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目撃
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「…う、うう嘘じゃない、俺は茜の…元彼なんだ」
「黙れ!」
男が口にする真実の言葉を信じない夢山は、男の口の中に右手を突っ込んだ。
「んぐぅぅ!」
夢山に掴まれた男の舌が、巨大ななめくじのように口から顔を出した。
「夢山、そのまま引っこ抜いちゃって」
茜は凄まじい剣幕で、男の舌を見詰めている。
夢山は力の限り、引っ張った。しかし、舌は伸びるだけで千切れる気配はない。そして夢山は、だらりと伸びた男の舌から手を離した。
男は苦悶に歪んだ顔で、事切れていた。ショック死なのか、舌が気管を塞ぎ窒息したのか定かではないが、男はその短い人生に終止符を打った。
「…茜ちゃん、死んだよ」
肩で息をしながら、夢山は悲しげな顔を浮かべている。
「死んだね。夢山ありがとう」
茜は息絶えた男の顔を赤いヒールで踏み付け、夢山に向かい笑顔を浮かべた。
「…いつものように佐野島を呼ぶね」
茜はそう言うと、持っているバッグからスマホを取り出した。
暫くその場で待っていると、いかにもその筋といった顔付きの男達が三人入ってきた。
「…お嬢さん、お待たせいたしました」
眼鏡を掛けたインテリの強面の男が、茜に頭を下げた。
「佐野島早かったね。いつもありがとう」
茜は佐野島に労いの言葉を掛けた。
「…こいつですね…おい、連れて行け」
佐野島の指示を受け、後ろに待機していた二人の男が、部屋から遺体を運び出して行く。
「これ、前回の分です」
佐野島はスーツの内ポケットから、厚手の封筒を取り出し、茜の前に差し出した。
「黙れ!」
男が口にする真実の言葉を信じない夢山は、男の口の中に右手を突っ込んだ。
「んぐぅぅ!」
夢山に掴まれた男の舌が、巨大ななめくじのように口から顔を出した。
「夢山、そのまま引っこ抜いちゃって」
茜は凄まじい剣幕で、男の舌を見詰めている。
夢山は力の限り、引っ張った。しかし、舌は伸びるだけで千切れる気配はない。そして夢山は、だらりと伸びた男の舌から手を離した。
男は苦悶に歪んだ顔で、事切れていた。ショック死なのか、舌が気管を塞ぎ窒息したのか定かではないが、男はその短い人生に終止符を打った。
「…茜ちゃん、死んだよ」
肩で息をしながら、夢山は悲しげな顔を浮かべている。
「死んだね。夢山ありがとう」
茜は息絶えた男の顔を赤いヒールで踏み付け、夢山に向かい笑顔を浮かべた。
「…いつものように佐野島を呼ぶね」
茜はそう言うと、持っているバッグからスマホを取り出した。
暫くその場で待っていると、いかにもその筋といった顔付きの男達が三人入ってきた。
「…お嬢さん、お待たせいたしました」
眼鏡を掛けたインテリの強面の男が、茜に頭を下げた。
「佐野島早かったね。いつもありがとう」
茜は佐野島に労いの言葉を掛けた。
「…こいつですね…おい、連れて行け」
佐野島の指示を受け、後ろに待機していた二人の男が、部屋から遺体を運び出して行く。
「これ、前回の分です」
佐野島はスーツの内ポケットから、厚手の封筒を取り出し、茜の前に差し出した。
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