【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者

おうぎまちこ(あきたこまち)

文字の大きさ
上 下
44 / 71
ハネムーン前日譚

7※

しおりを挟む
「ギル、本当?」

 ギルフォードがちゅっと口づけてくる。

「もちろん本当だよ……。俺はそもそも嘘を吐くのが苦手だしな……。ほら、挿れるぞ……喋ったら舌を噛むからな」

 そう言うと、彼の熱棒が肉壁の中にじゅぶじゅぶと沈み込んできた。
 久しぶりに彼の圧を感じると、なんだか嬉しくなってきた。
 私が全てを飲み込んだ後、彼が腰を揺らしはじめる。
 媚薬を飲んでいるせいだろうか、いつもより揺さぶりが強い錯覚に陥った。

「ふあっ、ああっ、あっ……」

「ルイーズ、久しぶりだな……ああ、お前の中はどれだけだって飽きたりねぇ……」

 彼に見下ろされると、落ち着かない。
 ぐちゅぐちゅと抜き差しを続けられた。

「あっ、ギル、奥まで当たって……あっ、やっ、あっ、あんっ……」

 いつも以上に深い位置にぶつかってくる上に、媚薬のせいで快楽が強い。
 激しくベッドがぎしぎしと軋んだ。
 淫秘な水音が立ち込める中、ぱちゅぱちゅと肌がぶつかり合う。
 次第に、肉壁でしめつけられた獣が、内側で苦し気に蠢きはじめる。

「ああ、もう限界だ、ルイーズ」

「ギル、来てっ……――!」

 彼の逞しい二の腕をぎゅっと掴んだ。
 彼が精を吐き出すのを全て受け入れると、久しぶりの高揚感に包み込まれた。
 二人して果てる。
 結合部から、どろりと愛し合った後の液が溢れ出した。
 疲れを知らないギルフォードが、ぐいっと寝ころぶ私の身体を抱き上げる。

「相変わらず、お前は最高だ、ルイーズ……」

「ギル……」

 汗ばんだ肌同士が吸い付き合った。

「さて、次に移るぞ」

「えっ……きゃっ……ギルっ、待って、あっ、あっ、あっ……」

「待つのは苦手だって言っただろう?」

 今度は下から突き上げられる。

「ひゃあっ、あっ、あっ……――」

 結局、薬が抜けたのは朝方で――それまで、延々と行為は続いたのだった。



※※※



 翌朝、少しだけ眠りに就いていたようだ。
 はっと目を覚ますと、真っ先にギルフォードの蒼い瞳が目に入った。

「おはよう、ルイーズ」

 彼に腕枕をされていることに気づく。

「おはよう、ギル……」

 ちゅっと額に口づけられ、心臓がドキンと跳ねた。

「もう薬は抜けたか?」

「うん、大丈夫みたい」

 改めて彼に告げる。

「ごめんなさい、ギル。まだ貴方と違って大人になりきれないところがあって……すぐに感情的になっちゃう……」

 彼の頬にそっと手を当て続けた。

「だけど、ちゃんと貴方の奥さんになりたいの。だから、これからも喧嘩しちゃうかもしれないけれど、よろしくね」

 ふんわり笑うと、ギルフォードも口の端を上げた。

「お前のことは、充分承知だよ――妻になってくれて、俺の方こそ感謝している。これからは不安になったら教えてくれよ。贈り物を送るだけじゃなくて……お前が嫌になるぐらい、愛の言葉を並べてやるから」

 子どもの頃に比べ、大人になった彼を見ていると嬉しくなる。

「ありがとう、ギル」

 ふと、気になったことを尋ねる。

「そういえば……なんでギルはすぐに薬が抜けたの?」

「さあ、どうだろうな? 普段から身体を鍛えているからじゃないか?」

 答えになってない気がしたが納得することにした。

「私も身体を鍛えようかしら?」

「お前ん家の両親みたいに、毎朝一緒に散歩するか?」

「それは鍛える内に入るの?」

「どうだろうな?」

 ギルフォードが蕩けるような笑みを浮かべてくる。


「まあ、俺はお前と一緒に居れるなら、結局何でも良いんだよ――新婚旅行も楽しみだよ、愛してる。ルイーズ」


 こうして、媚薬事件を乗り越えたギルフォードと私はまた本当の夫婦に近付けたのだった。


 後日……マダムモリスンは甥っ子からこってり絞られることになる。




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました

相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。 ――男らしい? ゴリラ? クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。 デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...