【R18】寡黙で不愛想な婚約者の心の声はケダモノ

おうぎまちこ(あきたこまち)

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20※(アルファポリス版)

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「メイベル、俺はお前を妻に娶る気だ。その気持ちに偽りはない」

「あ……」

「お前の護衛をしている子どもの頃からずっと、俺はお前のことだけを愛している」

 断言されると嬉しくなって胸が歓喜に打ち震える。
 まるで胸の中で大輪のバラが咲いたようだった。

「私もです、ギアス、昔からずっと……!」

 両想いだったことが分かり、嬉しくてお互い口づけを何度も何度も交し合う。

「さて、メイベル、誤解は解けたようで良かった。だが、まだ俺たちは婚約者同士だ。だから……」
「はい、ギアス、覚悟は決まっています、だから……」

 思いがけず二人の言葉が重なった。
 そうして、彼よりも先に私が問いかける。

「わたしたち、婚約者同士らしいことをするのでしょう、ギアス?」

 すると、ギアスが石化したように動かなくなった。

『婚約者同士……? 婚約者同士の続きをして良いというのか……!? つまり俺は今からメイベルとあんなことやこんなことを……!』

 彼の心の声は歓喜に打ち震えていた。

「お辛いのなら、どうか、ご自身を解放されてください」

 石化が解けた彼がキリリとした表情で答えてくる。

「お前がそこまでいうのなら覚悟を決めよう」

「はい」

 冷静に考えると、自分から彼を誘惑するような発言だったのかもしれない。

(はしたないと思われてしまったかも……)

『メイベルから誘われるなんて最高だ……生きてて良かった……!』

 感動しているようだから、あまり気にしないことにした。

「メイベル」

 そうして、改めてギアスが熱棒を構えた。
 割れ目の間をぬるぬると肉棒が蠢くだけで、びくびくと全身に快感が駆けていく。

「ひゃあっ、あ……」

 思わず彼の硬い背に爪を立ててしがみついてしまった。

「ごめんなさい、ギアス……!」

「いいや今更傷が増えたところで気にしていない。それに……良いんだな、メイベル?」

 改めて問われると緊張して落ち着かない。
 けれども決意を胸に、頬が赤らむのを感じながら応える。

「はい……もちろんです……」

「分かった」

 ギアスの空いている方の手と私の手。
 互いの両手を絡め合うと、なんだか婚約者同士だと実感できて幸福感に包み込まれた。

「行くぞ」

「んんっ……!」

 彼が腰を揺らすと、両脚の間に潜んでいた熱棒の先端が狭穴を穿ってくる。
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