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自分
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何個目の質問だろう。小羽は健太の答えを聞き、上機嫌のようだ。
「へぇ、そうなんだ。僕とは全然違うね。でも、僕もこれからそうするよ」
小羽は機嫌良さげに首を振っている。
暫く振り続けていた首を、小羽はぴたりと止めた。視線を右手に嵌めた安物の腕時計に向けた。
「…後、一時間ぐらいか」
床を見詰めていた健太は、小羽に視線を向けた。
「…おい、質問に五回答えたぞ!約束しただろ!さっさと教えろよ!」
健太は怒っているようだ。小羽は五個の質問に健太が答える度、事件の情報を教えると約束ノートに書き、それを実行していた。
「もう、五回目?時間が経つのは早いな。約束だもんね。教えるね」
小羽はにんまりと笑った。
「それでは発表するね。約束ノートに纏わる事件に、沢尻は関与してないよ」
健太は思考が一瞬停止した。そして、沈黙した後に叫んだ。
「…どういう事だ!?」
「んっ?言葉通りだよ。沢尻は、田島遥と幹和也を殺した犯人でもないし、健太君に約束ノートを送った人間でもないよ」
小羽はにたっとした笑顔を健太に向けている。健太の反応を楽しんでいるようだ。
「じゃあ、誰なんだよ!?遥ちゃんと和也を殺した犯人は誰だよ!?」
健太は体を拘束するロープをさらにめり込ませ、雄叫びに近い叫び声を上げた。
小羽は口を尖らせ、右手の人差し指を突き立てた。
「五個の質問で得られる情報は一個までだよ」
健太は額に青筋を立て、体を激しく動かした。
「なら、早く次の質問をしろよ!?」
「じゃあ、次の質問ね。健太君は…もう質問はないな」
小羽は両手で×のマークを作った。
「なっ!?なんでだよ!早く質問しろよ!」
「もう、聞きたい事は聞いちゃったんだ。健太君みたいに行動すれば、これで僕も霞ちゃんの運命の人になれるよね」
「へぇ、そうなんだ。僕とは全然違うね。でも、僕もこれからそうするよ」
小羽は機嫌良さげに首を振っている。
暫く振り続けていた首を、小羽はぴたりと止めた。視線を右手に嵌めた安物の腕時計に向けた。
「…後、一時間ぐらいか」
床を見詰めていた健太は、小羽に視線を向けた。
「…おい、質問に五回答えたぞ!約束しただろ!さっさと教えろよ!」
健太は怒っているようだ。小羽は五個の質問に健太が答える度、事件の情報を教えると約束ノートに書き、それを実行していた。
「もう、五回目?時間が経つのは早いな。約束だもんね。教えるね」
小羽はにんまりと笑った。
「それでは発表するね。約束ノートに纏わる事件に、沢尻は関与してないよ」
健太は思考が一瞬停止した。そして、沈黙した後に叫んだ。
「…どういう事だ!?」
「んっ?言葉通りだよ。沢尻は、田島遥と幹和也を殺した犯人でもないし、健太君に約束ノートを送った人間でもないよ」
小羽はにたっとした笑顔を健太に向けている。健太の反応を楽しんでいるようだ。
「じゃあ、誰なんだよ!?遥ちゃんと和也を殺した犯人は誰だよ!?」
健太は体を拘束するロープをさらにめり込ませ、雄叫びに近い叫び声を上げた。
小羽は口を尖らせ、右手の人差し指を突き立てた。
「五個の質問で得られる情報は一個までだよ」
健太は額に青筋を立て、体を激しく動かした。
「なら、早く次の質問をしろよ!?」
「じゃあ、次の質問ね。健太君は…もう質問はないな」
小羽は両手で×のマークを作った。
「なっ!?なんでだよ!早く質問しろよ!」
「もう、聞きたい事は聞いちゃったんだ。健太君みたいに行動すれば、これで僕も霞ちゃんの運命の人になれるよね」
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