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生意気な辺境伯は赤ずきんちゃんがお好き――追放されたら、狼じゃなくて悪魔伯に溺愛されました――
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しおりを挟む翌日、ヴィオレ伯に出会ったが、別に普段との態度の違いはなかった。
机に向かうビヴィオレ伯の横顔を黙って見てしまう。
(なんだろう、私だけドキドキしてる……)
そんなことを思っていると――。
「なに? あんまりじろじろ見ないでくれる?」
どうやら彼のことをじろじろ見ているのに気づかれていたらしい。
「あ、ごめんなさい……きゃっ!」
反射的に後退りしてしまい、いつぞやのように書物にぶつかって、私は尻もちをついてしまった。
ヴィオレ伯は、椅子から立ち上がると、私の方に向かって歩いてくる。
「ああ、本当にどんくさいな……」
やはりどんくさいと言われるのは怖かった。
びくんと震えて、身体を縮こませていると――。
「本当、お前って、僕がいないとダメそうだね」
――私のそばに、彼がしゃがみ込んできたかと思うと、いつの間にか抱き寄せられていた。
そうして、私の首に彼の手が伸びてきた。
気づけばまた、彼に唇を塞がれていた。
「んんっ……」
息がもれない程に深く口づけられる。そのまま舌同士が絡み合って、淫秘な水音をくちゅくちゅと立てる。
下腹部がきゅうっと疼いた。
舌を上下にくちゃんくちゃんとかき回され、頭がぼうっとしてくる。
(どうしよう、脚の間がなんだかおかしい……)
脚の間が疼いて仕方がない。
気づけば、彼の手がドレスのリボンに伸びていて――。
そっと開かれた襟口の部分から、侵入した手が、片方の乳房を這う。
「ひゃっ、あっ、んっ」
ひとしきり形を変えられた後、彼の指が硬くなった突起をくにくにと弄りはじめた。
弄られながら、何度も何度も唇を塞がれて、口の中をじゅぶじゅぶと舌に犯される。
唇が離れると、ヴィオレが私に向かってこう言った。
「ねえ、ルージュ……最初に屋敷に招き入れた時のこと、覚えてる?」
「は……あ……えっと……」
「ねえ、ルージュのこと、ずっと俺が養ってあげるからさ……お前は俺に身体で払ってよ」
ヴィオレ伯の笑顔が、あまりにも人ならざるもの――それこそ人を魅了する悪魔のように美しくて……。
私は彼に身を委ねていたのだった。
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