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生意気な辺境伯は赤ずきんちゃんがお好き――追放されたら、狼じゃなくて悪魔伯に溺愛されました――

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「ねえ、ルージュ、ちょっとだけ動いて、中に出して良い?」

 なんだかよく分からなかったが、こくこくと頷いた。
 すると、彼がゆっくりとした動作で抜き差しをはじめる。

「ひあっ、あ、あ……!」

 ぬちゅん、ぐちゅんと粘膜同士が擦れ合って、なんだか気持ちが良かった。

「声、気持ちよさそうで、可愛いじゃん」

 そのまま彼は抽送運動を続ける。
 ただただ気持ちが良くて、彼の動きに身体を任せる。
 じゅぶん、じゅぶんと結合部から音が鳴り響く。
 時折肌同士が触れ合って、ぱちゅんぱちゅんと音を鳴らした。

「ああ、出そう。受け止めてくれる……?」

 だんだんと頭が白んでくる。
 私は、汗に濡れた彼の背に手を添わせた。
 花道の中で、どくんどくんと、彼の猛りが命脈をはじめる。

「は、はい……」

「出すよ」

「あっ、あ、ああっ……!」
 
 いつのまにかぐっしょりと汗に濡れていた私の身体に痙攣が走る。
 つま先まで快感が走り抜けていった。
 同時に、灼熱のような精液を一気に子宮目がけて注ぎ込まれる。
 繋がったままの場所からは、互いの血液や愛液や精が交じり合った泡が溢れた。

「ルージュ……」

 彼は一度名を呼ぶと、唇を彼のそれで塞いでくる。

「はあ……なんだろう……すごく幸せだけど、まだ抱き足りないな……」

 私の身体を壊れ物のように大事に抱きしめながら、彼はそう言った。

「まあ、今日は初めてだから、ここまでかな。研究はいち段落ついてきたけどさ……」

 なんだろうと思って、きょとんとしていると――。

「明日からは、俺に毎晩抱かれるのに付き合って、お前はずっと徹夜だよ」

「え……? え……?」

 おどおどする私を見ながら、ヴィオレはくすくすと笑っていたのだった。




※※※




 数週間後。

 廃城へと食料を届けに来た行商人から、継母が偽造硬貨を所持していたといって捕まったことを知った。

(ヴィオレ様が、渡したのは、まさか……)

 彼が私に種明かしをする。

「ルージュが来る少し前だったかな? 城に盗賊が乗り込んできたから、とっちめて、拷問にかけて遊んでたことがあったんだけど、その時にそいつらが置いていったんだよね。ぱっと見では、偽物か本物か分からなかったんだけどさ。君のお母さんも運が悪かったね」

(私、やっぱり悪魔伯爵と結婚したのかな……?)

「そんなことよりも、論文を書き終わったからさ。まだ昼間だけど、良いでしょう……?」

「え? え? 今日も徹夜したばっかり……んんっ……」

 そうして、ヴィオレは私に口づけてくる。

「寝させないって言ったでしょう? ねえ、俺の赤ずきん」


 どうやら――。

 ――追放された赤ずきんは、狼よりも恐ろしい、生意気な悪魔伯爵に目をつけられてしまったようでした。


(おしまい)

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