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しおりを挟むどうやらさっきの話を蒸し返されていると気づく。
「さ、先ほどのことは忘れてください!!」
顔を真っ赤にしながら返す。
「……もしかして、俺が君の胸を大きくするための手伝いをするって勘違いしたのかな?」
「――っ……!」
完全なる図星だ。
恥ずかしすぎて反論もできず俯いてしまう。
「なんて……いくら君を元気づけたいからって、こんなセクハラ発言してたんじゃあ、君に嫌われちゃうかな……って、あれ? 冗談で言ったんだけど……図星だった……?」
ブライアン団長は、どうやら私の勘違いに気付いてしまったようだ。
ぽりぽりと頬を指でかいていた。
(恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい……!)
なんとなく気まずい空気をどうにかしたくて、思わず早口で喋ってしまう。
「胸を大きくするには揉んだ方が良いと聞いたことがあって、それでそのことで頭がいっぱいになってしまって、手練手管に長けた団長に胸を揉まれたら大きくなるのかなとか思ったわけでは断じてなく……!」
「そんなに断定されると傷つくんだけど……」
「いいえ、その、ちょっとは『団長の手で揉んでもらえたら大きくなるのかな?』とか思ってしまって……!」
「やっぱり思ったの?」
「え? あ? あ……う……」
発言しながら頭がぐるぐるになっていく。
失態に失態を重ねるような発言をしてしまい、もう消え入りたくなってしまった……
(まずいこのままだと……)
なんとか正気に戻ると、きっぱりと謝った。
「おかしな質問をして申し訳ございませんでした。ジェイクに振られたのは仕事とは無関係ですし、気にしないでください。それでは……」
そうして――くるりと踵を返す。
彼がおいた私の眼鏡と紐を取り返さないと――
そう思って、机に手を伸ばそうとしたところ――
「キティ」
――突然。
ふわり。
「あ……」
背後からブライアン団長に抱きしめられてしまっていたのだ。
彼の顔が私の項にうずもれてきて、吐息がかかって、くすぐったくて落ち着かない。
「だ、団長……!」
「キティ、俺に触れられるのは嫌かな?」
「え?」
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