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伯爵、ご令嬢がこちらをみています!
3※
しおりを挟むアンナ嬢が屋敷の中を見て回ると言って、居間から立ち去った後。
彼女をどうするかについて、二人きりになったテオドール様とわたしは、ひそひそと相談をしていた。
「おおかた、また私が金持ちに戻ってきたことを嗅ぎつけてきたんだろう。そういう現金な女なんだ、あの女は……」
ものすごくうんざりした顔をしたテオドール様。
(なんだか可哀想)
夫に同情していたら、ふと、居間の扉が開いていることに気づく。
(あ、扉が半開き。しめよう)
そう思い、椅子から立ち上がって、出入り口に向かおうとしたところ。
「マリア……」
「え……?」
気づけば、テオドール様に後ろから抱きしめられていた。
もつれがちなくすんだ金髪をかき分け、背中にいる彼が、わたしの首筋に顔を埋めてくる。
「せっかく二人だけの時間が出来たのにな……」
すると――。
彼が後ろ手に、わたしの両胸を包んでいた。
「ふぇっ……! テオドール様、ダメです。家事をした後なので、エプロン汚れちゃって……んっ……」
エプロン越しに、胸の上を彼の手がゆっくりと動く。
「んんっ、ん、あっ、んっ、ん……」
好きな人に触れられて、とても気もちが良い。けれど、立ったまま身の置き所がなくて、わたしはもじもじしてしまう。
その時――。
「壁に手をつけ」
メイド時代のくせで、反射で彼の命令にわたしは従っていた。
言われるがまま、近くの壁に両手をつく。
胸を愛撫されたまま、首筋に何度も彼の唇が触れてくる。
時折、首筋の弱い部分を彼の柔らかい唇に吸いあげられて、全身にびくびくと快感が走っていく。
「んっ、ふぅっ、あっ、テオドールさ、まぁ……」
だんだん脚の間にある下着が、じわじわ濡れていくのが自分でも分かってしまい、恥ずかしくてたまらない。
しばらくすると、両胸が彼の手から解放された。
次に、わたしの黒いワンピースのスカートが腰の位置までたくし上げられる。さらに、ぐちゃぐちゃに濡れてしまっていた下着を、膝の位置まで彼の手によってずるりと降ろされてしまった。
「は、恥ずかしい、です……」
多分。テオドール様の目に、わたしのお尻がさらされてしまっている。
恥ずかしくて、どんどん私の頬が紅潮していく。
あげく、私の脚の間からは、どんどん蜜があふれていってしまった。
「恥ずかしがってるお前も、可愛いよ」
「ふぇっ……」
わりと寡黙なテオドール様だけど、時々こういうことを言ってくるので、心臓に悪い。
私がドキドキしていると――。
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