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第二章 魔王軍戦
第十八話 エステル大陸、最大の国家
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無償で人を救う奴をお前はどう思う?
うーん、変な人かなぁ。
そうか、変な人、か…
お父さんはどう?
ん?んん、そうだな…俺もやっぱり
───変な人だと思うぞ。
◇
なんやかんやあったので、エステル最大の国家、ギガにたどり着くまでかなり長くかかってしまったように感じた。
「もうー、やっと到着?」
「お二人とも襲われすぎですわ…」
「…すまん」
田原が申し訳なさそうに言う。
「…ん、ラフも!」
キティがそう言うので、俺も言う。
「すみません」
すいませんだろ!と突っ込むのか…さぁ、どうだ!?
「まぁ、良いわよ…」
「そうだな」
「…(ぽん)」
「……」
え?何この反応…
リリーに至っては肩に手をぽん、だよ…
え?何これ?え?
「ぐす…」
「…なんだよ…」
「ごめん…」
え?何で泣いてるの?えっ?え?
え?何この急にシリアスな感じ。
俺、すみませんって言っただけだよね?
え?
「…ラフさん…少し『え?』の使い過ぎでは?」
「あっ」
心の中読まれてた~。
って、なんでやねん!
「まぁ、とりあえずさっきのことは炭に流しましょう!」
「…炭に流すって何!?」
それを言うなら水じゃねぇか!?
「そうだな、木炭に長そう…」
いや、だから何で?水じゃないの!?
「そうね、やりましょう…長しそうめん…」
いや、一人完全に違うやついるよね!?
それっぽいこと言ってるだけだよね!?
「おい!ラフ!」
「え?なんだよ田原…」
「おまっ、『!?』の使い過ぎだぞ…」
いや、何でそんなこと言われないといけないんだ!?
…いや、ここで敢えて使わないでおくか…
「ふ、ふふふ」
「?」
誰だ…こんな声…今までしなかったよな。
いや、そもそも今この車に乗っているのは、俺、田原、リリーにキティだ。
つまり、その四人では無いということ。
男の声だった…
「いや、忘れないでくれー!」
「あ」
思い出した…八聖天魔の一人だ…ぐるぐる巻きにして車の後に乗っけておいたんだ。
「と言うか、お前に名前ってあんのか?」
「あ?無いよ…んなもん…八聖天魔で一括り、お終い!閉廷!だから解いて~」
「やだよー、なら俺達の仲間になってよ~、ねぇ?」
「それは、うぅ…」
「出来ないんでしょー?」
「危害を加えるな、と言われればそうするが…魔王を殺すことに、あまり賛成はできん…俺はあいつは好きでは無い…好きでは無いが…嫌いではない…」
「なんじゃそりゃ」
恋する乙女かっつーの。
「あ、護衛とかは出来るぞ…」
「いや、そもそも俺や田原より弱いじゃん」
「あ」
確かにそうだ、と気がついた顔をする八聖天魔。
「あーあ、前だったらエリジオンに届けたのに…警察もろくに働いていない…というか閉じ込められないからな…」
「エリジオンって、確か…」
「私の出身村ですわ…覚えていますか?」
「あー、確か七星や傲慢もそこで働いてるよな…」
「だけど、転移能力が、無くなったからなぁ…」
「あの呪いって解けないのかな?」
田原が問う。
「まぁ、惑星そのものでも解けないって言うくらいだし、無理なんじゃないか?」
火龍の死に土産。
転移不可の呪い。
「…はぁ、田原は脳筋ステだから使えないし…リリーやキティはそもそもがアレだもんなぁ」
「アレって何よ、アレって」
「か弱いだけですわ」
「そうは言っても…」
あり?…か弱い?
「リリーのステータスって見たことあったっけ?」
「無いな」
「よっしゃ、見るべし」
「どうぞ~」
──『鑑定』
─────────────
リリー・ブラウン Lv52
物理的攻撃力 20
魔法的攻撃力 70
術的攻撃力 40
遠距離的攻撃力 21
射撃的攻撃力 32
斬撃的攻撃力 12
殴打的攻撃力 29
切断的攻撃力 23
属性的攻撃力 1
武器的攻撃力 31
アイテム的効果 +1%
物理的防御力 50
魔法的防御力 40
術的防御力 30
遠距離的防御力 40
射撃的防御力 50
斬撃的防御力 40
刺突的防御力 30
殴打的防御力 20
切断的防御力 30
属性的防御力 20
万能的防御力 なし
スキル・『上位物理半減』『中位物理無効』『魔法的攻撃上昇』『世界の守り手』『上位魔法無効』『戦術使用速度高速化』『原子なる者』『星の連撃』『真空斬』『万能的』『全体的』『天使語習得』『ゴーレム生成』『上位ゴーレム生成』『物理攻撃上昇化』『全防御力上昇化』『重力波生成』『消滅結界生成』『強力結界生成』『覚醒』『俊敏』『韋駄天』『忍耐』『基礎』『上位万能』
武器的防御力 50
アイテム的防御力 +5%
NEXT EXP3000 総合 89000
HP 6200
MP 4800
SP 3900
STR 2100
VIT 3100
DEX 3000
AGI 4000
INT 4900
LUC 3000
総ランク A
総合抵抗力 +10%
─────────────
「──────」
その場にいた全員(リリーを除く(八聖含む))が、絶句した。
「あれ?言っていませんでした?」
「な、ななな、何を?」
「私ですわ、ギネスにのってる世界で最も高いレベルの人」
「──────」
その場にいた全員(八聖含む)が、絶句した。いや、多分車もしてた。
「─────ぇえぇえぇえええ!?」
マジかいな。ぇぇえええ!?案外強いやん!
「そうなんです。私戦えるのですわ…」
知らなかった…
「ただ、お二方が強すぎて…一体どうやってそんなにレベルを上げたのですか?」
「ん?結構簡単だったよ…俺の場合」
田原は切り出した。
「俺は究極的にモテなかったからさ、婚活、出会い系サイト、合コン、或いはそれらに類する事をし続けた訳…そしたら…ね…」
た、田原…
「俺は…就活かな…」
何の資格も無くて、なさ過ぎて…
まぁ。いろいろ辛かった訳だが。
それでも空元気で何とかやってた時代を思い出した。
「あのー、その話…普通に重いから…やめていただけません?」
「「「「お前は黙っとけ!」」」」
八聖天魔は四人に責められた。
「ぅ、はい…」
「ま、まぁ、切り替えていきましょうよ」
そうそう。今の俺は可愛い彼女も出来たし、まぁあんま困ることなしだし、最高な奴だなー、おい~。
もしこの世に幸運と悪運があって、全ての人に±0となっているんだとしたら、俺は今、+の状態なんだ。
報われた…そんな気がした。
まぁ、気がしただけだが。
結局、人とは人の都合に良いように解釈してしまうものなのだから。
人という字は、頑張ってみればお尻に見えなくもない。
つまり…そう言うことだ。
「どういうこと!?」
田原が、鋭くないつっこみをしてきた。
て言うか、お前…
「お前も心読めるんかい」
「すまんな、わはは」
そんな感じで、楽しく車内で時は過ぎていった。
◇
本題に入ろう。今日はエステル最大の国家、ギガに来たのだ。その目的を忘れてはいけない。
「バリバリ忘れてたやん」
まぁ、それはしょうがないとして。
俺達はギガに来たのだった。
ギガに入国する際、色々な検査を受ける必要があるのだが、一度検査されればとあるカードが発行されるので、ギガで生活することが許される。ただし、半年に一回はその検定を再び受けなければいけないのだが。
「さてさて、ギガとは…」
俺は貰った国のパンフレットのようなものを読む。
ふむ。
エステル大陸、最大の国家ギガ。
総面積 約210000000㎢
総人口 約1100000000人。
非常に広く、また最も栄えている国である。
現国王、レーディーン・エーミール・レバシィノ。
景観は良く、自然豊かな国であり、資源が多い。また、畜産が盛んであった。
もちろん先進工業国であり、さまざまな技術が発展している。
スマホやテレビはギガから生まれたらしい。
海にも近く、漁業も行い、また自然破壊をなるべく行わないようにしている。生物の数にも注意して、人間が取り過ぎないようバランスを保っていた。
また、魔物が出現してからは、魔物に襲われる動物が多くいたため、魔物保護団体が発足。
さらに、世界最大規模のボランティア団体、SAVEの活動により、ほとんど全ての動物が守られている。
教育機関も多くあり、会社、企業も多々ある。
学生が多く、過疎地域も無い、健全な国である。
また、最近国王レーディーン・エーミール・レバシィノが、とある青年を、『勇者賞』(ブレイブ)に認定した。
農家地域は小麦がラスティ、ハーティ…───略。
「なるほどなぁ」
途中で買った焼き鳥を咥えながら俺は頷く。
「うおっ、この焼き鳥美味いな…」
噛んだ途端、肉汁が溢れ出し、甘いタレと絡まっていて最高に美味い。肉の食感も、モニュッ、モニュッと良い食感である。
「確かに…」
田原はネギマを咥えながらそう言った。
シャキッと言う音が田原の口からする。
「…ネギマいいなぁ…」
「買えば良かったんじゃ…」
「そんな無駄遣い出来ない…」
「あ、そう?」
旅費は俺が考えて使っているので、まぁ一応枯渇しないよう工夫してるので大丈夫か。
「…コリッ、コリコリ」
「あ」
俺は、見た。リリーが白い軟骨を食べているところを。塩や胡椒がかかった軟骨は、コリッコリッと軽やかな音をだし、恐らく肉汁が溢れているのだろうなぁ、と言うのが想像できる。
ジュルリ…
「あら、軟骨あったの?美味しそうね」
後からスタスタと歩いて行き、俺を抜かしていった金髪をなびかせる女がいた。
いや、違う。
それは、ただの女では無かった。
右手には、なんと牛刺しが…
神々しく輝く、黒光りする圧倒的脂…
恐らく大量に食べればくどいだろう。
牛くささもあるかも知れない…
だが、それは、焼き肉、というじょうきょうかにおいて、だ。
焼き鳥のように、刺せばどうなる?
「あ」
「はふっ、ほふほふ」
まだ湯気が出ている牛肉を、キティは、当たり前のように口に入れた。
──キティ…
いくら、彼女だからと言って…それは許せ──
『──何か良い匂いするなぁ』
「…」
それは、俺が車と一緒に異空間に保持していた八聖天魔の声だった。
「…なんか、ごめん」
八聖天魔の事を思うと、なんか申し訳無くなった。
「あ、そうだ」
八聖天魔をどうにかする、唯一の方法。
それは、これしかない。
「『心操作』」
そうして、俺は八聖天魔を洗脳した。
「さて、これからどこに行く?」
俺は、八聖天魔を除いて三人に聞いた。
「ん、そうねぇ」
「そうですわね…まぁ、まずは情報収集ではないですか?」
「ん?何故…」
「そりゃお前…パンフレットに書いてあったんだろ?勇者賞を貰ったって…つーことは確実だろ?そいつがいるの…街中のやつらに聞けば…特定することだってな」
「ふーん」
そうか。
じゃあ、そうするか。
…
…なんかこれじゃあ俺が阿呆みたいじゃん!
うーん、変な人かなぁ。
そうか、変な人、か…
お父さんはどう?
ん?んん、そうだな…俺もやっぱり
───変な人だと思うぞ。
◇
なんやかんやあったので、エステル最大の国家、ギガにたどり着くまでかなり長くかかってしまったように感じた。
「もうー、やっと到着?」
「お二人とも襲われすぎですわ…」
「…すまん」
田原が申し訳なさそうに言う。
「…ん、ラフも!」
キティがそう言うので、俺も言う。
「すみません」
すいませんだろ!と突っ込むのか…さぁ、どうだ!?
「まぁ、良いわよ…」
「そうだな」
「…(ぽん)」
「……」
え?何この反応…
リリーに至っては肩に手をぽん、だよ…
え?何これ?え?
「ぐす…」
「…なんだよ…」
「ごめん…」
え?何で泣いてるの?えっ?え?
え?何この急にシリアスな感じ。
俺、すみませんって言っただけだよね?
え?
「…ラフさん…少し『え?』の使い過ぎでは?」
「あっ」
心の中読まれてた~。
って、なんでやねん!
「まぁ、とりあえずさっきのことは炭に流しましょう!」
「…炭に流すって何!?」
それを言うなら水じゃねぇか!?
「そうだな、木炭に長そう…」
いや、だから何で?水じゃないの!?
「そうね、やりましょう…長しそうめん…」
いや、一人完全に違うやついるよね!?
それっぽいこと言ってるだけだよね!?
「おい!ラフ!」
「え?なんだよ田原…」
「おまっ、『!?』の使い過ぎだぞ…」
いや、何でそんなこと言われないといけないんだ!?
…いや、ここで敢えて使わないでおくか…
「ふ、ふふふ」
「?」
誰だ…こんな声…今までしなかったよな。
いや、そもそも今この車に乗っているのは、俺、田原、リリーにキティだ。
つまり、その四人では無いということ。
男の声だった…
「いや、忘れないでくれー!」
「あ」
思い出した…八聖天魔の一人だ…ぐるぐる巻きにして車の後に乗っけておいたんだ。
「と言うか、お前に名前ってあんのか?」
「あ?無いよ…んなもん…八聖天魔で一括り、お終い!閉廷!だから解いて~」
「やだよー、なら俺達の仲間になってよ~、ねぇ?」
「それは、うぅ…」
「出来ないんでしょー?」
「危害を加えるな、と言われればそうするが…魔王を殺すことに、あまり賛成はできん…俺はあいつは好きでは無い…好きでは無いが…嫌いではない…」
「なんじゃそりゃ」
恋する乙女かっつーの。
「あ、護衛とかは出来るぞ…」
「いや、そもそも俺や田原より弱いじゃん」
「あ」
確かにそうだ、と気がついた顔をする八聖天魔。
「あーあ、前だったらエリジオンに届けたのに…警察もろくに働いていない…というか閉じ込められないからな…」
「エリジオンって、確か…」
「私の出身村ですわ…覚えていますか?」
「あー、確か七星や傲慢もそこで働いてるよな…」
「だけど、転移能力が、無くなったからなぁ…」
「あの呪いって解けないのかな?」
田原が問う。
「まぁ、惑星そのものでも解けないって言うくらいだし、無理なんじゃないか?」
火龍の死に土産。
転移不可の呪い。
「…はぁ、田原は脳筋ステだから使えないし…リリーやキティはそもそもがアレだもんなぁ」
「アレって何よ、アレって」
「か弱いだけですわ」
「そうは言っても…」
あり?…か弱い?
「リリーのステータスって見たことあったっけ?」
「無いな」
「よっしゃ、見るべし」
「どうぞ~」
──『鑑定』
─────────────
リリー・ブラウン Lv52
物理的攻撃力 20
魔法的攻撃力 70
術的攻撃力 40
遠距離的攻撃力 21
射撃的攻撃力 32
斬撃的攻撃力 12
殴打的攻撃力 29
切断的攻撃力 23
属性的攻撃力 1
武器的攻撃力 31
アイテム的効果 +1%
物理的防御力 50
魔法的防御力 40
術的防御力 30
遠距離的防御力 40
射撃的防御力 50
斬撃的防御力 40
刺突的防御力 30
殴打的防御力 20
切断的防御力 30
属性的防御力 20
万能的防御力 なし
スキル・『上位物理半減』『中位物理無効』『魔法的攻撃上昇』『世界の守り手』『上位魔法無効』『戦術使用速度高速化』『原子なる者』『星の連撃』『真空斬』『万能的』『全体的』『天使語習得』『ゴーレム生成』『上位ゴーレム生成』『物理攻撃上昇化』『全防御力上昇化』『重力波生成』『消滅結界生成』『強力結界生成』『覚醒』『俊敏』『韋駄天』『忍耐』『基礎』『上位万能』
武器的防御力 50
アイテム的防御力 +5%
NEXT EXP3000 総合 89000
HP 6200
MP 4800
SP 3900
STR 2100
VIT 3100
DEX 3000
AGI 4000
INT 4900
LUC 3000
総ランク A
総合抵抗力 +10%
─────────────
「──────」
その場にいた全員(リリーを除く(八聖含む))が、絶句した。
「あれ?言っていませんでした?」
「な、ななな、何を?」
「私ですわ、ギネスにのってる世界で最も高いレベルの人」
「──────」
その場にいた全員(八聖含む)が、絶句した。いや、多分車もしてた。
「─────ぇえぇえぇえええ!?」
マジかいな。ぇぇえええ!?案外強いやん!
「そうなんです。私戦えるのですわ…」
知らなかった…
「ただ、お二方が強すぎて…一体どうやってそんなにレベルを上げたのですか?」
「ん?結構簡単だったよ…俺の場合」
田原は切り出した。
「俺は究極的にモテなかったからさ、婚活、出会い系サイト、合コン、或いはそれらに類する事をし続けた訳…そしたら…ね…」
た、田原…
「俺は…就活かな…」
何の資格も無くて、なさ過ぎて…
まぁ。いろいろ辛かった訳だが。
それでも空元気で何とかやってた時代を思い出した。
「あのー、その話…普通に重いから…やめていただけません?」
「「「「お前は黙っとけ!」」」」
八聖天魔は四人に責められた。
「ぅ、はい…」
「ま、まぁ、切り替えていきましょうよ」
そうそう。今の俺は可愛い彼女も出来たし、まぁあんま困ることなしだし、最高な奴だなー、おい~。
もしこの世に幸運と悪運があって、全ての人に±0となっているんだとしたら、俺は今、+の状態なんだ。
報われた…そんな気がした。
まぁ、気がしただけだが。
結局、人とは人の都合に良いように解釈してしまうものなのだから。
人という字は、頑張ってみればお尻に見えなくもない。
つまり…そう言うことだ。
「どういうこと!?」
田原が、鋭くないつっこみをしてきた。
て言うか、お前…
「お前も心読めるんかい」
「すまんな、わはは」
そんな感じで、楽しく車内で時は過ぎていった。
◇
本題に入ろう。今日はエステル最大の国家、ギガに来たのだ。その目的を忘れてはいけない。
「バリバリ忘れてたやん」
まぁ、それはしょうがないとして。
俺達はギガに来たのだった。
ギガに入国する際、色々な検査を受ける必要があるのだが、一度検査されればとあるカードが発行されるので、ギガで生活することが許される。ただし、半年に一回はその検定を再び受けなければいけないのだが。
「さてさて、ギガとは…」
俺は貰った国のパンフレットのようなものを読む。
ふむ。
エステル大陸、最大の国家ギガ。
総面積 約210000000㎢
総人口 約1100000000人。
非常に広く、また最も栄えている国である。
現国王、レーディーン・エーミール・レバシィノ。
景観は良く、自然豊かな国であり、資源が多い。また、畜産が盛んであった。
もちろん先進工業国であり、さまざまな技術が発展している。
スマホやテレビはギガから生まれたらしい。
海にも近く、漁業も行い、また自然破壊をなるべく行わないようにしている。生物の数にも注意して、人間が取り過ぎないようバランスを保っていた。
また、魔物が出現してからは、魔物に襲われる動物が多くいたため、魔物保護団体が発足。
さらに、世界最大規模のボランティア団体、SAVEの活動により、ほとんど全ての動物が守られている。
教育機関も多くあり、会社、企業も多々ある。
学生が多く、過疎地域も無い、健全な国である。
また、最近国王レーディーン・エーミール・レバシィノが、とある青年を、『勇者賞』(ブレイブ)に認定した。
農家地域は小麦がラスティ、ハーティ…───略。
「なるほどなぁ」
途中で買った焼き鳥を咥えながら俺は頷く。
「うおっ、この焼き鳥美味いな…」
噛んだ途端、肉汁が溢れ出し、甘いタレと絡まっていて最高に美味い。肉の食感も、モニュッ、モニュッと良い食感である。
「確かに…」
田原はネギマを咥えながらそう言った。
シャキッと言う音が田原の口からする。
「…ネギマいいなぁ…」
「買えば良かったんじゃ…」
「そんな無駄遣い出来ない…」
「あ、そう?」
旅費は俺が考えて使っているので、まぁ一応枯渇しないよう工夫してるので大丈夫か。
「…コリッ、コリコリ」
「あ」
俺は、見た。リリーが白い軟骨を食べているところを。塩や胡椒がかかった軟骨は、コリッコリッと軽やかな音をだし、恐らく肉汁が溢れているのだろうなぁ、と言うのが想像できる。
ジュルリ…
「あら、軟骨あったの?美味しそうね」
後からスタスタと歩いて行き、俺を抜かしていった金髪をなびかせる女がいた。
いや、違う。
それは、ただの女では無かった。
右手には、なんと牛刺しが…
神々しく輝く、黒光りする圧倒的脂…
恐らく大量に食べればくどいだろう。
牛くささもあるかも知れない…
だが、それは、焼き肉、というじょうきょうかにおいて、だ。
焼き鳥のように、刺せばどうなる?
「あ」
「はふっ、ほふほふ」
まだ湯気が出ている牛肉を、キティは、当たり前のように口に入れた。
──キティ…
いくら、彼女だからと言って…それは許せ──
『──何か良い匂いするなぁ』
「…」
それは、俺が車と一緒に異空間に保持していた八聖天魔の声だった。
「…なんか、ごめん」
八聖天魔の事を思うと、なんか申し訳無くなった。
「あ、そうだ」
八聖天魔をどうにかする、唯一の方法。
それは、これしかない。
「『心操作』」
そうして、俺は八聖天魔を洗脳した。
「さて、これからどこに行く?」
俺は、八聖天魔を除いて三人に聞いた。
「ん、そうねぇ」
「そうですわね…まぁ、まずは情報収集ではないですか?」
「ん?何故…」
「そりゃお前…パンフレットに書いてあったんだろ?勇者賞を貰ったって…つーことは確実だろ?そいつがいるの…街中のやつらに聞けば…特定することだってな」
「ふーん」
そうか。
じゃあ、そうするか。
…
…なんかこれじゃあ俺が阿呆みたいじゃん!
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