14 / 398
芽生えた感情
3
しおりを挟む
「えっ?美玲、泣いてるの!?」
美玲が感情を持たない事を知っている茜は、目を見開き、驚いている様子だ。
「私は悲しみを覚えたのだ。体が重く涙が出るのは、悲しんでいる証拠だ。私はそれを学習済みだ」
「美玲!感情が芽生えたんだね!私嬉しい!」
茜はテーブルに体を乗り出し、目を潤ませた。
「嬉しいとは、喜んでいるという事だな。榊原茜と私は、友人関係にある。友が喜んでいるという事は、私に感情が芽生えた事は、喜ばしい事なんだな?」
「そう!喜ばしい事だよ!」
茜は笑顔で手を差し出した。
「この手は何だ?」
美玲は無表情で首を傾げた。
「こういう時は握手するんだよ!」
「うむ、そうか」
美玲は差し出された茜の手を取り、握手を交わした。
午後の講義を終え、茜は一人暮らしをするアパートに帰って来た。
『大好きな美玲に感情が芽生えた。赤ちゃんが死んだ事は凄く悲しい。平山竜二が死んでくれたら良かったのに。あの男がいる限り、美玲は幸せになれない。美玲は私が幸せにするの。美玲、二人で未来を築いて行こうね』
茜はペンを置くと、日記を閉じた。
「…いいか美玲、人だけじゃなくて動物を殺す事も悪い事だぞ」
夕飯を食べ終え、コーヒーを片手に竜二は口を開いた。
「動物を殺す事は悪い事なんだな。しかしそれでは、人間は悪い事を行っている事になるぞ。人間は豚や牛や鶏を食べる為に殺しているだろう。人間とは悪なのか?」
美玲は理解しがたいとばかりに首を捻った。
「食べる為に動物を殺すのは悪い事じゃない。人間は動物を食べるだろ?生きる為に殺すのは悪じゃないんだよ」
竜二は分かりやすいように、身振り手振りをしながら、美玲に伝えた。
美玲が感情を持たない事を知っている茜は、目を見開き、驚いている様子だ。
「私は悲しみを覚えたのだ。体が重く涙が出るのは、悲しんでいる証拠だ。私はそれを学習済みだ」
「美玲!感情が芽生えたんだね!私嬉しい!」
茜はテーブルに体を乗り出し、目を潤ませた。
「嬉しいとは、喜んでいるという事だな。榊原茜と私は、友人関係にある。友が喜んでいるという事は、私に感情が芽生えた事は、喜ばしい事なんだな?」
「そう!喜ばしい事だよ!」
茜は笑顔で手を差し出した。
「この手は何だ?」
美玲は無表情で首を傾げた。
「こういう時は握手するんだよ!」
「うむ、そうか」
美玲は差し出された茜の手を取り、握手を交わした。
午後の講義を終え、茜は一人暮らしをするアパートに帰って来た。
『大好きな美玲に感情が芽生えた。赤ちゃんが死んだ事は凄く悲しい。平山竜二が死んでくれたら良かったのに。あの男がいる限り、美玲は幸せになれない。美玲は私が幸せにするの。美玲、二人で未来を築いて行こうね』
茜はペンを置くと、日記を閉じた。
「…いいか美玲、人だけじゃなくて動物を殺す事も悪い事だぞ」
夕飯を食べ終え、コーヒーを片手に竜二は口を開いた。
「動物を殺す事は悪い事なんだな。しかしそれでは、人間は悪い事を行っている事になるぞ。人間は豚や牛や鶏を食べる為に殺しているだろう。人間とは悪なのか?」
美玲は理解しがたいとばかりに首を捻った。
「食べる為に動物を殺すのは悪い事じゃない。人間は動物を食べるだろ?生きる為に殺すのは悪じゃないんだよ」
竜二は分かりやすいように、身振り手振りをしながら、美玲に伝えた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ずっと君のこと ──妻の不倫
家紋武範
大衆娯楽
鷹也は妻の彩を愛していた。彼女と一人娘を守るために休日すら出勤して働いた。
余りにも働き過ぎたために会社より長期休暇をもらえることになり、久しぶりの家族団らんを味わおうとするが、そこは非常に味気ないものとなっていた。
しかし、奮起して彩や娘の鈴の歓心を買い、ようやくもとの居場所を確保したと思った束の間。
医師からの検査の結果が「性感染症」。
鷹也には全く身に覚えがなかった。
※1話は約1000文字と少なめです。
※111話、約10万文字で完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる