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寂れた商店街
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その時フェルドはカウンターに座り、溜息をつきながら一人酒を飲んでいた。顔は見た事はあったが、話すのは初めてだ。
当時ジャンは、この酒場の店主ではなかった。
客として来ていたジャンは、そんなフェルドに話し掛け、その時に恋の悩みを聞いたのだ。そして二人は、その日から親友となった。
「俺はフェルドと初めて話した日に、恋の悩みを聞いた…それで俺は相手にバラの花束をプレゼントすればイチコロだとアドバイスしたんだ」
「…それからどうしたの?」
「フェルドは次の日にバラの花束を買いに行ったんだ…ソフィアの働く花屋まで」
「えっ?」
「そしてフェルドはソフィアから買ったバラの花束を、そのままソフィアにプレゼントしたんだ」
「変なの」
リアンは愛くるしい笑顔を浮かべた。
「変だよな。俺も相手がまさかソフィアだとは思わずにアドバイスしたから、後で聞いてびっくりしたんだ」
「それでそれで」
「その日にフェルドとソフィアは教会に行き、結婚したんだ」
「その日に!?」
当時ジャンは、この酒場の店主ではなかった。
客として来ていたジャンは、そんなフェルドに話し掛け、その時に恋の悩みを聞いたのだ。そして二人は、その日から親友となった。
「俺はフェルドと初めて話した日に、恋の悩みを聞いた…それで俺は相手にバラの花束をプレゼントすればイチコロだとアドバイスしたんだ」
「…それからどうしたの?」
「フェルドは次の日にバラの花束を買いに行ったんだ…ソフィアの働く花屋まで」
「えっ?」
「そしてフェルドはソフィアから買ったバラの花束を、そのままソフィアにプレゼントしたんだ」
「変なの」
リアンは愛くるしい笑顔を浮かべた。
「変だよな。俺も相手がまさかソフィアだとは思わずにアドバイスしたから、後で聞いてびっくりしたんだ」
「それでそれで」
「その日にフェルドとソフィアは教会に行き、結婚したんだ」
「その日に!?」
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