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悲哀の未亡人は、絢爛の皇弟に愛を請われる

3※

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 真剣な蒼い瞳を、彼は私に向けてきた。
 彼の発言に、私は困惑する。

「もう、あなた様に教えることはございません」

 だが、彼は即答した。

「いや、俺はまだ、先生が俺のことをどう思っているのかを聞いちゃいない」

 思わず私が後ろに下がると、腰に机がぶつかる。
 私の身体を挟み込むように、彼が両手を机に置いた。

「リュミエール様? んぅ……」

 気づけば、私は彼に口づけられていた。
 キスだなんて、夫との結婚式の際におこなったのが最後だった気がする。
 口の中に舌を入れられ、そのまま歯列をなぞられる。
 ぞくりとした感覚が背筋を走っていく。

「リュミエール様、おやめください」

 唇を解放された私は、彼を突き飛ばそうとした。けれども、鍛えられた体躯の彼を押しのけるのは難しい。

「先生は、俺のこと好きじゃないのかよ?」

(どういうことなの?)

 混乱する私のスカートの中に、彼の手が侵入してくる。
 太腿を愛撫してくるので、たまらず声をあげた。

「あっ、だめでございます、リュミエール様、あっ、は、あ……」

「ずっとこういうことを先生にしたいって、いつも想像していたんだ」

 彼がまた口づけてくると同時に、彼の指が私の下着の中に侵入してくる。
 そうして、割れ目に指が入り込んできて、ぬるぬると動かしてきた。

「あっ、ん、あっ……んんっ……」

 びくびくと震え続けていると、彼の指が一番敏感なところを摘まんだり、伸ばしたりと弄ってくる。
 彼の指が動くたびに、ぐちゅぐちゅとした音が立った。自分の身体から発されている音だと思うと恥ずかしくて仕方がない。
 刺激を与えられているうちに、これまでに感じたことのない波のような感覚が私を襲う。

「っあ、っあ、リュミエール様、あっ、ダメっ、ダメです、そこは……」

 そして――。

「っ、あっああああっ――――!」

 下半身から頭にかけて突き抜けるような感覚が走っていった。
 そうして、私の身体はしばらくの間ぴくぴくと痙攣を続ける。脚の間がびしょびしょに濡れてしまったのが分かってしまった。
 荒い呼吸を繰り返す私の耳元に、彼が顔を近づけてくる。

「先生の今の表情、いつも以上に綺麗だった」

「リュミエール様……どうしてこんな……」

 どこかで期待してしまう自分がいる。

 だけど、そんな期待を抱いてはいけない。

(私は『薄汚いおばさん』なのよ、リュミエール様を想うことさえおこがましいのに……)


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