったりと疲れていたが、どうしても正直な気持ちを伝えてくて、彼に向かって声をかける。
「ギル……今日も気持ち良かったわ……」
「そうか、それなら良かった」
ちょうど私の頭の上にあるギルフォードの頭がもぞりと動いた。腰をぎゅっと抱きしめられると、ますます幸福な気持ちが高まっていく。
だけど、ちゃんと謝らないといけない。
「ごめんなさい、ギル……おかしな疑いをかけちゃって……」
「いいや、俺も噂話を適当に流しちまったせいもある、ルイーズのせいじゃない」
彼が首筋の顔を埋めてくると、きゅうと再び女性の芯が疼く。両脚をもぞりと動かすと、彼の長い両脚が絡みついてきた。
「お互いが好きっていうだけでこんなにも気持ちが良いのね……てっきり他の女性にも似たような行為をしているからなのかなって、ずっと勘違いしちゃってたわ……」
すると、ギルフォードが喜色交じりの声音で告げる。
「結構前からずっとイメージしてたんだ」
「イメージ……?」
「そうだ、馬術だろうが、武術だろうが、一緒だろう……だから……元々――」
そこまでいうと、ギルフォードが口を噤んだ。
「ギル?」
「いいや、今のはなしだ、忘れてくれ……」
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