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ドクンドクン。
心臓が高鳴った。
夢かもしれないし……せっかくなら、思い切って尋ねてみよう。
「あなたはもしかして、昔よく遊んだ――?」
すると、黒い靄のようなものが揺らぎはじめる。
「何!?」
黒い影が昔のテレビの波みたいにチラつき始めた。
激しく揺れ動いた後、影が次第に輪郭を取り戻しはじめる。
「あ……」
私の目の前に大人の男の人が姿を現した。
「やっと認識してくれた、冷や冷やしたよ」
「ええっと……?」
「くっそ、最高神である俺ともあろうものが、住職のおかしな呪いみたいなもんにかかっちまって、黒い靄にさせられて、祠ごとビルの雑踏に隠されちまったせいで、お前を迎えに行くにも迎えに行けなくなっちまった……! おかげで、俺はお前がおかしな男に引っかからないように、妨害してやるぐらいしかできなかった」
先ほどまで黒い影だった男。
「あげくの果てに、あの住職が、お前が助けてくれて助かったぜ、マジで運が良かった」
少しだけ乱暴な喋り方。
(間違いない、この子は小さい頃によく遊んだ男の子だわ!)
けれども、私は一つだけ納得がいかなくて、男に向かって抗議した。
「っていうか、肉体派のゴツイお兄さんに育ちすぎてない!? もっと可愛い美少年だったのに!」
「しょうがないだろう? どうしてだか、こんな顔に育ったんだよ。最高神なのに自分の容姿も好きに選べないとか、世も末だぜ」
そう、目の前の男の人は、私が小さい頃に遊んだ男の子が大人になった姿で間違いない。
どちらかというと美少女系統だったのに……
短めの黒髪、キリリとした眉、凛々しくてギラギラした瞳、薄い唇、洋画の俳優さんみたいに彫りが深いワイルドイケメンに成長していた。
「ええっと、最高神ってどういうこと?」
「まあ説明は後で良いだろう。とにかく俺は神だ。俺が迎えに行くって言ってたのに、約束を守らなかった罰だ。今日から三日三晩、俺に抱かれ続けてもらう」
「ええっ……!? ひゃっ……!」
「お前が小さい頃の俺を助けてくれた時から、お前のことが好きだった。さあ、三日かけてじっくり俺の愛をお前に分からせてやるよ」
「ひゃっ、ちょっと、待って……!」
その後……
私は最高神と名乗る男によって、三日三晩、愛され続けたのでした。
心臓が高鳴った。
夢かもしれないし……せっかくなら、思い切って尋ねてみよう。
「あなたはもしかして、昔よく遊んだ――?」
すると、黒い靄のようなものが揺らぎはじめる。
「何!?」
黒い影が昔のテレビの波みたいにチラつき始めた。
激しく揺れ動いた後、影が次第に輪郭を取り戻しはじめる。
「あ……」
私の目の前に大人の男の人が姿を現した。
「やっと認識してくれた、冷や冷やしたよ」
「ええっと……?」
「くっそ、最高神である俺ともあろうものが、住職のおかしな呪いみたいなもんにかかっちまって、黒い靄にさせられて、祠ごとビルの雑踏に隠されちまったせいで、お前を迎えに行くにも迎えに行けなくなっちまった……! おかげで、俺はお前がおかしな男に引っかからないように、妨害してやるぐらいしかできなかった」
先ほどまで黒い影だった男。
「あげくの果てに、あの住職が、お前が助けてくれて助かったぜ、マジで運が良かった」
少しだけ乱暴な喋り方。
(間違いない、この子は小さい頃によく遊んだ男の子だわ!)
けれども、私は一つだけ納得がいかなくて、男に向かって抗議した。
「っていうか、肉体派のゴツイお兄さんに育ちすぎてない!? もっと可愛い美少年だったのに!」
「しょうがないだろう? どうしてだか、こんな顔に育ったんだよ。最高神なのに自分の容姿も好きに選べないとか、世も末だぜ」
そう、目の前の男の人は、私が小さい頃に遊んだ男の子が大人になった姿で間違いない。
どちらかというと美少女系統だったのに……
短めの黒髪、キリリとした眉、凛々しくてギラギラした瞳、薄い唇、洋画の俳優さんみたいに彫りが深いワイルドイケメンに成長していた。
「ええっと、最高神ってどういうこと?」
「まあ説明は後で良いだろう。とにかく俺は神だ。俺が迎えに行くって言ってたのに、約束を守らなかった罰だ。今日から三日三晩、俺に抱かれ続けてもらう」
「ええっ……!? ひゃっ……!」
「お前が小さい頃の俺を助けてくれた時から、お前のことが好きだった。さあ、三日かけてじっくり俺の愛をお前に分からせてやるよ」
「ひゃっ、ちょっと、待って……!」
その後……
私は最高神と名乗る男によって、三日三晩、愛され続けたのでした。
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