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おまけ③※

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 そうこうしていると、両脚の下にいる彼の頭がもぞもぞと動くと、ひょこりとモグラのように顔を出してきた。
 一瞬だけにやついて見えたが、気のせいのようで……いつものキリリとした真顔だ。
 都合よくスカートの中から両手も出してきた。

「メイベル、まだ鍛錬が足りないようだな」

「ギアス、隙ありですわ!」

 そうして、彼の両手を掴むとリボンで勢いよく拘束する。
 彼に子どもの頃に教わった結び方だ。硬くて大人でも解けないから、誘拐された時に紐が落ちていて、相手に隙ができた際に縛れと教わった。

「メイベル、何をする!」

「イタズラの仕返しです」

「何を言って……」

 そうして、彼の両脚の間、熱くて硬くなった男根を下衣の上から優しく撫でた。

「ふふ、先ほどのお返しです」

 彼の下衣をくつろげると、そそり立つ熱塊を直接撫でてやる。
 すると、ギアスが懊悩な声を上げ、先端から先走りの雫が溢れ出す。

「今度は私の番ですわ、覚悟してくださいませ。あなたが苦手だと教えてくださったアレを致します」

「メイベル……」

 私の名を呼ぶと、ギアスは覚悟を決めたのか硬く目を閉じる。

「俺の負けだ、お前の自由にすると良い」

 触れようとすると、びくんと生き物のように跳ね動く男根の付け根を手で持つと、そっと先端を口に食んだ。

「……っ……」

「はふ、んん、むぐ、んんっ……」

 そうして、彼がやたらと嫌だと強調していたのを思い出し、溢れる雫を舌でぺろぺろと舐めてみせると苦かった。

(なんだかあっさり拘束されたような気もするけれど、気のせいかしら? とはいえ、今回は私の勝利です)

 そのまま口と手を使って相手の男根を扱く。

「くっ、メイベル……っ」

「ぎあふ、あなたの、ほほろのこえふぁ、てにとるようにわふぁります」

 きっと屈辱に心を歪めているに違いない。
 私は勝利の余韻にひたりながら、ギアスに嫌がらせを働いて、彼を悔しがらせているつもりだったが……
 近くに設置してあった鏡に映る彼の横顔が愉悦で歪んでいて、彼の心の声が歓喜に満ちていたことに、その時はまだ気づけていなかったのだった。


(おしまい)
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