5 / 6
入学式
しおりを挟む
カーン、カーン、カーン
!
「大変、入学式に遅れてしまったわ!」
「今のは5分前の鐘だから、今からでも間に合うぞ。因みに、式は桜並木を真っ直ぐ行って左だ」
「え?案内板には右と描いてありましたが………」
「確かに案内板には右って書いてるが、それは違うんだよ。
早めに行った奴は間違えてたって分かるが、ギリギリの奴は遅れてしまう。だから、なんでも早めに行動しなさいって実感するだろ?」
「それもそうですわね。ありがとうございますわ」
「おう、じゃあなー」
走るのは淑女として失格だから少し早歩きで式の場所に向かった。
良かった、間に合ったみたい。
レイチェルはホッと安堵の溜息をつきながら自分の席に座り、辺りを見渡した。
「殆どんどの方は着いている様ですね」
カーン、カーン、カーン
学園長と思わしき高齢のお爺さんが前に出てきて、
「えー、私は学園長のラチェスです。ここにいるのは時間に余裕を持って行動した生徒のみでしょう。こんなにも沢山の生徒が時間に余裕を持ち行動してくれたことを私は」
バーン!
「すみません、迷って遅れちゃいました~!」
学園長先生の有り難い?お言葉を遮り、その少女はやってきた。
レイチェルは、おい、入るならこっそり入れよ馬鹿じゃねぇかてめぇ!?というのと、確かに目立ってるけど思ってたのと違う、というのでどんな顔をすればいいのかわからずポーカーフェイスを続けた。
「………遅れた理由はわかった。ただ、せめてこっそり入る考慮をしてほしかったのだが?」
「ごっ、ごめんなさい」
ヒロインと思わしき少女は涙目になりながら謝罪をしたが、私にはどうしてもわざとらしさしか感じられなかった。
先入観からかとレイチェルは思ったが、まぁとりあえずこの少女を虐めないといけないのか………。と憂鬱な気分になった。
いや、よくある何もしてないのに悪役令嬢のせいにされるっていうのは結構小説とかにあったし、別に虐めなくてもいいかも?私のせいにされなかったら、卒業後すぐに家出すればいいし。と考え直し、目の前の事に思考を移した。
「まぁ、反省したならもういいでしょう。次からは決して!しないようにしてくださいね?いいですね?ティアラ・フィルムさん!」
「は、はいぃ~」
あ、もう終わってた。
「では、入学式を続けます。」
「新入生代表、ルーカス・フィアカスタ」
「はい」
第二王子が返事をし、前に出てきてこれからの意気込み等を語っている。
キリッとしていても、格好良さはナイの方が上だなと考えている内に終わっていた様で、もう閉会の言葉になっていた。
「これで入学式は終わります。各自自分のクラスの先生について行き教室へ向かってください。」
確か私はAクラスだから、えーと、先生の名前何だったかしら?
ちょっとキョロキョロしてたら思い出すわよね?と辺りを見渡していると、
「レイチェル・ヒールか?」
と声をかけてきた者がいた。
「えぇ、そうですが」
「頭の良いAクラスはあっちだ。こっちは頭の悪いEクラスだぞ?」
「まぁ、そうでしたのね?教えて頂きありがとうございますわ」
私は親切な方に小さくカーテシーをして、教えて頂いた方へ向かった。
「あら、私のクラスの先生は、先程の草臥れた白衣を着たおじ、コホン。お兄さんなのかしら?」
おじさんと言いかけたがお兄さんと言い直したが、
「おい、今おじさんって言いかけただろ」
「私、とっても素直なんですの。申し訳ありませんわ?
でも、そんなに草臥れた白衣に、何日洗っていないのか気になる位ボサボサの髪の毛とお髭をされていますから………ね?」
私は、
『あんた何日風呂入ってねぇの?汚ねぇなー』
という言葉を含みながら困った様に少し眉を下げた。
「お、俺は魔法で清潔にしているんで風呂入らなくてもいいんだよ!」
ゔっ、と弱点をつかれた様にとても嫌そうな顔をした草臥れた格好のお兄さん?は、逆ギレしてきた。
「最初にゔっ、と言ったのだから、入った方が良いというのは分かっておられるでしょう?
それに、今日は一生に一度しか無い入学式なのに、草臥れた白衣にボサボサの髪の毛とお髭なんて……………!ありえませんわ!
貴方は、貴方は!おじさんどころかおっさんではありませんか!」
レイチェルは、自分のクラスの先生がおっさんなんて嫌!と顔を手で隠し、膝から崩れ落ちた。
………その場に、なんとも言えない雰囲気が漂う。
「あー、すまん。次からは風呂入ってくるから。な?」
だから早く立ってくれ、視線が痛いとばかりにおっさんはレイチェルに声をかけ、手を差し出すも、
「何日お風呂に入っていないかわからないような方の手は取りたくありませんわ」
と言いながら、レイチェルは一人で立った。
今度は、おっさんが崩れ落ちた。
!
「大変、入学式に遅れてしまったわ!」
「今のは5分前の鐘だから、今からでも間に合うぞ。因みに、式は桜並木を真っ直ぐ行って左だ」
「え?案内板には右と描いてありましたが………」
「確かに案内板には右って書いてるが、それは違うんだよ。
早めに行った奴は間違えてたって分かるが、ギリギリの奴は遅れてしまう。だから、なんでも早めに行動しなさいって実感するだろ?」
「それもそうですわね。ありがとうございますわ」
「おう、じゃあなー」
走るのは淑女として失格だから少し早歩きで式の場所に向かった。
良かった、間に合ったみたい。
レイチェルはホッと安堵の溜息をつきながら自分の席に座り、辺りを見渡した。
「殆どんどの方は着いている様ですね」
カーン、カーン、カーン
学園長と思わしき高齢のお爺さんが前に出てきて、
「えー、私は学園長のラチェスです。ここにいるのは時間に余裕を持って行動した生徒のみでしょう。こんなにも沢山の生徒が時間に余裕を持ち行動してくれたことを私は」
バーン!
「すみません、迷って遅れちゃいました~!」
学園長先生の有り難い?お言葉を遮り、その少女はやってきた。
レイチェルは、おい、入るならこっそり入れよ馬鹿じゃねぇかてめぇ!?というのと、確かに目立ってるけど思ってたのと違う、というのでどんな顔をすればいいのかわからずポーカーフェイスを続けた。
「………遅れた理由はわかった。ただ、せめてこっそり入る考慮をしてほしかったのだが?」
「ごっ、ごめんなさい」
ヒロインと思わしき少女は涙目になりながら謝罪をしたが、私にはどうしてもわざとらしさしか感じられなかった。
先入観からかとレイチェルは思ったが、まぁとりあえずこの少女を虐めないといけないのか………。と憂鬱な気分になった。
いや、よくある何もしてないのに悪役令嬢のせいにされるっていうのは結構小説とかにあったし、別に虐めなくてもいいかも?私のせいにされなかったら、卒業後すぐに家出すればいいし。と考え直し、目の前の事に思考を移した。
「まぁ、反省したならもういいでしょう。次からは決して!しないようにしてくださいね?いいですね?ティアラ・フィルムさん!」
「は、はいぃ~」
あ、もう終わってた。
「では、入学式を続けます。」
「新入生代表、ルーカス・フィアカスタ」
「はい」
第二王子が返事をし、前に出てきてこれからの意気込み等を語っている。
キリッとしていても、格好良さはナイの方が上だなと考えている内に終わっていた様で、もう閉会の言葉になっていた。
「これで入学式は終わります。各自自分のクラスの先生について行き教室へ向かってください。」
確か私はAクラスだから、えーと、先生の名前何だったかしら?
ちょっとキョロキョロしてたら思い出すわよね?と辺りを見渡していると、
「レイチェル・ヒールか?」
と声をかけてきた者がいた。
「えぇ、そうですが」
「頭の良いAクラスはあっちだ。こっちは頭の悪いEクラスだぞ?」
「まぁ、そうでしたのね?教えて頂きありがとうございますわ」
私は親切な方に小さくカーテシーをして、教えて頂いた方へ向かった。
「あら、私のクラスの先生は、先程の草臥れた白衣を着たおじ、コホン。お兄さんなのかしら?」
おじさんと言いかけたがお兄さんと言い直したが、
「おい、今おじさんって言いかけただろ」
「私、とっても素直なんですの。申し訳ありませんわ?
でも、そんなに草臥れた白衣に、何日洗っていないのか気になる位ボサボサの髪の毛とお髭をされていますから………ね?」
私は、
『あんた何日風呂入ってねぇの?汚ねぇなー』
という言葉を含みながら困った様に少し眉を下げた。
「お、俺は魔法で清潔にしているんで風呂入らなくてもいいんだよ!」
ゔっ、と弱点をつかれた様にとても嫌そうな顔をした草臥れた格好のお兄さん?は、逆ギレしてきた。
「最初にゔっ、と言ったのだから、入った方が良いというのは分かっておられるでしょう?
それに、今日は一生に一度しか無い入学式なのに、草臥れた白衣にボサボサの髪の毛とお髭なんて……………!ありえませんわ!
貴方は、貴方は!おじさんどころかおっさんではありませんか!」
レイチェルは、自分のクラスの先生がおっさんなんて嫌!と顔を手で隠し、膝から崩れ落ちた。
………その場に、なんとも言えない雰囲気が漂う。
「あー、すまん。次からは風呂入ってくるから。な?」
だから早く立ってくれ、視線が痛いとばかりにおっさんはレイチェルに声をかけ、手を差し出すも、
「何日お風呂に入っていないかわからないような方の手は取りたくありませんわ」
と言いながら、レイチェルは一人で立った。
今度は、おっさんが崩れ落ちた。
21
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
転生したら没落寸前だったので、お弁当屋さんになろうと思います。
皐月めい
恋愛
「婚約を破棄してほしい」
そう言われた瞬間、前世の記憶を思い出した私。
前世社畜だった私は伯爵令嬢に生まれ変わったラッキーガール……と思いきや。
父が亡くなり、母は倒れて、我が伯爵家にはとんでもない借金が残され、一年後には爵位も取り消し、七年婚約していた婚約者から婚約まで破棄された。最悪だよ。
使用人は解雇し、平民になる準備を始めようとしたのだけれど。
え、塊肉を切るところから料理が始まるとか正気ですか……?
その上デリバリーとテイクアウトがない世界で生きていける自信がないんだけど……この国のズボラはどうしてるの……?
あ、お弁当屋さんを作ればいいんだ!
能天気な転生令嬢が、自分の騎士とお弁当屋さんを立ち上げて幸せになるまでの話です。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪
鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。
「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」
だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。
濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが…
「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる