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第17話 2人を繋ぐ1on1 side瀬戸

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「あ……」


 ――なぜかそこには、ニヤニヤしている山城達、バスケ仲間と――。


「加賀美……百合……なんで……」


 目の前には――全身真っ赤になっている加賀美百合の姿があった。

「瀬戸先輩……」

 嘘だろ、今の聞かれて……!

 けれど、一度聞かれた言葉は撤回出来ない。

 覚悟を決めるしかない。

「加賀美百合、俺は……!」

 彼女に詰め寄ろうとした、その時――。


「ちょうど6人いるし……百合ちゃんをかけて、今度は3on3だ!!」

 
 山城がそんなことを言いはじめた。

「瀬戸と久しぶりにバスケとか楽しみだな!」

「ああ、ずっと待ってたんだぜ、お前が帰ってくるのをさ!」

「あの時の瀬戸よりも、俺の方がうまくなってるってとこを見せてやる!」

 バスケ仲間達も嬉しそうに俺に話しかけてきた。

 俺のせいで色々あったはずなのに――。

 皆、ずっと俺よりも大人だな……。

 俺が立ち直るのをずっと待っててくれたんだ。

 目頭が熱くなってくる……。

 唇が戦慄く。

 なんとか必死に声を振り絞った。


「本当に……ごめん」


 小さすぎて、皆には聞えなかったかもしれないけれど――。


「弱気な瀬戸とか、らしくないって! ね、百合ちゃん」

「え? 瀬戸先輩は、わりとこんな感じなところありますよね……」


 そんなことを加賀美百合が言うから、皆がまたもや囃し立てはじめた。

 誤魔化すように、俺は叫んだ。
 


「ああ、お前達が待ってたって言うんなら、仕方ねえな!!」


 そうして――色んな事を乗り越えた俺は――加賀美百合と初めて出会ったバスケットコートで、皆と一緒にまたバスケをして過ごすことが出来たんだ。


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